ギャラリー日記
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●9月28日 コロナ禍でのアート市場 オークション会社サザビーズのニュースレターが届いた。 サザビーズジャパンの代表石坂泰章氏の文章を一部引用させていただく。 コロナが騒がれ始めた3月頃アート業界はパニックに包まれた。 ライブオークションやアートフェアは中止、画廊も休業、その上大恐慌以来の不況到来で売り物が殺到するのではという不安が広がった。 それから半年を経てコロナはまだ収束していないものの、おぼろげながら美術市場の将来像が浮かび上がってきた。 それは危惧していた衰退というよりも、意外やIT活用の加速化による市場の進化と拡大という明るい未来であった。 まずはネットオークションを介しての取引が伸びた。 サザビーズでは3〜7月末に各分野の計180回以上のネットオークションで、既に昨年度通年の数字の3倍を超える310億円が落札された。 昨年サザビーズ本体のオーナーが交替し、IT業界出身でネットに注力していたこととも相まって、 同時期の競合他社の数字のほぼ倍となった。 毎回の参加者は40ケ国に及び、その三分の一は新規顧客で、特に若手の新規顧客が多かった。この勢いを駆ってネットと融合したライブオークションが再開し、 落札総額400億円、落札率93%など、従来のイブニングセールに遜色のない結果を出すことができたと述べている。 この結果を見ると、他の分野でもそうだが、新たな経済の仕組みがITというシステムを使って構築されていくことがわかる。 私どももネットによる売り上げが画廊での売り上げを超える状態が続いていて、画廊に来られるお客様が少なくなる中、画像配信、動画配信などによる発信が功を奏している。 来月も台北のフェアの参加を断念し、オンラインアートフェアを独自にやろうと思っているが、果たしてどういう結果となるのだろうか。 不安半分、期待半分である。 ●9月21日 参加断念 10月に開催されるアートフェア・アート台北への参加はコロナ禍のため断念することになった。 ソウルのアートフェアKIAFの参加取りやめに続いての不参加である。 KIAFは結局政府の指示によりフェア自体が中止になった。 参加予定の作家さんは既に出品作品に取り組んでいて、このままでは発表の機会が失われることになる。 そこで10月17日よりギャラリー椿にてKIAF、アート台北に出品を予定していた作品を展示し、オンラインアートフェアを開催することにした。 アルバイトで来てもらっているスタッフが動画による作品紹介の仕事を友人と始めたこともあり、 オンラインでより立体的に作品紹介が可能になり、フェアの臨場感も体感してもらうことができる。 このオンラインフェアには参加を取りやめた画廊も何軒か参加することになっているが、他にも参加を希望する画廊があればギャラリー椿宛に問い合わせていただきたい。 韓国、台湾のお客様には直接作品を見ていただくことはできないが、オンライにて楽しんでいただければ幸いである。 作品画像: アート台北出品作品・北村奈津子・山本麻友香 ●9月19日 「六甲ミーツ・アート芸術散歩」 「六甲ミーツ・アート芸術散歩」11月23日まで六甲山上の12会場で開催されている。 各会場にあるアート作品を、ピクニック気分で周遊しながら楽しめる現代アートの展覧会である。 旧六甲山ホテルがイタリアの建築界の巨匠ミケーレ・デ・ルッキの手によって修復され、「六甲山サイレンスリゾート」として生まれ変わり、その室内には中村萌の作品は展示されている。 秋には紅葉に囲まれ、夜は神戸の絶景の夜景が見ることができる絶好のロケーションの中でのアート鑑賞、時間を見てぜひ行く予定にしている。 ●9月17日 オンラインショッピング 画廊では個展やアートフェア用に画集やポストカード、トートバッグ、その他のアートグッズを色々と作っている。 その期間は人気作家のものはかなりの数が売れるが、終わって画廊に置いておいてもほとんど売れることはない。 コレクターの方は美術作品は買ってもこうしたアートグッズは買わないものと思っていた。 ところがここに来て毎日のように相当な数の注文が入るようになった。 スタッフがオンライショッピングに登録したおかげである。 私ではまず思いつかないが、スタッフ達はネット通販は当たり前のように使っていて、 今までお店に行って買っていたような画廊の事務用品から梱包材料、その他の雑貨もネットで購入している。 今のご時世当たり前といったらなんだが、私世代は見てから買わないとと不安が先に走る。 退院して保険会社に電話をして入院費用や手術費用の請求をしようとすると、スマホで申し込めば翌日には払い込むという音声が流れる。 これは便利だがやり方がわからず、結局書類で送ってもらうことにした。 一事が万事こんな具合なので、1日中右往左往している。 それでもまだFBやLINEを使っているだけマシなのだろう。 どちらにしても画廊にただ置いてあるだけのグッズ類が毎日のように売れていくのはありがたい事で、SNSの威力にひれ伏すばかりである。 下記リンクより是非ご覧ください。 - ギャラリー椿 オンラインショップ - ●9月15日 激痛 三大激痛というのがあって尿管結石、胆石、膵炎だそうで、他に激痛を伴うのは痛風、心筋梗塞などがあるそうだ。 今回は胆管結石で入院し手術をしたが、以前に尿管結石、痛風をやっていて、あまり自慢にはならないが三つの激痛を制覇したことになる。 お酒もタバコもやらず、健康には留意している方だが、この有様である。 どうやらいけないのは私が水分をあまり取らないことが原因の一つのようだ。 石や尿酸は尿で排出されることも多く、1日2リットルの水を飲むように心がけなくてはいけない。 7月にも暑い日に散歩をしていて熱中症になったが、これも水分を取らずに歩いていたのが原因だった。 喉が乾いて飲むのでは遅く、お酒も飲まない私なので、水も薬だと思ってひたすら飲むように誓うのであった。 ●9月12日 入院 先週金曜日に遅い昼食をとったあと、急に右横腹が痛みだし、上部肋骨、胸から胃の部分に痛みが周り、画廊を終えて電車で家に向かう頃には我慢できない激痛が襲ってきた。 家に帰り息子に近くの病院に連れて行ってもらったところ急性胆管炎ということで急遽入院。 ここでは手術ができないということで、日曜日には順天堂大学病院に転院。 レントゲン、CT、MRI、超音波、心電図などほぼ半日検査を受け、改めて2週間ほど入院することになった。 1日シンガポールで尿管結石で入院して以来で、こんなに長い入院は今から35年前に脱腸の手術で入院して以来である。 3日後には胆石を内視鏡で除去する手術を受け、その後ようやく痛みから解放されることになった。 シンガポールの尿管結石も痛かったが、今回の痛みは経験したことのない痛さであった。 丁度入院翌日から岩渕、天明二人の個展が始まり、留守を心配したがスタッフがしっかり留守を守ってくれたようだ。 その後順調に回復し、一週間早く急遽今日退院をすることになった。 ただ、胆嚢は摘出しなくてはならず、担当教授のスケジュールに合わせ、年内のどこかで手術はしなくてはならないようだが、まずは一安心である。 まだ十二指腸に炎症は残っているようで、来週体調を見ながら仕事復帰をしたいと思っている。 多くの方から見舞いのメールやメッセージをいただき、まことにありがたく心より感謝を申し上げる。 また皆様と元気で画廊でお会いできるのを楽しみにしている。 ●9月4日 岩渕、天明個展 今日はまた真夏が戻ってきたような強い日差しと猛烈な暑さで外を歩くとクラクラする。 9月に入ったが暑さは衰えることを知らない。 更には大型の台風が次々と日本にやってきて、コロナ禍と相まってこれでもかと痛めつけられる。 政界では安倍首相の退陣が決まり、後継者を巡ってマスコミの報道が躍っているが、安倍首相に対しては各国首脳からその業績に対し大いなる賛辞が送られ、 それに呼応するかのように、世論も安倍政権に対しての評価は退陣前とは違って高い評価を下しているようだ。 特筆すべきはあの朝日新聞の世論調査でも71%が評価をするとなっていて、朝日新聞の読者も退陣後はエールを送ってくれているようで、 ノーサイドの精神をしかと見せてくれているのは嬉しいことである。 さて、画廊も月が変わり、新たな個展が二つ明日から始まる。 岩渕華林展は昨年の上海個展以来で、ドローイングを含め新作16点が並ぶ。 まずは岩渕華林。 Mimicry-擬態 本展示は、昆虫が花や枝に姿を変えて生き抜こうとする生態(擬態)から発想を得て制作した作品を中心に発表する。 彼女の特徴でもある面相筆による髪の毛の表現にも躍動感といった動きの表現や、清楚とか可憐といった顔の表情だけではなく、 眼差しの強い凄みのある表情も加わり、前回までとは違った新たな表現を見せてくれている。 新しい作品集も製作中。 天明里奈個展 花の咲く前に / before blooming 乾漆彫刻の新作を中心に2年振りの個展を開催する。 工芸の新しい潮流に取り組む一人として、天明は女性像のの新たな造形に取り組む。 残暑厳しき中ではありますが、是非のお越しをお待ち申し上げます。 ●8月29日 安倍首相退陣 8月も終わりだが、猛暑が続く。 7月に熱中症になったこともあって、水分補給には気をつけているが、コロナよりこっちの方が怖いような気がする。 安倍首相も病気が再発し退陣することになった。 原因不明の難病だそうだが、ストレスの積み重ねがそうさせるのではないだろうか。 コロナ対策もそうだが、何をやっても批判され、そうしたストレスの積み重ねが、体調を悪化させるのでは。 総理大臣というのは国民の代表であり、国家の長であるだけに、その責任は重く、また仕事の量も半端ではないだろう。 更には海外の要人と会ったり、重要事項を決めるたびにその緊張度も増していく。 とても常人では務まらない重職で、その体力、精神力も並大抵ものでなくてはいけない。 それだけ頑張っても野党やマスコミ、リベラルの人たちの批判は容赦がない。 こんな具合で病気ならない方が不思議なくらいである。 辞めたら辞めたで、それまで早く辞めろと言ってた人たちが、途中で投げ出すのかとか、野党議員の中には、難病で辞める癖があるという人まで出てくる始末 病いで苦渋の決断をした人に対して憐憫の情のかけらもない。 寂しいものである。 主義主張が違っても退く時には、ラグビーのノーサイドではないが、お疲れ様と肩を叩く思いやりがあってもいいのではないか。 しばらくゆっくりされて、1日も早い回復を願うばかりである。 ●8月24日 明治神宮ミュージアム 日曜日は雨が降ったせいか多少気温も下がり散歩がてら明治神宮ミュージアムを訪ねる。 明治神宮鎮座百年祭を記念して、隈研吾設計による明治神宮ミュージアムが昨年開館した。 周辺には名和晃平や三沢厚彦の立体作品が置かれ、館内には「紫幹翠葉」と題し現代アーティストによる扇面や屏風、 掛け軸が展示され、伝統と現代をマッティングさせて神宮の杜をイメージした作品が並ぶ。 天明屋尚、森村泰昌、小林孝亘、町田久美、ミヤケマイ、中村ケンゴ、流麻二果など30名の作家が参加している。 夏の濃い緑に囲まれ、それぞれに神宮の杜に想いを込めた作品が並び、暑い夏の一服の清涼剤となった。 上の階には神宮所蔵の美術品が展示されていて、こういう機会でなければ見られないものばかりで興味深く見せてもらった。 更に足を延ばし、青山の根津美術館にも行ったが、残念ながらここはコロナのため休館をしていて見ることはできなかったが、 久しぶりに表参道から青山のブテイック街、骨董通りを歩き、少し見ぬ間に、新たなお店や斬新なデザインのビルができているのに驚き、 ただただ浦島太郎かお上りさん状態であった。 ●8月22日 夏休みも終わり 夏休みも終わり21日から画廊もオープン。 夏休み前の展示の片付けと海外に売れた作品の梱包などでスタッフは早々に忙しくしている。 私はというとお客様も見えず手持ち無沙汰で所在がなく、暑い中を画廊周りをすることにした。 私どもで晩年に個展やグループ展をさせていただいた合田佐和子のコレクション展をやっているミウラジロウギャラリーをまず訪ねる。 オーナーは元はコレクターで以前から合田佐和子の作品を収集していて、その当時から私どもとはお付き合いがあった。 展示された作品の多くがシュール系のものが多く、私が初めて見る作品もあり、興味深く見せていただいた。 暑い土曜日の午後、銀座京橋とは離れたエリアにあるが、ひきりなしにお客様が見えるのには驚いた。 合田作品より同時開催をしている今はやりの美人系作家のグループ展に興味を持ってくる人が多いようだが、 この作家たちが合田のように後世に語り継がれる作家になるにはまだ道は遠いようである。 このエリアにも画廊が点在するようになり、せっかくなのでこの界隈のエリマップを片手に廻ってみることにしたが、 あまりの暑さに目眩がしてきて、二軒ほどを廻って画廊に引き返すことにした。 ●8月10日 夏休み 昨日から画廊も夏休み。 お盆明けのオークションが延期となり、20日までと長い休みを取らせていただく事にした。 コロナ禍の中、帰省も旅行も自粛して欲しいとの小池都知事の要請だが、感染者がほとんどおらず、周りも山の中で人に会うこともほとんどないので、 長男一家、長女一家も一緒に河口湖の別荘に疎開。 涼しい富士山麓での静養のつもりだったが、この夏の暑さは尋常ではなく、こっちに来て二日間30度を超える暑さとなり、 孫たちの水遊びを見ているうちに頭がくらくらしてきた。 ここでこの暑さだから東京の暑さを思うと帰るのが怖くなる。 そんな中、開催中の高島屋の女子美展での中村萌のブロンズ作品の購入申し込みが多数となり、 結果抽選をする事にしたそうだが、その倍率が100倍を超えたそうで、これは高島屋美術部始まって以来との報告をいただいた。 大変有難い事だが、この人気に浮かれず、地道に制作を続けてもらうことを願っている。 ●8月7日 台北のフェア 長い梅雨にうんざりしていたが、梅雨明けの後の猛暑にいささか閉口気味で、あの梅雨寒が懐かしくさえ思える。 昨日の夜もあまりの暑さに夜中に目が覚め、メールが入っているのを見てみるとキャンセルのコメントが入っていて、暑さと相まって眠れぬ夜を過ごした。 コロナ禍の中予期せぬことが起こる。 感染者が日増しに増えることもあって、10月の台北のアートフェアが心配になり、台湾の駐日代表領事部で渡航について尋ねてみると、 台湾への渡航者はビジネスビザを取得した上で渡航前三日以内の陰性証明書が必要なのは聞いていたが、8月5日から新たに入国後2週間の隔離検査が加わる事になった。 日本の外務省に尋ねると帰国後同じように2週間の隔離検査をしなくてはいけないと言う。 1週間のフェアのために4週間拘束されて、更に11月には台北で人気のフィギュアショーもあるが、これも同じような状況だとほぼ2ヶ月にわたり身動きが取れなくなる事になる。 ただこの二つのフェアは大きな成果が見込まれるだけに、そう簡単にやめるわけにはいかない。 果てさてどうしたものか悩むところであるが、もしフェアに参加するとなると、9月には作品を台北に送らなくてはならず、結論は明日にでも出さなくてはいけない。 眠れぬ夜が続く。 ●8月5日 閉店 お昼を食べに出たら、隣のモンスーンカフェが閉店をしていた。 ここは巨大なスペースにイタリアン、エスニック、ウエスタン、蕎麦、寿司、チョコレートショップなどがあって、 その造作もユニークで海外のお客様をお連れするたびに喜んでいただいていたのだが。 うどんすきの美々卯もなくなり、フレンチの名店シェ・イノも経営者が変わったという。 私が京橋に画廊を出した頃、同じビルにシェ・イノがオープンして、オーナーシェフの井上さんとも親しくさせていただいた。 私どものスタッフとシェ・イノのスタッフが結婚したこともあった思い出深いところだけに寂しさが募る。 以前にはホテル西洋がなくなり、次郎の主人が修行をした鮨の与志乃も廃業し、甘味どころのあずまも既になく、周りの有名店が全てなくなってしまった。 コロナの影響ばかりではないだろうが、経営を続けていくというのは並大抵のことではないと改めて実感させられた。 ●8月4日 女子美展 明日8月5日から11日まで日本橋高島屋S.C.本館6階美術画廊にて女子美術大学創立120周年記念展「PROMISING-Seven ArtistsJOSIBI-」が開催され 私どもからは中村萌が参加する事になった。 他に曽谷朝絵、流麻二果、小松美羽、大小島真木、太田絵里、中村美穂が参加する。 数多の卒業生から若い中村萌が選ばれたのだから大変名誉な事で作家共々嬉しく思っている。 曽谷朝絵も10年以上前になるだろうか、私どもが携わった北京の日本現代美術展に10名の作家の一人として参加してもらい、一緒に北京に行くことがあった。 これをきっかけに韓国ソウルでの彼女の個展も依頼され、そのお手伝いもさせていただいた。 他にも流麻二果は昨年の資生堂パーラーの作品設置で私どもの井澤由花子とともに選ばれたり、 今や大人気の小松美羽も以前から知っていて、この選ばれたメンバーの中の4人とご縁があったことも嬉しいことである。 会期が一週間なのは残念だが、暑い最中それもコロナ禍の中では是非にとは言えないが、無理のないところでお越しいただければ幸いである。 ●8月1日 広告 長い梅雨もようやく明けたが、コロナの感染はとどまるところを知らず、飲食や観光、交通に大きな影響を及ぼしているが、 広告業界も同じように影響を受けているのだろうか。 通勤の地下鉄に今乗っているが、周りを見てみると車体の車内広告がスカスカではないか。 半分ほどしか埋まっておらず、こんなのを見たのは初めてである。 そう言えばテレビのコマーシャルもテレビ局の番宣や公共広告が多くなっている。 東北の震災の時は自粛もあって企業はテレビコマーシャルを控えたが、今回は経済の減退がそうさせるのだろう。 広告に頼る美術雑誌もおそらく大変に違いない。 私も売り上げに結びつくことがないので、美術雑誌に広告を出すことはなくなった。 その代わりにフェースブックやインスタ、画廊のホームページ、ブログなどを使って、画廊の宣伝にこれ努めている。 これらは全て無料なので私のところだけでなく、多くの画廊が有料広告からシフトするのは仕方がないことだろう。 このおかげもあって、海外とのネットワークも構築され、売り上げ効果もSNSの比重は高くなっている。 コロナの影響と相まって時代の変化が多くの産業に影響を及ぼしているのだろう。 iTからAIへ産業革命と言っていい時代にコロナもそうだが対応を誤ると大変な事になる。 乗り切るしかない。 ●7月31日 ドロシーサーカスギャラリー 昨日から山本麻友香、岩渕華林、中村萌が参加するロンドン、ローマのドロシーサーカスギャラリーにてグループショーが開催されましたが、 素晴らしい展覧会を開催することができて感謝をしているとのメールをいただいた。 出品した作品は初日からみんな売れたそうだが、中でも岩渕の作品がイギリスの有名なロックバンドMuse 【ミューズ】 のメンバー・マシュー・ベラミー のコレクションに入ったと喜びの声を伝えてくれた。 と言っても私はロックの世界は詳しくないので、マシュー・ベラミーがどのくらい有名かは知らないが、 それをさておいても有名ミュージシャンの目に止まったことはありがたいことである。 現在病気療養中だが、日本のパンクロックの草分けとして知られる「フリクション」の天才ギタリストとして東京芸大在学中から活躍した恒松正敏は私どもで長年個展を続けている。 是非にと言われ、彼のライブに行ったことがあったが、いきなり耳をつん裂くような音にびっくりさせられ、彼のライブもこれっきりとはなっているが、 病気を早く治して今一度制作活動と共に音楽活動も再開することになれば是非彼の演奏を聴きに行こうと思っている。 ●7月29日 高木まどか個展A 昨日紹介をした高木まどか展をお世話になっているお客様S氏がFBにて動画で紹介をしてくださった。 S氏は最近動画用のコンパクトカメラを購入し、私どもの展覧会を既にいくつか動画にて紹介していただき大変ありがたいことと感謝している。 動画に付けていただいたコメントも的確に高木作品を捉えていただいているので原文をそのまま日記にて紹介をさせていただくことにした。 Protect yourself from COVID-19🍀 ライフプランナーの鈴木健介です。 いつもお世話になっている、 ギャラリー椿さんの個展をご紹介🎨 高木 まどか 【Madoka TAKAGI Solo Exhibition】 徳島県出身の高木まどかさん。 奇怪な人体+動物の立体作品が特徴的。 そして隙間なく埋め尽くされた極彩色の文様。 文様は古来、 死や魔から【自分、家族、集落、部落】などを守るために身体や装飾品、家や門に刻まれ、魔除けの意味合いが強かったそうです。 作品からは力強い生命力を感じます🧐 7月29日[水]- 8月8日[土] 12:00 PM - 6:00 PM 日曜祝日休廊 http://www.gallery-tsubaki.net/2020/madoka_takagi/info.htm 全国的にコロナが流行しておりますが、 引き続きどうか皆さまもお気をつけて🍀 ※動画内でのライトのチカチカが気になります🤔 まだまだ改善しなくてはですね💦 FacebookにUPすると画質が落ちるのも残念。。 ●7月29日 高木まどか個展 明日からはコロナ禍のため延期となっていた高木まどか展を開催する。 歌舞伎や能の衣装のように煌びやかな着物も日本の独自の文化の一つだが、高木の華やかな色彩も着物の柄がヒントとなっている。 渋いシンプルな色合いも日本の文化の一面だが、このような絢爛豪華な色彩を纏った高木の立体作品が海外からはより日本を感じさせるようで大変な人気がある。 こんな時節だがご無理のないところでお越しをお待ち申し上げる。 ●7月25日 京都 21日に義母が亡くなり、家内の実家の京都に向かう。 100歳で苦しむこともなく天寿を全うした。 悲しむのではなく笑顔で家族だけで送ってあげることになった。 ひと家族だけで営まれるこじんまりした斎場があり、そこは家族でやっていて、温かく行き届いたお世話をしてくださる。 この斎場のそばに縁続きの名刹妙心寺があり、ここが経営するホテルに三泊し、葬儀の準備から通夜、告別式までを迎えることになった。 葬儀の準備をおえ、翌日は通夜までは時間があるので、せっかくの京都ということでもありお寺を少し回ってみようとなった。 早朝からまずは妙心寺に向かう。 ここは臨済宗の総本山で約20ヘクタールの境内には妙心寺派の40を超える塔頭寺院がある。 時間が早いこともあり、どこの寺院も入ることができず、境内を散策し、家内の縁戚の玉龍院の前を通って一旦ホテルに戻り、改めて同じ臨済宗の大徳寺に向かうことにした。 大徳寺は妙心寺派とは別の大徳寺派の総本山であり、境内には20余の塔頭寺院があり、お目当ての高桐院は残念ながらコロナのために拝観禁止となっていて、 大仙院、龍源院、瑞峯院の三つのお寺のお庭を拝観してきた。 どれも禅寺らしいシンプルだが格調高い石庭や苔庭で、心癒されるひとときであった。 各寺院には観光客も誰一人いず、次に向かうタクシーも8時から流して11時過ぎの私たちが初めての客だそうで、コロナの影響は観光都市京都にも大きな影響を及ぼしているようだ。 そこから家内が京都に帰る度に行くという広隆寺の弥勒菩薩を見に行くことにした。 ここにはまばらだが観光客も来ていた。 弥勒菩薩は私は大阪に勤務している頃に見て以来だろうか。 変わらずの気品ある姿に触れ、その気高さ、崇高さに言葉を失う。 拝観を終えて、太秦から家内の実家のそばを通る京福電車に乗って嵐山に向かったが、ここは以前の風情ある面影は跡形もなく、 どこにでもあるようながっかり観光地の一つとなっていた。 ここだけはコロナどこ吹く風の若者が溢れていて、渡月橋のそばで昼食を済ませ早々に退散。 それでも限られた時間ではあったが、古都京都の一端に触れることができた葬儀前の心の洗濯のひとときであった。 ●7月21日 倉庫 お客様のとある倉庫で作品の保存管理がどのようにされているかを見せていただいた。 新たに建てられた倉庫は湿気の多い場所ということもあり、ドライエリアを設けた二重の壁になっていて、 中は防湿剤でできた天井と壁に更に防湿シートが貼られ、作品もそれぞれシートで覆われている。 また除湿機も装備され24時間湿気を外に排出している。 更に毎日温度湿度をチャックしたリストを作成している。 美術館顔負けの作品管理に驚かされた。 普通倉庫や倉の中に入るとカビ臭い匂いと埃の匂いに包まれることが多いが、この倉庫に入ると逆にサラッとした心地よい空気が流れ、快適な環境が保たれている。 作品を大切に守り、次に繋げていく心意気をを感じさせてくれるひと時であった。 ●7月19日 大量のカブトムシ 東京の感染者数が増加の一途を辿っていて、第二波の様相を呈してきた。 それと相まっての梅雨の長雨。 なんとも重苦しい気持ちにさせられる。 たまたま散歩の途中の駒場公園で大量のカブトムシが木に群がっているのを発見した。 百匹くらいはいただろうか、カブトムシが大好きな男の子たちもこれだけたくさんいるとたじろぐに違いない。 こんな時だけに何か天変地異の前触れではと不吉な思いがよぎる。 調べてみるとアルゼンチンでは以前何百万匹のカブトムシが大量発生し、地震の前兆ではと大騒ぎになったことがあったそうだ。 それに比べたら大したことはないが、それでも百ものカブトムシを見たのは初めてである。 河口湖の家でも以前は早朝に庭の街灯の下に行くとカブトムシがよく見つかったものだが、今は街灯もLEDに代わり、虫が街灯に寄って来なくなってしまい、 カブトムシを見つけるのもままならなくなっていただけに、都会の真ん中でこれだけ大量のカブトムシがいるのには余計に驚かされた。 虫は光に寄って来るものと思っていたが、電灯が出す紫外線に寄ってくるのだそうで、紫外線が出ないLEDには寄り付かないのだそうだ。 夜のコンビニに虫が来なくなったのもLEDを照明に使っているからだろう。 公園などで電灯に群がる蛾や黄金虫なども今は見ることがなくなった。 どちらにしても何事もなく、コロナ騒ぎも収まり、長梅雨も1日も早く開けて欲しいと願うばかりである。 ●7月14日 印象記 紋谷幹男氏の展覧会印象記が送られてきたので紹介させていただく。 三木サチコ 展覧会タイトルは、ーTWINS?ー。 FRPに彩色の立体作品。 柔らかそうな手足で、 子供のような仕草ですが、 頭部が異様に大きく、 顔の造りもイラストふうにヴィヴィッドです。 だからといって、 単純な可愛さや親近感には着地せず、 困惑が継続されています。 多くの作品が対や3人組になっていて、 お互いよく似ているものの、 微妙な違いがあって、 別人というより、同一人物の別の姿のようです。 同一人物の異なる姿は 内面の反映で、 それは、姿形ではなく微妙な表情として現れるなら、 これらの立体作品は、 表情の造形化なのかもしれません。 感じていることの発露は、 視覚的というより触覚的な刺激に満ちている。 そんな印象でした。 牧野永美子 会場風景。 展覧会タイトルは、ーいまどんなきぶん?ー。 生々しく、肉感的、官能的な肢体。 一方で胴と頭はリアルな動物です。 動物に扮するコスプレのように見えますが、 事態はそんなに甘くなく、 「このような」生き物、そのものです。 アートは自由です。 特に立体は、真に迫るし、凄みがあって、 この非日常、摩訶不思議がさらりと現物として 差し出されます。 展示された後は、観る側で妄想が始まります。 人のままで居ると窮屈なこと。 調和という制御から離れ、 不協和音を発したい気分。 孤独な魂はヒト型に収まらず、 自分が演じたいドラマの主人公は、 自分のような人の姿ではない。 そんな印象でした。 ●7月14日 コロナの影響 美術手帖のWeb版によると新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないアメリカでギャラリーの影響について、 アメリカのアートディーラー協会(ADAA)の調査報告が紹介されていた。 アメリカ国内のギャラリーの収益は31パーセント減となっており、今後第73パーセントの減少と予想されている。また雇用も正社員では15パーセント、 契約社員では74パーセントが休業を余儀なくされているという。 東京の感染者も増加傾向にあり、アメリカのアートマーケットの影響が飛び火しないことを祈るばかりである。 ●7月11日 山本麻友香個展・松川栞個展 山本麻友香個展 少年と動物を組み合わせた表現になって17、8年になるだろうか。 同じ動物や少年ではなく、発表のたびにその表情は変化をしている。 一番特徴的なのは目で、以前は点のような目だったのが、今は大きなクリクリとした目となってきた。 寂しげだった表情が愛らしい表情に変わり、アニメに近い表現になってきているのだろう。 評価は二つに割れるが、常に新しい表現に取り組んでいるのは間違いない。 動物も今までにないカバやフェネックフォックスなど新たな動物達が登場してきた。 少年の表情もただ可愛いだけではなく、その大きな目で大人の心を見透かしているかのようで、ちょっとたじろがせるような気持ちにさせられる。 コロナ感染防止のために5月初めに予定されていた展覧会を今まで延期し、画像だけで紹介をしてきただけに、ファンにとっては格別の思いがあるだろうし、 画像では表現できない色彩やマティエールを実際の目で堪能していただきたい。 松川栞個展 GT2では今日から7月25日まで松川栞個展「SEASON-wonder scale」が開催される。 ピープショー、覗き穴から超絶技法による季節の移ろい、癒やしの空間が広がり、覗き込む人もその世界に引き込まれていく。 動画でも紹介させていただく。 https://www.facebook.com/hiroya.tsubakihara/posts/10217225144169749 ●7月10日 クレパス画展 画材メーカーサクラクレパス企画の「クレパス画展」に前回に続き私どもの作家10名が参加します。 展覧会は株式会社サクラクレパスより、 完成した究極のクレパス「スペシャリスト85色88 本セット」が提供され、基底材やテーマなど自由に制作して頂く展覧会です。 1996年から今回で10回目になり、 過去梅原龍三郎、熊谷守一、小磯良平、岡本太郎など280 余名の作家が出品しています。 大阪展 サクラアートミュージアム 大阪市中央区森ノ宮中央1-6-20 サクラクレパス本社ビル 1 階 令和2年 9 月 1日~9月26日 鳥取展 日南町美術館 鳥取県野郡日南町霞785 令和2年 11月6日~ 1 2月 1 3日 東京展 未定 いち早く完成した三人の作家の作品を紹介します。 順に小林裕児、柳澤裕貴、佐藤未希 他に金井訓志、夏目麻麦、北村奈津子、内藤亜澄、高橋舞子、佐藤温、岩渕華林が参加を予定しています。 ●7月7日A 三木サチコ展評 展覧会は先週土曜日で終了したが、美術研究家の宮田徹也先生が三木サチコ展の展評をFBに掲載をしていただいたので紹介させていただく。 98.【展評】三木サチコ展 「TWINS?」 GALLERY TSUBAKI 6月20日(金)-7月4日(土) 三木サチコの作品を見ると、加藤泉や村上隆、草間彌生などの売れっ子を思い起こす人がいるかも知れない。しかし私が考えるに、 三木の作品とは流行のドロドロ系とは一線を画し、独自の世界を形成している。 三木は1974年、群馬県生まれ。2001年、東京造形大学研究生修了。GALLERY TSUBAKIのWEBを見ると「「物事の両面性」や 「不可視な部分」をテーマとした新作を中心に約15点を展示」とある。もう少し三木の動機を探ってみると、以下のサイトがあった。 「自分の内側の感覚と外見や好みとのギャップが人間の内側と外側を考える」。彫刻とは「そこに物があるだけで表面が出来、中側がうまれる」。 「私は私の無意識が求める形が現れるまで、手を動かし続ける」(六甲ミーツアート芸術散歩2017)。 今回、三木は巨大な《Boundary zone》の《orenge》(258×45×48cm)と《black》(258×51×54cm)を中心に、 中型、小型彫刻、何枚かのドゥローイングを出品した。彫刻の素材は主にFRP、アクリル、ウレタン塗料である。テカテカに煌く彫刻が眩しい。 グロさよりも可愛さが引き立つのではあるのだが、奈良美智のようなネオテニーを感じない。《orenge》と《black》を見ていると、 全く別のモチーフに感じる。だからこそツインであるのだろう。ヴァリエーションは存在しないと予感する。阿吽像にも見える。 三木の作品の特徴は、まずは「彫刻」としての意義が強いことにある。活発な形に見えるが、FRPを用いながらも、実は立像、 座像としての基礎を東洋の思想と西洋の技法を兼ね備えて学んだのであろう、しっかりとしている。 次に指摘したいのはマニフェストにある通り、観客に媚びることなく常に自己の想像力と格闘していることである。 もう少し上手くやれば更に人気が出るはずなのに、それをしない。それどころか、冷徹にまでの客観性が作品の内部から滲み出て来る。 この客観性は三木が参考にしているのかは定かではないが、私は三木成夫『胎児の世界』(中公新書|1983年)や皆本二三江『「お絵かき」の想像力』 (春秋社|2017年)でも言及されているE・ヘッケル『一般形態学』にある「個体発生はその経過の中に、種族が経た発達の段階『系統発生』を繰り返す」に出てくる受胎32日、 38日の胎児の顔を思い出す。 三木もまた無意識の中に、人間の発生=根源を求めているといえるのではないだろうか。 三木のこれからの展開を確かめる為に、三木の作品にこれからも注目していく。 宮田徹也(みやた・てつや)1970年生まれ。高校留年四回、中退、和光大学卒、 2002年、横浜国立大学大学院修士課程修了。現在、嵯峨美術大学客員教授、日芸美術学部非常勤講師。図書新聞、週刊新聞新かながわなどに寄稿。 ●7月7日 洪水 今日は七夕。 天の川が氾濫することはないだろうが、九州では球磨川や筑後川が大雨で氾濫し、多くの被害が出ている。 コロナ禍と暑さ湿気で避難できた人の健康も心配だ。 うちの作家さんで人吉出身の作家さんもいて、聞いてみると親戚や友人には被害がなかったとのことで不幸中の幸いである。 毎年のことだが自然災害は予想もつかない被害をもたらす。 備えあれば憂いなしというが、備え以上の自然脅威が多く防ぎようがない。 温暖化の影響なのだろうが、台風が来なくても近年は大雨の災害が多い。 天災ではなく人災と言っていいかもしれない。 亡くなられた方、被害にあった方に心よりお見舞いを申し上げる。 ●7月2日 ピーター・ドイグ展 ようやく見ることができた。 国立近代美術館のピーター・ドイグ展。 日時予約の人とは別に招待券の人は並ばなくてはいけないとなっていたが、誰も並んでない。 14年前に大阪国立国際美術館で開催された「エッセンシャルペインティング」でマルネーレ・デュマスやエリザベス・ペイトン、 リュック・タイマンスなどと共に見たドイグ達の新具象の潮流には大きな衝撃を受け、もう一度見てみたいと思っていた。 他にもアンマ・アンダーソン、セシリー・ブラウン、ジョン・カリン、ベルナール・フリズ、ローラ・オーエンズ、 ネオ・ラホホといった作家達は1990年代から既に欧米では知られていたが、当時の日本ではあまり知られてなく、 東京には回って来ないこともあり、、わざわざ大阪まで出かけて行った印象深い展覧会であった。 ドイグ展は期待以上で、どの作品も心に突き刺さる作品ばかりで実に見応えのある作品が並んだ。 画面を横に絶妙なバランスで分割し、そこに人物や風景を配し、私たちがどこかで見たようなデジャブな情景が描かれている。 ただ、その風景は彼が住んだカナダやトリニダード・トバゴを実際に描写したものではなく、近代絵画、写真、ポスター、映画などから取り込んでいて、 そこが単なる具象絵画とは一味違った表現となっているのだろう。 2000年以降多様な価値観が生まれる中、ドイグが美術史の流れの中で21世紀を代表する重要な作家の一人であることは間違いない。 |
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