ギャラリー日記

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3月24日

紋谷幹男様から渡辺達正展の展覧会印象記を書いていただいたので紹介させていただきます。

展覧会タイトルは、ーあおの韻律ー。

1999年制作の「魚 W」の具体的な形を残す作風から、2004年の「深海の囁きー5」では、形がなくなり、新作2017年の「Blue」のシリーズでは、色種がなくなり、青から白の諧調のみになっています。

絵画の豊かさの質の遍歴が興味深いです。

質感、量感をもたない、現象としての深い青は、幾層にも重ねられ、それぞれが響きあいます。

手前が暗く、奥が明るいので、青という事態の存在感が、画面に奥行きという間をもたらします。

青を組み立てることで風景がうまれ、鑑賞者の視線のありようが多様に揺れ動き、感覚を静かに揺さぶる。

そんな印象でした。



3月20日

また寒さがぶり返してきた。

どうやら明日のお彼岸は雪になりそうだ。

河口湖に行くとき用のスタッドレスをそろそろノーマルに変えようと思っていたが、そのままにしておいてよかった。

そんな不順な天気が続く中、渡辺達正展が土曜日から始まっている。

藍染のようなブルーの色調の新作を中心に、今回は多摩美術大学教授の退官記念の展覧会ということもあって、旧作もいくつか一緒に展示をしている。

先の多摩美美術館での圧巻の退官記念展には及ばないが、その変遷の一部を垣間見ることが出来る。

日本の銅版画の先駆者駒井哲郎が芸大から多摩美に移った最初の学生が渡辺で、その時以来銅版画一筋に多摩美で教鞭を執り、晴れて70歳の定年を迎えた。

私が知り合ったのは渡辺が助手のときで、それから40年を超える付き合いである。

彼は徹底的に銅版画の手法にこだわり、銅版画でしかなしえない表現を追求してきた。

ここ10年ほど続けている青による光と影の表現が、銅版画ならではの微妙なマチエールの中で完結できたのではないだろうか。

深いブルーの海に引き込まれるような錯覚さえ覚える見事な青である。

是非のご高覧を賜りたい。





3月19日

国立新美術館のビュールレコレクション展と森美術館のレアンドロ・エルリッヒ展を見に行って来た。

武器商人というのはちょっとひっかかるが、印象派を中心としたコレクションは見事である。

ルノアール、マネ、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、マチス、ピカソを始め美術史を飾る錚々たる作家のコレクションである。

名前だけではなく、その質の高さにも驚かされる。
よくぞこれだけの作品を一個人が集めたものとその審美眼の確かさとともに感嘆させられる。



続いてのレアンドロ展はトリックアートで大混雑。

こういうのを私は大好きで、鑑賞者参加型というのがまた良い。

金沢21世紀美術館のプールが日本でも有名だが、美術に関心のない方や子供達が十分楽しみ満足できる展覧会である。

こうしたトリック的な作品はうちの作家たちも多く制作していて、小林健二、桑原弘明、鈴木亘彦、内林武史などがいて、私自身もこうした作家の作品を多くコレクションしている。

他にも鏡を使った作家や、光や音を使った内外の作家の作品を見ると欲しくなり、つい買ってしまう。




もう一度空いているときに行って見たいと思っている。

3月13日

私達の仕事は出会い、縁というものが大きな要素の一つになっている。

今回のフェアの中村萌の人気は単なる浮ついたものではなく、そこに到るまでの縁、そしてその縁をチャンスと捉えて、前に進もうというアグレッシブな思いが、こうした結果に繋がっていると思っている。

長くなるがここに到るまでの巡り合わせを書いてみる。

もう20年近くになるだろうか。
今回のフェアの前身であるNICFに先週まで私どもで個展をしていた鈴木亘彦で参加した。

出展するにあたり、どうしたら成功するかいろいろとアイデアを考え、作品の良さもあって何と80点余の作品が売れたのである。

その時参加していた韓国の画廊がこれを見て韓国の今思うと小さなフェアだったがそこへ招待をされることになった。

その辺の経緯は以前の日記にも書いたが、こうして韓国へ出て行くことになった。

この画廊のオーナーは後に韓国画廊協会の会長になり、アートフェアKIAFを開催することになり、お手伝いをさせていただくことになった。

このフェアに山本麻友香で参加したことが後の彼女の韓国で人気に繋がるのである。

そうこうしているうちに韓国のオーガナイザーからニューヨークのフェアに誘われ、参加した際に台湾のフェアのプロモートに来ていた方に出会い、 こんど台湾も国際フェアを予定しているので参加と日本でのプロモートを頼まることになった。

。 こうして今度は台湾に進出することになり、紹介作家の中に中村萌が加わり、彼女の作品をコレクションする人が増えていったのである。

そのコレクターの一人がモンスター台北というフィギュアショーの主催者だったこともあり、フィギュアの制作とショーへの招待を受けることになった。

こうして彼女の人気が若い人達の裾野まで広がり、今の更なる人気に繋がっていくのである。

フィギュアで彼女の作品に出会った方が、そこからオリジナル作品を購入するようになり、100点を目標に将来は中村萌美術館を造るという夢を抱いている方までおられる。

今回の中村萌の人気も、こうして振り返ってみると、多くの出会いの重なりとその出会いのチャンスを逃さなかったことが、今に繋がってきたのだと思っている。
出会いを大切にし、その出会いをどう活かすか、プロモート下手の私にとって、それがなにより大切にしているものである。





3月12日

昨日でアートフェア東京も終了。

搬入日も含めると怒涛の5日間であった。

初日、二日目は中村萌作品を求めて長蛇の列で、他の画廊から椿は伝説を作りましたねと言われた。

50年この仕事に携わって、美術品を買うのにこんな騒動になったのは初めてのことである。

渋谷で洋服を買うのに大勢の人が出て、買えなかった中国人が店員を殴ったというニュースが流れたり、 昨年のフェアでも買えなかった中国人が中国人には差別して売らなかったと新華社通信に訴え、記者が問い合わせて来たりということがあったそうで、 トラブルを心配したが、台湾を始め中国、香港、シンガポールから来た人たちはなんの文句も言わずに長い時間を並んで待ってくれていたのは有り難かった。

転売目的の人も見受けられたが、フィギュアは先着順、オリジナルは抽選とHPで情報を流したために、徹夜して並ぶことになってしまった。

やはり危惧されたように、翌日にはネットオークションで、54000円のフィギュアがすでに200000円で出てたそうで、その前に出たフィギュアは400000円の値がついているという。

こういう人にわたり本当に好きで欲しい人に渡らないのは、なんとも複雑な思いがするが、今回あれだけ並ばられると、その区別をつけるのが難しく、由々しき事態を招いてしまった。

次回からは、私どもの顧客の方を最優先とし、オープンな売り方はやめることにしようと思っている。

秋のトイフェスティバル、アート台北、来年の個展と中村萌の発表が続くが、真に作品を愛する人に持ってもらうことで、次に繋がると思っている。





3月10日

アートフェア東京が始まって2日が過ぎたがいや今まで経験したことない大混乱をきたした。

今回は中村萌個展で参加したが、その人気がすごく、一昨日のVIP内覧会が始まる前からどこから入って来たのかブース前に並んでいる。

とにかくすごい行列で、他の画廊に迷惑をかけるので、外の廊下に並んでもらったが、その列は延々と続く。

その多くが海外の方たちで、台湾、香港、上海、シンガポールから来た人達である。

今回画廊には多くの問い合わせが来ていて、多少の行列は予想できたが、はるばる海外からやって来た人でこんなになるとは予想だにしなかった。

混乱しないように、120部限定のフィギュアは先着順、オリジナルの木彫とドローイングは抽選とさせていただいたが、先着順がいけなかったようだ。

翌日の一般公開の日はもっとすごかった。

国際フォーラムが開場する前というより徹夜で外に並んだ人が相当数いて大混乱。

朝7時に行ってもらっていたスタッフから何度も電話が入っていた。

騒動になって警官も駆けつけて大変なことになっているので、すぐ来てほしいとの留守電であった。

私は散歩に出て、のんびり朝風呂に入っていたのだが、大慌てで会場に駆けつけた。

フェア会場の入り口前には昨日以上の人が並んでいて大騒ぎしている。

とりあえず先頭の人から整理券を配ったが、途中から割り込みや大きな声で怒鳴る人もいて、主催者側からここでやってもらっては困るとの指示もあり、発売を中止することにした。

海外の人は概ね静かにしていたのだが、二人の日本人がしつこく食い下がり文句を言ってくる。

振り切るようにして画廊に戻り、対策を講じることにした。

再びフェア会場に戻ると今度は会場内に抽選のお客様が並んでいて、主催者側からうるさく言われて、これを整理しなくてはならず、とりあえず会場外の通路に出ていただいた。

その後、抽選の発表も主催者が用意してくれたスペースに集まっていただき、そこでやることになった。

当たった方から順番にブースに行っていただき、次々に作品を選んでいただいたが、ここでは整然としていて、早朝から長い間待っていただいたにもかかわらず、文句をいうこともなく紳士的に対応していただいた。

そして木彫の高い価格から順番に売れていき、あっという間に完売となった。

混乱さえなければ、こんな楽なことはないのだが、次回からはネット抽選とか考えなくてはいけないが、顔が見えない方に持ってもらうのも考えもので、されどうしたらいいか思案のしどころである。



3月6日

3月8日から3月11日まで東京国際フォーラムでアートフェアー東京が開催される。
私どもは2年ぶりに中村萌個展で参加する。

台湾のフェアーでは度々紹介しているが、彼女の人気は凄まじく、今回も30名はゆうに超える台湾・香港のコレクターが大挙して私どものブースにやってくる。
昨年秋の台湾でのフェアーでも先着順と申し上げたところ、40名ものコレクターがオープン前から殺到し、収拾がつかなくなり、結局抽選にさせていただいた。
今回も出品数に限りがあるので、公平を期すために抽選とさせていただくことにした。

木彫、油彩、ドローイングの他、今回で5種類目となる彼女のフィギュアー作品も発売される。
台湾のフィギュアーショーでも大人気で、即日完売となっていて、すでに多くの予約申し込みが来ているが、こちらは今回は先着順で120限定のうち先ずは50体を国内で販売させていただく。

日本でも何人かの人は大変興味を持っていただいているが、今のところ台湾や香港ほどではない。
日本では私どもの画廊以外では初めての紹介となるが、果たして日本での反響は如何に。



2月23日

明日から鈴木亘彦個展が始まる。

ステンドグラスの技法を使ったオリジナリティー溢れるオブジェが並ぶ。
ガラスやレンズから生まれる多様な色彩と造形をお楽しんでいただきたい。

3月10日まで開催している。 ちょうど東京国際フォーラムで開催されるアートフェア東京と時期が重なり、私どもは中村萌個展で参加するが、会場と画廊も近いこともあり、是非あわせてご覧いただきたい。

そう言えば、NICAFというアートフェアが以前同じ国際フォーラムで開催され、その時は鈴木亘彦個展で参加し、当時の石原東京都知事や鈴木。
前東京都知事をはじめとして多くの方に80点近くの作品を買っていただいたことが懐かしく思い出される
参加していた韓国の画廊から、ソウルで初めてのアートフェアを開催することになっているが、是非招待するので鈴木亘彦展で参加してくれないかとの要請があった。

これが韓国とのご縁であり、さらには海外との画廊とのご縁に繋がっていくきっかけともなったわけである。

そんないい思い出が蘇るが、今回の個展も新しいご縁に繋がってくれれば幸いである。



2月8日

堀込幸枝展も今日が最終日となった。
期間中多くの好評を頂いたが、いつも展評を寄せていただくお二人の堀込作品への論評を紹介させて頂く。

敦賀信弥氏

なんと不思議な色と形と空気感だろう。中ほどに不安定に立つピンクの楕円。
それは左下の濃い緑の円形と右上の歪んだ形の茶色に支えられているが、三角を作る細い線、しかも下の線が傾斜しているのでどうにも危なっかしい。
それにしてもパステル調の淡く半透明の、モヤモヤともどかしく、それでいて深遠な奥行きを感じてしまう。
だから、不安定な心理状態でいながら、深いところで安らぎにも似た安寧をもたらしてくれている。
誰かに何かを打ち明けたくなるほどの癒し効果を感じるのは僕だけか?



紋谷幹夫氏

淡い色、境界線が不明確な形が
画面に等価に配置されています。
ある作品は抽象画のようですが、
ある作品は、瓶を描いた静物画。
作品名は、色名+bottle。

画家は瓶を描こうとして画面に向かい、
そして、画家としての瓶が描きあがります。
第三者には具象や、抽象に
見えてしまうだけなのかもしれません。

ガラス瓶はその素材や製法、経済的効率上、
円筒、円錐がベースの丸っこいシンプルな形態になります。
そんなやわらかでミニマムな形は、
多くを語らない分、不思議な余韻を含みます。

瓶は、一般人にとっては、単なる容器ですが、
画家にとっては、別の世界へ誘い込む入り口のようです。
日常と呼ぶ、瓶が置かれた机の上が、幻想的な空間へと変化し、
画家はそれを美しく画面上に引き出す。
そんな印象でした



2月8日

サラリーマンコレクターで知られる山本冬彦氏がコレクションの一部を新宿にある佐藤美術館に寄贈し、その新収蔵品展が同美術館で開催されている。

氏は40年の間に会社勤務の傍ら1800点もの美術品を蒐集され、「アートソムリエ」と称して、コレクションの楽しみを伝える伝道師のような方でもある。
美術コレクションに関する著書も多く、今では画廊企画もされていて、若手支援を定年後のライフワークにされている。

今回の寄贈品の中には私どもで収めさせていただいた作品もいくつかあり、久しぶりの対面をしてきた。

亡くなられた異色の日本画家小島悠司の作品を中心に当時の若手作家と言われた作家の作品が並び、それは壮観で、サラリーマンコレクションとは思われないような大作も展示されている。

こうしたコレクションと今のコレクションはおおきく変貌を遂げているが、氏の目の確かさを如実に感じさせる展覧会である。

私どもで収めた作品も含め写真で幾つか紹介させて頂く。








2月25日まで開かれているので、興味のある方はぜひご覧頂きたい。

2月2日A

奥のGT2では打って変わって華やかな現代版浮世絵と言っていいだろうか、今風の少女たちが並ぶ。

今回は少女の顔がメリハリの効いた表情になっていて、おじさんその目に射込まれるとたじろいてしまう。
また実際に浮世絵からヒントを得たという遊郭での花魁と禿を現代風少女に見立てた作品も新たなテーマとして登場し興味深い。







2月2日

明日から堀込幸枝展が始まる。

色の奥にまた色があると言ったら当たり前だが、堀込の作品はどこまでも果てしなく透明な海の底を覗くように、色彩が続いて行く。
深淵な色が会場の静寂さを際立てる。

静謐な世界に佇むことで堀込の作品が心に響いて頂ければ幸いである。





1月23日

ギャラリー椿オークションも昨日で終了。

あいにく最終日の昨日は予想外の大雪に見舞われ、お客様の足が途絶えたことは残念だったが、それでも寒い中を熱心に来てくださる方もいて、まずまずの成果を収めることが出来た。

金額は大したことないが、幅広く作品に入札が入り、業者のオークションとは違い、無名作家であったり、作者不詳の作品も多く落札され、名前やキャリアではなく作品本位で選ばれる方が多かったのは嬉しいことである。

とは言えまだ多くの作品が残っていて、今週末27日までアフターセールをやるので、落札できなかった方や会期に間に合わなかった方にはぜひお越し頂きたい。

アフターセールは、表示金額で先着順で作品を購入できるので、是非お早めにお越し頂きたい。

市場価格よりはかなりお安く昨品を手に入れるチャンスでもあり、お越しをお待ちしている。

1月20日

ちょうど一年前にフェースブックに載せたコメントだが、一年経ってトランプ大統領の支持率は案の定かなり低い。

私の願いは未だ届いていないようだ。

以下フェースブックより。

トランプ大統領の就任式が近づいている。

まさかのトランプ大統領だが、オバマ前大統領に比べ、あまりに現実的で、理想を掲げたオバマとの違いには驚くばかりである。

私の仕事も画商の言葉通り、商いという現実的な仕事をしなくてはいけないが、それだけではこの仕事は務まらない。
根底に理想があり、自分の夢を具現化してこそ商いに繋がると思っている。

そうした意味でトランプに一番欠けているのは夢の欠如である。

アメリカファーストを掲げるが、自分のところさえ良ければ、他国はどうでもいいという利己的な考えも気になる。

私は40年にわたりロータリークラブで奉仕活動を続けているが、ロータリーの精神である「真実かどうか、みんなに公平か、好意と友情を深めるか、みんなのためになるか」を自分に問いかけ行動の指針としている。

そのどれもがトランプに欠けているように思う。
そうした友愛の精神を失うと言動にまずは品格が欠けることになり、そうした人間がリーダーシップをとることに危惧を覚える。

今更変えようもないが、立場が人格を形成すると信じて、品位あるリーダーとして大統領の職務を全うするよう願うしかない。

1月17日

恒例のギャラリー椿オークション。

いつもは暑い盛りの8月に開催していたが、一人のコレクターから質の高いコレクション が多数出るということで、H・Tコレクション展に切り替え、オークションを延期すること になった。
1年延ばしの夏にと思っていたが、多くのお客様から問い合わせや出品依頼もあって、急 遽お正月明けに開催をすることにした。

お屠蘇気分も抜けない松の内に準備を始めれば気合も入るだろうと、スタッフ打ち揃い展 示に大わらわである。

例年のごとく、天井から床までぎっしりと作品に埋め尽くされていて、いつもの広い空間 は見る影もないが、1年に一度のイベントということでお許し頂きたい。

19日から22日の4時半までの予定で、日曜日もギャラリーを開けてお待ちしているので、奮ってご参 加頂きたい。

アートの福袋となれば幸いである。



1月10日

昨日は蓋開け早々に大作に予約が入り、幸先の良いスタートを切ることができた。

他にも購入の相談を受けたりで、昨日の日記に書いたような笑うギャラリー椿となるといいのだが。

韓国と北朝鮮も一歩前に進むことができたようで、平和を願う私たちにとってはグッドニュースである。

とはいえ予断は許さず、国同士の約束を反故にしようとしたり、国民を犠牲に核開発を進めている国同士なので、どう転ぶかわからない。

昨日も知人たちとの新年会で、先輩たちが北、さらには中国の脅威に対して、日本も核開発を進めるべきと語っていて、おいおい唯一の被爆国で、平和憲法を遵守している日本がそんなことをしていいのかと心配になってきた。

先輩たちは財界のトップを務めたお歴々で、少なからず社会に影響力を持つ人たちだけに、こうした考えが蔓延して行くことが恐ろしい。

私は憲法も改正したほうがいいし、自衛隊も国を守るには必要だと思っていて、どちらかというとコンサバティブな人間だが、核保有などという考えは毛頭ない。

東アジアの緊張が続く中、日本はガンジーのように無抵抗、非暴力主義を貫いてほしい。

年寄りたちは勝手なことを言うが、戦地に赴くのは自分たちの子供や孫であることを肝に命じてほしい。

景気は良くなってほしいが戦争だけは勘弁してもらいたいと心から思う。

1月9日

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
今日から仕事始め。

今年は戌年私の干支である。
戌が笑うという株での格言があって、戌の年は相場が活気づくそうだ。

実際年初の株価は高騰し、不動産も億ションが次々に売れていく不動産バブルのようで、美術市場も草間彌生や具体美術の作家達やもの派の作家たちの価格は上がり、細密美人画もバブルの様相を呈していて、確かに景気は上向いているようだが、私のところのように市場と連動しない画廊ではその実感がないというのが現状である。

景気が上向きの中にあって、地道に流行に左右されない仕事をしている作家たちにも陽が当たるようになって来ることを願うし、そうした動きに右往左往しないコレクターが一人でも多く出てきてくれることも切なる願いである。

私たちにも笑う年であることを願い、年初の挨拶とさせて頂く。

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