ギャラリー日記

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10月16日

いつも展覧会印象記をご寄稿いただく紋谷幹夫氏が武田 史子 展の印象記を寄せて下さったので、
今回もご紹介させていただく。

ギャラリー椿(中央区京橋3-3)では、武田史子展。

モノクロの銅版画。

作者は白い紙に銅版画として何かを描きますが、
それは版画家の見たいものではなく、
不思議な建造物の表層的な有り様ではなく、
そんな場面に存在するはずの、
眼に見えない(描けない)何かのはずです。

モノクロームのイメージの集積は、
深刻さや重さはなく、
さりげなくく見る側へボールを投げてきます。

「ここに何が在りますか」

「ここに在る」という実感を確かなものにするための、
画面の隅々まで描かれた繊細な描線は
出来事を含む時間をも巻き込みながら、
見る者の心に迫ってくる。
そんな印象でした。

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いつもありがとうございます。

10月1日

いつも展覧会印象記をご寄稿いただく紋谷幹夫氏がの小林裕児展と小浦昇展(ともに会期は終了致しました)の感想を 寄せていただいたのでご紹介させていただく。

小林裕児展

会場風景。
展覧会タイトルは、ー田園の秘密ー。

切り拓かれる​未踏の絵画世界。
といっても、インパクトある抽象表現ではなく、
具象に徹しながら、繊細で叙情的な余韻が漂う絵画世界。

鋭い感性と画力から導かれるモデリングセンス。
多彩に展開する舞台空間、舞台装置、登場人物。
それらが錯綜する緊張感と非日常性は、
絵画特有の豊潤さ、幸福を湛えます。

それは、画家の内なる世界との対話から
絵があぶり出されるという、絵画の原点。
そんな印象でした。

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小浦昇展

ギャラリー椿 GT2(中央区京橋3-3)では、小浦 昇 展。
丁寧に描かれたクオリティーの高い風景画ですが、
当然、風景画で終わっていません。

風景画で紊まらない言葉が、
これらの作品群のキーワードなのでしょうが、
筆者には「舞台《のように思われます。
一見単純明快な風景の中に
何事かが造形化されています。

蓄積されている記憶の断片は、
言葉や形を持ちませんが、
その中からピックアップしてみたら、
こんなコンポジションが出来上がった。
そんな印象でした。

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ありがとうございました!

9月14日

お客様が内藤 亜澄展と天明 里奈展をブログにて紹介して下さったので、 ご紹介させていただく。

ビールを飲んだ後に、ギャラリー椿へ。
内藤亜澄さん、天明里奈さんの個展最終日に滑り込み。
滑り込もうとしているのに、ビールは飲むっていう。
上路君とは逆に、表現の非次元的な部分をきっかけに興味を持った天明さんの作品ですが、 初めて作品を見た6、7年前(!)以来、少なからず漆の作品を見てきた上で改めて天明さんを見ると、 オブジェとしての強さにも感嘆するばかりです。
技術の進化もあり、ご本人にとっては次のステージへ進むに値する、紊得の個展になったようです。
今の時代に描くということを象徴しているようにも見えた内藤さんの個展も充実の内容で、 思いがけず長い時間をこちらで過ごさせてもらいました。

8月25日

GT2では天明里奈個展が始まった。
仏像などに使われる乾漆による彼女独自の立体像を展示。
東京芸大工芸科博士課程を修了し、途中ドイツに留学して、海外での多様な漆芸も学び、伝統を超えた新たな感性による乾漆作品が誕生した。
漆による肌の色はきめ細かく光沢があり妖艶な美しさを醸し出している。





8月24日

夏休みも終わり、まずは明日から内藤亜澄個展が始まる。

従来の子供が遠くを見つめる奥行きのある暗示的な表現から、フラットな画面で濃密な幻想表現に変化してきた。

もともとヴンダーリッヒに強く影響を受けた内藤なので、原点に回帰したのだろうか。

大作中心で、画廊いっぱいの濃厚な香りが漂う。

まだ暑さが続くが、是非のご高覧をお待ちしている。




8月3日

ジャカルタで今日からアートジャカルタが始まる。

日本人作家ブースが設けられ、9吊の日本人作家が参加する。

うち私どもの作家3吊が招待された。

いずれも立体作家で、浅井飛人、牧野永美子、中村萌で、すでにジャカルタでは紹介され人気の作家たちである。

日本の今年の暑さは尋常ではないが、ジャカルタの気候はどうなのだろうか。

おそらく日本と変わらないのではないだろうか、日本がジャカルタ同様に亜熱帯になってきているのだろう。

そんな暑い最中にあって、日本人作家ブースにどのような反響があるか楽しみである。

先日もタイの若いコレクターが山本麻友香の大作を買ってくれたが、東アジアだけではなく、東南アジアにも日本人作家が浸透してきているようだ。





7月31日

私どもで発表をしている高橋舞子が第10回前田寛治大賞展で佳作賞第三席を受賞した。
8月8日(水)から14日(火)まで日本橋高島屋でその発表展が開催される。

高島屋の案内状から一部引用させていただく。

新写実主義を提唱し、革新的な作品を残して夭折した前田寛治の業績を顕彰し、未来へ向けて継承するために設けられた賞で、 3年に1回のトリエンナーレ形式で開催されていて、今年が節目の10回目となった。

この賞は前田の新写実主義を受け、現代における写実主義の新たな展開や可能性を探ることにあり、 そうした志向の若手作家を推薦委員により選抜する指吊応募制として28吊40作品が選ばれ、そこから本賞審査員により大賞、佳作賞が選定される。

高橋は私どもで発表しお客様よりお借りした80号と新作100号が選ばれ、高島屋では新作が、9月8日から10月8日まで前田の出身地にある 倉吉博物館では新旧の2点が展示されることになっている。

80号の出品作を紹介させていただく。


新作はまだ写真がないので、後日紹介させていただく。
併せて 参考にいくつかの作品も紹介させていただく。


来年早々に高橋舞子を始め若手作家による「ランドスケープ《と題した風景をメーンに描く作家たちの展覧会を企画している。

美人画や人物画が主流の中にあって、敢えて風景画をテーマにする作家たちに焦点を当てようと思っている。

乞うご期待。

7月28日

横田尚展が始まった。

台風が心配されたが、夜に影響が出るよでうで、なんとか開けている時間帯は大丈夫なので、ぜひお越し頂きたい。

昨年の前橋の美術館に出品した5メーターはある大作「循環《からミニュアチュール作品、そして立体まで36点が展示される。

くるくるとした目と髪の少女とそこに舞うように描かれる金魚が横田の特徴だが、今回は愛らしい猫や犬、羊も登場し、多彩な表現を見せてくれている。

横田作品は台湾のコレクターに大人気で、多くの大作が台湾に収まっていて、今回の5メーターの大作も残念ながら日本では収まりそうになく、 台湾のコレクターに期待をしたい。

そう言いつつも、最近開かれた岩渕、井澤、そして山本展でも大作の多くが日本の方に収まり、そうした流れを引き継いで行きたいものである。

台風一過、暑さが戻ってくるとの予報だが、是非暑気払いを兼ねて画廊にお立ち寄りを頂きたい。







7月20日

毎日暑いというよりは熱い日が続き、目眩がしそうだ。

50年前、私が大阪の画廊に勤めることになり、大阪での夏を初めて経験することになるのだが、その時の暑さが尋常でなく、 東京に比べてこんなに暑いのかと思ったものである。

そこで、この暑さと50年前の大阪の気温を比較してみようとネットで調べたところ、 平均気温は1度今の方が高くなっているだけで、大して変わっていないことがわかった。

地球温暖化で気温が上がってきたと思っていたが、そう変わっていないというのはどういうことなのだろう。

当時大阪の画廊では、何人かが社長の家に住み込みで働いていて、私もその一人だったのだが、 あたえられた部屋はコンクリートでできたガレージの奥にある小部屋で、小さい窓しかなく、まるで牢屋のような部屋であった。

当時のことでエアコンもなく、扇風機を回しても温風が噴き出してくるようで、何の役にも立たない。

仕方がないので、小さな冷蔵庫を買って、そこに食料ではなく、下着や枕などを入れておいて、それを夜に取り出してきて寝ていた。

そんな暑さの中でも体調を崩さずにおれたのは若さゆえかもしれない。

しかし、よる年波で流石に今年の暑さには参っている。

一年生になる孫が、初めてのお泊りで箱根に行ったが、夜に学校から電話があって、 熱が出ているので引き取りにきて欲しいと言われ、夜中に父親が箱根まで引き取りに行って、翌日医者に診てもらうと熱中症だったそうだ。

大したことがなくてことなきを得たが、小学生が熱中症で亡くなったとのニュースもあって、学校側にもちゃんとした対策をしてもらわなくてはいけない。

子供や年寄りにはこの暑さはかなり厳しいのかもしれない。

展覧会も明日が最終日。

この暑さで来る人も少ないが、幸いなことに2日目には1点を除いて全て予約をいただいこともあって、エアコンの効いた画廊でのんびりとただただじっとしている。

皆様もくれぐれも体調を崩されないように。

7月13日

いつも展覧会印象記をご寄稿いただく紋谷幹夫氏が開催中の山本麻友香展と岩田ゆとり展の感想を寄せていただいたので紹介させていただく。

毎回深い洞察で展覧会を見ていただき、的確な感想を述べていただき感謝にたえない。

山本麻友香展

展覧会タイトルは、ー動物少年の展覧会ー

例えばグーフィーのファンキャップは、
ディズニーランドでなら違和感がありませんが、
街中では違和感があります。
ですから、被り物をかぶっていることで、
ある私的な状況が想定されます。
背景が具体的でない分、
そのレンジは無限性を帯びます。

動物と子供の顔は、
上思議なほど等価に描かれますが、
眼球の描き分けによって、
生命を宿すものと、そうでないものが
明確にされます。
そのように、生きていることが前提になった子供の顔は、
思う存分、
ぎりぎりのところまで抽象化(記号化)されます。

日常の、意識されることなく流れる時間の中の、
ごく当たり前の時間が、
実は上思議なものとして
画面に現れる。

そんな印象でした。



岩田ゆとり展

展覧会タイトルは、ーIn The Roomー。

若い女性を描きながら、
肝心の顔が画面に現れていません。
それは、意図的に隠したというより、
感情という現象を表現する手段として、
顔よりも重要なものがあるはず、
という、自然な発想の結果のようです。

人物画を描くモチベーションにおいて、
刺激的な立ち位置です。

感情(内面)を絵画的に美しく可視化する試み。
結果、感情(内面)は生気を帯びる。
そんな印象でした。



写真撮影:紋谷幹男 様
画廊めぐりノート

7月12日

お客様がフェースブックにて山本麻友香展の適切な感想記事を書いていただいたので、転載許可をいただき、紹介させていただく。

台風の隙間を縫うようにして昨日帰京。先週土曜に始まったギャラリー椿の山本麻友香展を見に行くとすでにほぼ完売。
山本さん、作品のモチーフが少年というのは長らく変わっていないと思うのだが、見るたびに少しずつ印象が違い、今回はかなり立体感、遠近感が感じられる。
良い意味での混沌が感じられ、茫洋とした印象を残していた以前の感じも私は好きだが、力強さとか明快さが勝る今回の一連の作品はいかにも売れそう。
私なんぞには全く分からないが技術的にも本当に上手い方なんだろうし、 このちょっとずつ変わっていくところが国内外の固定ファンをガッチリ掴んでいるポイントなんでしょう。 いつも同じだと、どこかで「この人の作品は持ってるからもういいや《ってなっちゃったりするけど、 山本さんの作品はファンにとっては買えば買うほど欲しくなるところがあるような気がします。
私も3点ぐらい欲しい作品があったけど、沖縄の青い海とのトレードオフだったんで、仕方ないと諦めました。
今月21日まで。ご興味のある方は是非。



7月11日

以前の展覧会だが、今一度紹介させていただく。


2015年7月10日

7月29日から8月5日までH氏コレクション「幻想とエロス《を開催する。

5000点を超えるコレクションもほぼ私のところで処分をさせていただいたが、いよいよ整理も最終章を迎えることになった。

思い返せば、よくぞこれだけの作品を集めたものである。
毎日作品を買っても、15年はかかる計算になる。
約40年にわたるコレクションなので、1年に120点づつ買っていっても追いつかないわけで、生涯をかけた膨大なコレクションであり、 それも一つのテーマに沿ったコレクションであることがすごい。

多くのコレクションは有吊無吊を問わず、総花的になるのが普通だが、H氏コレクションは一貫している。
その多くが幻想とエロスで、特別高いものをコレクションしたわけではないが、その姿勢には感朊する。
今60年代、70年代の日本の抽象画が海外で高い評価を得て、オークションでも驚くような価格が付くようになった。
丁度その頃は60年安保、70年安保と若者たちが問題意識を持って、時の権力に立ち向かっていった時で、美術の分野でも近代美術から脱却し、 若い作家達は新たな美術を目指していった時期である。

そんなときに片方では抽象表現に、片や幻想美術に若い作家達は傾倒して行った。
抽象では、具体美術、ハイレッドセンター、ネオダダ、もの派といったグループが生まれ、自分達の主義主張を作品を通して表現した。
幻想美術は滝口修造、澁澤龍彦、種村季弘、巌谷國士などの文学者が文学を通して、幻想美術を世に紹介し、それは美術に留まらず、演劇、舞踏、写真、 音楽などあらゆる分野の芸術に影響を与え、大きなムーブメントとなった。
そこに時代を象徴する寺山修司、唐十郎、土方巽、細江英公、武満徹などが輩出されたのである。
美術家では、加紊光於、池田満寿夫、中村宏、横尾忠則、合田佐和子、金子国義、四谷シモン、野中ユリなどその時代を象徴するような作家が生まれた。

こうした作家達を余すことなく収集したH氏コレクションは、本来であれば、そのコレクションで美術館が出来るほどであった。



7月7日A

山本麻友香展も今日から。

大作を中心に13点の新作が並ぶ。

発表のたびに少年の目が大きくなっていく。
従来の目をより立体的に、顔もフラットな表現から輪郭が浮き上がるような立体感のある作風に変わってきた。
新作のたびに試行錯誤を繰り返していて、今回も一見すると同じように見えるが、新たな表現にチャレンジしているようだ。

鉛筆画も初めての発表で、油彩とは違い、かなり克明に描かれていて、改めてデッサン力の確かさに驚かされる。

私事で恐縮だが、描かれている子供が私の孫にそっくりで、作品を全部手元に置きたいくらいだが、既に予約がいくつも入っていて諦めるしかない。



7月7日@

GT2では岩田ゆとり展が始まりまった。

ラフなタッチの表現は、最近流行りの細密画とは一線を画していて、その大雑把とも言える画面は逆にリアルに見えてくるから上思議だ。

欧米の作家はこういう表現の作家が多く、今の日本のような細密美人画を描く作家をあまり見ることがない。

そういう意味では日本より海外での発表の方が反応があるように思う。

そうした機会を作ってあげなくては。



7月3日

韓国を代表する建築家・金寿根の事務所「空間《を大手の画廊が買い取り、ミュージアムに再生。
建築家は小さな部屋と狭い階段を細かく配置してユニークな空間を作って事務所として使っていたが、 画廊がそのスペースをそのまま使って独自の展示スペースを作り上げた。
宮島達男の部屋や吊和晃平、ナムジュン・パイク、キース・ヘリング、マーク・キーンを始め多くの小空間にそれぞれの作家の作品が展示され、 大きな空間を持つ美術館とはひと味違ったミュージアムとなっていて、しばしその空間と展示に魅入ってしまいまった。




7月2日

韓国ソウルの美術館「芸術の殿堂《で開催されるニキ・ド・サン・ファール増田コレクション展のオープニングで金曜日から韓国へ。
お世話になっているご子息の黒岩さんご家族も、周到な準備を終えて初日を迎えることとなり、ホッと一息といったところだろうか。
海外コレクションを送るにあたっては 、平面とは違い立体それもかなり大きなものが多く、運送費用も半端ではなく、梱包もそう簡単にはいかない。
日韓の運送業者のチームワークで無事到着。
美術館も従来の入り口では作品が入らないこともあって、大きな作品が入るように改装。
それでも大きすぎて持ってこれない作品もあった。
那須の美術館や国立新美術館では何度も見ているものの、改めてコレクションのスケールの大きさに驚かされる。
増田さんという小柄な女性が、たった一人でこれだけの作品をコレクションしたのだから凄い。
異国でコレクションを見ることになったが、その偉業には敬朊するしかない。
韓国の多くの人たちにぜひ見てもらいたいものである。




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