ギャラリー日記

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6月1日B 佐藤温個展

内藤と同時に開催される佐藤の作品も大きく変わろうとしている。
イラスト的な表現からマチエールのある絵画的な表現を試みるようになった。

未来都市の荒廃をテーマにしてきたが、今回はたまたま現在のこコロナ騒動を予知したかのような作品が目につく。

偶々こういう状況になる前に描いていたのだが、佐藤はこの作品が今の状況の中で見る人に不安を増幅させるのではないかと心配をしていたが、 私はこうした事態を予知したような文明批判や恐懼を描くことで、今の時だからこそ私達に未来への問題意識を彼は提示しているのではないだとうか。

私も改めて今回の新型コロナ騒動も進みすぎた文明への警鐘のように思えてならない。



6月1日A 内藤亜澄個展

内藤の新作は前回の作品からその表現が大きく変わった。
最初の個展では子供が背景が描かれた画面を遠く見つめ、その先にある未知の世界を予兆させるような表現が、前回は自然の情景の中に異質なソファーやテーブルを配し、 絵具の滴りとともに曖昧模糊とした不安を増幅させるような表現に変わっていった。

それが今回は更に大きく変貌し、情景が背後に描かれた作品もいくつかあるが、その多くはフラットな画面に絵具を叩きつけ、 奔放に筆を走らせ、今までにない強い色彩とともに、最初に見られた静謐な空間から、激しく迸るような空間へと変わってきた。

脱皮するかの如く変容をとげる内藤の絵画は止まるところを知らない。



6月1日@ リスタート

いよいよ待ちに待った内藤亜澄、佐藤温の個展が始まった。 まだ時間は12時から6時までの変則営業だが、開けると同時に何人ものお客様が入ってこられた。 こんな時期だけに誰も見にこないのではとの不安があったが有難いことである。 お客様からも画廊が開くのを楽しみにしていたと言われ、画廊で作品に触れることが皆さんの心の癒しになれば幸いである。 マスク着用の案内を入り口に出させていただき、受付には直接の対応を避けるための透明のビニールシートを垂らし、消毒薬も置いて、画廊で出来る範囲の用意はさせていただいた。 画廊が密になる心配は恐らくないが、お客様やスタッフの安心安全を考えながら営業を続けていければと思っている。 二つの個展も4月に予定していたもので、二人の作家さんもようやく皆さんに見ていただけることでほっとしていることだろう。 皆様もこういう時期ではありますが、無理のないところでお越しいただけるようお待ち申し上げております。

5月28日 ワクワク感

さあ今日から仕事再開。
創業当時のワクワク感を思い出す。

当時は父親の画廊を突然飛び出し、全くのゼロからのスタートであった。
ほぼ一年は家に作品を置き、妻が大風呂敷で作ってくれた肩下げの今でいう特大のトートバッグに作品を入れて都内はもちろん名古屋大阪まで伝手を頼っての行商の毎日であった。

縁があり、京橋にスペースを見つけ、大家さんに家賃を半分にしてもらい、内装は以前からの知り合いの工務店にある時払いの催促なしでお願いし、ようやく自分の画廊を持てたときの嬉しかったこと。
画廊は2年間は年中無休で、いま思ってもこんなに必死に働いたことはない。

その後も湾岸戦争、バブル崩壊、リーマンショックと苦しい時期もあったが、何とか乗り越えて今に至っている。
今回のコロナ騒動はそうした長い画廊の経験からしても未曾有の苦難が立ちはだかっていると思う。

創業時一軒の画廊でおさまっていては売り上げはそれ以上に伸びないことを知り、北海道から九州まで、私どもの作家を紹介してくれる画廊を探し、 そこで個展やグループ展を開催してもらい、扱い作家が全国区になってくれるように飛び回った。
そうこうしているうちに大手百貨店から声がかかり、そこでも多くの個展を開催し、お客様の拡大に努めていった。

そこにバブル崩壊により私は多くの売り場を失って、海外に活路を求めることにした。
日本がダメでも世界がダメになることはそうはないと思い、当時日本の画廊がほとんんど参加しなかった黎明期のアジアのアートフェアーに参加し、私どもの作家達の紹介に奔走することになった。
これが功を奏し、今ではアジアでの人気作家が私の画廊から何人も生まれることになった。
今回の休業中も海外のお客様から多くの支援をいただき、感謝の気持ちでいっぱいである。

しかし、これからは世界恐慌といってもいい事態が想定され、世界中が不況に陥り、どう生き抜いていくか、今までに経験をしたことのなかった局面を迎えることになる。

今までの苦難を乗り越えてきた経験と、新たに始まる創業当初のワクワク感を思い出して、この困難な時期を乗り越えていかなくてはならない。

そんな思いを一層強くする再開にの日であった。


5月24日 仕事再開

緊急事態解除ががおそらく25日に発表されるのに伴い、少し間を置いて28日から仕事を再開する。
6月1日から展覧会も始まり、いよいよ画廊にもあかりが戻ることになる。
この3、4、5月個展のために頑張って描いてくれた作家さんも、ようやく作品を見ていただくことができて一安心ではないだろうか。
休んでいる間も多くのお客様がエールを送ってくださった。
そのお客様に報いるためにはいい作品をお届けするしかない。
まだまだ簡単にお越し下さいとは言えないが、ご無理のないところでお越しいただければ幸いである。
油断せず感染がまた広がらないように用心しつつで、画廊も万全の態勢でお迎えすることにしている。


5月22日 訃報

約50年にわたりお付き合いがあり、ギャラリー椿でも何度も個展を開催した室越健美先生が亡くなられました。
私がまだ父親の画廊にいたときですが、初めてせんせいの作品に出会ったときは何とモダンでお洒落な作品と目を奪われました。

多摩美術大学教授を務め昨年定年を迎え、画業に専念されようとしていた矢先に病に倒れ逝去されました。
来年にはまた個展をしていただこうと思っていただけに残念でなりません。

昨年の退官記念展が私が見た最後の展覧会なってしまいましたが、偶々今年に入りオークションで先生の秀作を手に入れることができました。
これも何かのご縁と大切にしたいと思っております。

心よりご冥福をお祈りいたします。


5月21日 京橋の思い出

京橋に画廊を開いた当時から親しくさせていただいた元社長のA氏がおられた京橋美々卯、同じ時期にコレクターとしてお世話になった元専務のM氏がおられたレナウン、 そして画廊の目の前に当時からあった元INAXギャラリーが清算や会社更生法の申請、閉廊との報が入り、 更に開廊当時にすぐそばにありその後移転をしたかねこあーとギャラリーのオーナー金子氏の引退も今日知ることになった。
京橋の名物画廊だったかんらん舎やセゾン劇場も既になく、続けていく難しさを感じるとともに、当時の京橋の思い出がますます遠のいていく。

5月20日 版画の抽選

山本麻友香の版画5種類の抽選を休廊中ですがさせていただいた。
最終的に約250名の応募があり、当選の方に順次連絡をさせていただいている。
台湾、日本(日本在住の台湾の人もあり)、香港、アメリカ、マカオ、その他の順でお申し込みをいただいた。
ご連絡のいかなかった方には次の機会をよろしくお願いをしたい。
尚、山本麻友香の個展は8月に改めて開催する予定である。
日時は決まり次第通知させていただく。

緊急事態宣言で多くのお店が休んでいる中で、オリジナル作品を含め版画にも多くの購入の申し込みがあっらことは誠にありがたいことである。

ただ不思議に思うのは、山本麻友香は韓国が一番人気があるはずなのだが、一件の申し込みもなかった。
何故なのだろうと思っていて、昨日たまたま画廊に出て、同じく出勤した韓国出身のスタッフに聞くと、 韓国ではフェースブックはほとんど使われず、カカオトークが主流なので、作品情報が届いてないのではとのことであった。
なるほどと思ったが、ホームページやツイッター、インスタでも情報は流しているので、カカオトークだけのせいではなく、 韓国の経済状況が停滞していることも影響しているのかもしれない。

今一度、韓国市場へのアプローチの施策を考えてみよう。


5月11日 ZOOM会議

自粛期間も1ヶ月以上が過ぎた。
だらだら過ごしていてもいけないので、この一週間は以前に6年間通った料理教室の腕をいかして、 私が手料理を振る舞うことにした。
鯛の煮付け、ふろふき大根、キーマカレー、牛丼、青椒肉絲、麻婆豆腐、 ナスのオイスター煮などなど和洋中なんでもござれであった。

今日は3月から休会となっていたロータリークラブの理事会をZOOMでやることに。
10人の理事がそれぞれの場所で参加したが、私はZOOMという言葉さえ知らず、 息子に教えてもらいながら何とか参加することができた。

このコロナ騒動で家にいながら仕事や会議ができる機会が増え、 地価の高いところにオフィスを構えたり、お店やオフィスのインテリアにお金をかける必要が なくなる時代がやって来るかもしれない。か。
山奥や離れ小島で仕事ができれば、社会の仕組みは大きく変わってくる。
ただ、人と人との直接の交わりがなくなり、何とも味気ない世界が訪れることも考えられる。

50年先、100年先がどんな風に世界が変わっていくか知ってみたい気もするが、 味気ない殺風景な世界ならゴメンである。

呑気に未来に想いを馳せる前に、まずはこの難局を乗り越えることが先決で、 いつまで続くか分からないが、おそらく人生最後の一踏ん張りになるだろう。

5月7日 個展延期

お知らせを下記の通りさせていただいく。
苦渋の決断だが致し方ない。

【臨時休廊・会期変更のお知らせ】
新型コロナウイルス感染拡大防止のため5月末まで休廊期間を延長致します。
変更が生じました場合にはウェブサイト、SNSなどにて告知致します。

臨時休廊に伴い、5月9日より予定しておりました
山本 麻友香 展
高木 まどか 展
は延期とさせていただきます。
会期が確定致しましたら、ギャラリーのウェブサイト、SNSなどにて告知致します。
ご来廊を予定してくださっていたみなさまには大変申し訳ありませんが、
ご理解とご協力のほど何卒宜しくお願い申し上げます。

休廊中のお問合せはinfo@gallery-tsubaki.netまでお気軽にご連絡下さい。
今後も状況により変更が生じる場合が御座いますので、
ギャラリーのウェブサイト、SNSをご確認下さい。

お客様にはご迷惑をお掛け致しますが、
感染の拡大を防ぐため何卒ご高配を賜りますようお願い申し上げます。

[Announcement of the change of temporary close and exhibition]
Due to the spread of COVID-19, we will extend the period of close until late May.
If there is a change, we will notify you on our website and SNS.

Due to the temporary close, Mayuka Yamamoto’s exhibition and Madoka Takagi’s exhibition scheduled for May 9th will be postponed.
Once the session has been confirmed, we will notify you on the gallery's website and SNS.
We are very sorry to those who have planned to come to the exhibitions.

Thank you for your understanding and cooperation.

Please feel free to contact us at info@gallery-tsubaki.net if you have any questions.
There may be changes depending on the situation in the future.
Please check our website and SNS beforehand.

We apologize for the inconvenience and appreciate your understanding and cooperation in preventing the spread of the COVID-19 infection.

5月5日 緊急事態宣言

緊急事態宣言が5月末まで延長された。

命には代えられないので従うしかない。

コロナ対策に対してメディアやSNSでの批判が散見されるが、批判する前に自分が何をできるかを考えるべきではないだろうか。

マスクの受け取りを拒否する前に、困ってている人に回してあげたらどうだろうか。
給付金や補助金に文句を言う前に、もらえるお金をどう活用するかを考えるのが先ではないだろうか。

国難といいってもいい状況に、批判ばかりでは前に進まない。
みんなで力を合わせて克服するしかないのでは。

弱っている立場の方に対して少しでも余裕があるのなら手を差し伸べてみてははどうだろうか。

コロナが収束し平穏を取り戻してから、その対策を分析し間違いがあるなら是正し、次に活かしていくしかないのでは。

4月26日 河口湖

画廊を休廊にしてから1ヶ月が過ぎ、私たち夫婦は娘家族と一緒に河口湖の別荘に疎開している。
こちらは併設しているホテルやレストラン、プール、テニスコート、ジムなどの施設も休業していることもあって、殆ど人がいない。
それもあって、広い施設の周囲や目の前の芝生広場で孫たちは思う存分遊ぶことができ、ストレスを溜めることなく 元気いっぱい飛び回る孫たちに爺婆は少々疲れ気味である。

食事も一度だけテークアウトで買ってきた以外は毎食家で食べている。
ただ買い物だけはしなくてはならず、3、4日に一回はスーパーに買い出しに出かけなくてはならない。
山梨でも県外からの流入自粛を要請されていて、地元の人から白い目で見られるのではと、人の少ない早い時間に行き、 駐車場でも遠くに駐めるなど肩身を狭くしながら買い物をしている。

確かに富士山観光や釣り、ゴルフなどで河口湖にやってくる人も多いが、 私たちのように疎開している人は多目に見てもらえないだろうか。
町民税や固定資産税も払っているのでお許しいたければと思っているが、 軽井沢の別荘の人たちが顰蹙を買っているニュースが流れると、私たちも身を縮めて過ごすしかない。

9日から始まる展覧会に備えて、連休明けから画廊は開けることになっているが、 東京での感染リスクが減っているとは思われないので、来廊者の予測もできず、状況を見て再度休業するか、営業時間短縮も考えなくてはいけない。
休業の場合は再び疎開している家族の元に戻ることになるが、規制が厳しくなると戻れないケースも考えられる。

このように今までに経験したことのない事態に戸惑いを隠せない。


4月25日 SNS

新型コロナの蔓延で画廊も休廊にして1ヶ月が経とうとしている。
内藤亜澄、佐藤温展を延期し、緊急事態宣言もあり5月6日までは休業させてもらうことにした。

1ヶ月以上の休みは学生時代の夏休み以来だろうか。
夏休みといっても高校大学とヨット部に入っていたので、殆どが海に出て練習に明け暮れ、ゆっくりと休む暇はなかったのだが。

それが今回は仕事もない、といってゴルフをするとか映画に行ったり外で食事することもできない休みというのは経験したことがない。
これは私だけではないだろうが、みんなどのようにして過ごしているのだろうか。

幸い私たちの仕事は言葉のいらない視覚に訴える仕事なので、テレワークというわけではないが、 作品画像をSNSを使ってお客様やアートファンの方にお知らせをしている。

その効果があってか、紹介作品にポツポツと注文が入ってくるようになった。
ただこうした購入希望は全て海外からで、来日できないでいるお客様が離れていても私どもと繋がっていることを実感させられる。

更に顕著なのは、5月9日から予定されている山本麻友香個展である。

今週初めから出品作品の紹介をさせていただいているが、大作を中心に16点の出品作品が海外のお客様の予約で全て完売となった。
また、昨年制作して既に発表をし、個展枠として取っておいた5種類の版画作品も有難いことに注文が殺到している。

改めてSNSの威力を知ることになり、また我々の仕事がこうした形でも成り立つことを認識させられた。
これも早くから海外、特にアジア中心に私どもの作家を紹介していった結果なのだろう。

有難いことだが、それでも本当は実際の作品を見ていただき、SNSでは感じ取ることができない色彩や質感、空間との調和などを目で肌で感じ取って欲しいのだが。

山本展も9日からオープンしてもおそらく見にくる人は少ないだろうし、来ていただいてもゆっくりと見ていただくことができない。

いつまでこの騒ぎが続くか分からないが、画廊に来ていただく方と接する日が1日も早く訪れるのを待ち望んでいる。

4月16日 支援

引きこもって3週間が経とうとしている。
ストレスも貯まる頃だが、そんな中、嬉しい知らせが届いた。

先日も書いたが、お世話になっている中国出身で今は日本に帰化したNさんから大量のマスクの寄付をいただくことになり、寄付先を任せると依頼された。
35年お世話になった日本へのほんの恩返しだそうだ。

寄付先が決まり、まずは私が所属しているロータリークラブが支援をしている孤児や虐待児童を預かる施設と娘の知り合いの知的障害児施設に寄付をすることにした
他に困っている医療施設にも寄付をすることにしている。

中国発のコロナと言われているが、それを政治に利用としているどこかの大統領に聞かせてやりたい。

Nさんとは偶然の出会いから、本来なら今日から始まる中国7都市での私どもの作家30名による展覧会の仲立ちをしてくれた方でもあり、 日中友好に尽力をされている素晴らしい方である。

残念ながら中国展は延期となったが、今度はマスクでお世話になることになった。
寄付先からは礼状をと言っているが、Nさんは辞退をすると言っている。

そうもいかないので私宛に送ってもらい手渡しをしようと思っている。

まだまだ先の見えないコロナ騒動だが、こうした支援がいくつも生まれ、世界が一つに繋がっていけることを願う。


4月13日 休廊中

画廊を閉めてすでに二週間が過ぎた。
緊急事態宣言が出た途端に高額作品のキャンセルが出たりで、より不安はつのるばかりである。

ただ嬉しいことに、こうした最中にもかかわらず、台湾のお客様が100号の作品を購入してくださることになった。
こんな時だけに本当にありがたいことで、ただただ感謝である。

また、都市封鎖されていた武漢のお客様を心配してメールをしたところ、逆に展覧会の画像を送ってくださいと頼まれて、 4点の作品を購入してくださり、ギャラリー椿の作家をこれからも応援しますと励まされてしまった。

またお世話になっている中国の方からはたくさんのマスクをいただいた。
お兄様が中国のマスクのメーカーから取り寄せ送ってくれたもので、画廊のスタッフや家族も大変喜んでいる。

これも有難いことだが、その方から医療施設に一万枚を寄付したいとの申し出があり、今どこの医療施設にするか検討をしているところである。

こんなふうに国を超えて、助けてくださる方がいることは、この上ない喜びであり、世界中が苦難の時を迎えているわけで、 こういう時こそ国を超えて助け合うことが何よりも大切なことを教えていただいた。

5月9日から始まる山本麻友香展もすでに多くの海外の方から購入の申し込みが来ていて、何よりの励みとなっている。

海外からの温かい支援に応えて、コロナに負けることなくこの苦難を乗り越えていかなくてはいけない。

4月6日 休廊のお知らせ

緊急事態宣言が明日中にも発令されるとのことで、お客様とスタッフの安全安心を考え、
ギャラリー椿も明日4月7日よりゴールデンウィークが終わる5月6日までお休みとさせていただきます。
休み中はギャラリー椿のホームページ、フェースブック、インスタグラム、ツィーターなどで画廊の作品を随時紹介してまいります。
作品についてのお問い合わせはメールにて対応させていただきますのでよろしくお願いいたします。
また、画廊にて作品を見てみたいというご要望がございましたら、対応させていただきますので、お越しいただける日時を予約していただければと存じます。
皆様には多大のご迷惑をおかけすることになりますが、何とぞご理解ご協力の程をよろしくお願い申し上げますとともに、
一日も早く事態が終息し平穏な日が戻ることを願っております。


4月3日 会期変更のお知らせ

新型コロナウィルス感染拡大の影響を考慮し、
4月11日より予定しておりました「内藤亜澄個展」と「佐藤温展」は、
5月30日(土)〜6月13日(土)へと会期を変更させて頂きます。
度々の会期の変更となりまして、申し訳ありません。

ご来廊を予定してくださっていたみなさまには大変申し訳ありませんが、
ご理解とご協力のほど何卒宜しくお願い申し上げます。

尚、画廊の営業につきましては来週月曜日にあらためてお知らせをさせていただきます。
また5月9日より始まる山本麻友香展につきましては、今のところ予定通り開催することにいたしております。

ギャラリー椿


3月30日 印象記

紋谷氏の森口裕二展の印象記を紹介させていただく。

会場風景。
展覧会タイトルは、ーもののけ奇譚ー。

描かれたのは闇の世界、もののけの世界。
そして、この世界なら起こりうる事態と、
情欲と暴力の解放と、
それらに身を任す恍惚。
当事者が若い乙女という禁断。

明確な輪郭線、フラットな着色、
モチーフの特長を最大限に、分かりやすく引き出す、
デフォルメが強くかかった図像、
簡略化された画法は、
浮世絵をルーツにする、
マンガ、コミックの常套手段です。

恐らく画家は、自身の作品が、
漫画、イラストやアートのどこに
カテゴライズされるかは全く無頓着で、
結果、アートへの指向性がないまま、
内面に渦巻いている世界を、
二次元というスタイルで表出させただけだと思われます。

画家は、作品を組み立てるロジックは想定しているはずですが、
描かれた図像たちは、強い個性において勝手放題で、
ロジックは追いやられ、
観る側の感性を直接刺激してくる。
これは、アートだ。
そんな印象でした。





3月26日 臨時休廊

臨時休廊のお知らせをさせていただく。
昨夜小池都知事より外出自粛、在宅勤務の要請が出されました。
外出自粛要請を受けまして、私どもも誠に勝手ながら3月30日(月)から4月4日(土)の間を臨時休廊とさせて頂きます。
森口裕二展は4月4日まで一週間延期のお知らせをいたしましたが、あらためまして3月28日までとさせていただきます。

感染の拡大を防ぐため皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

会期の延長期間であった3月30日(月)から4月4日(土)の間は、森口 裕二個展はアポイント制にて展示をご覧いただけます。
・ご連絡いただきましたお客様のみご覧いただけます。
 ※ギャラリーはクローズしておりますので、必ずご連絡の上お越しください。
・展示をご覧になりたい方は、前日までにメールにてご予定の日時をご連絡下さい。
 ※ご予約のない時間帯は電話に出られない可能性が御座います。
・ご来場可能時間は12:00〜18:00となります。

ご来廊の際には、マスクの着用をお願い申し上げます。
また、発熱や風邪の症状がある方は、ご来廊をお控え頂きますよう何卒お願い申し上げます。

今後も状況により変更が生じる場合が御座いますので、
事前にギャラリーのウェブサイト、SNSをご確認下さい。

お客様にはご迷惑をお掛け致しますが、何卒ご理解とご協力の程よろしくお願い申し上げます。

3月25日 コメント

森口裕二の友人ヤマベタケシ氏がこんなコメントをフェースブックに載せてくれたので紹介させれいただく。

古い友人である、#森口裕二 個展「もののけ奇譚」にいく。

エロと「日本の怪し」を融合した新世界。緻密に描き込んだ妖怪には、赤塚不二夫みたいな遊び心も感じた。

マンガ、アート、浮世絵を越えた独自の境地は俺らを射抜く。

ああ、「目に見えないもの」とはこうして共存すればいいのか。

一緒に行った高校の同級生のK曰く。「こんな大きいサイズであの絵が描けるなんてよっぽどイカれているなあ」と褒め言葉。そうよ。森口くん、すごいんだから。尊敬してる。

#浅草日記 #浅草ライター



3月23日 コロナショック

新型コロナの蔓延がとどまるところを知らない。
オリンピック・パラリンピックもこの状況だと多分延期か中止になるだろう。

身近なところでも感染する人が出てきた。
東京美術クラブでの交換会(業者だけのオークション)で感染者が出たようだ。
4月早々に美術クラブで全国美術商連合会の理事会が開かれる予定だがどうなることやら。

私が入っているロータリークラブの例会場となっているホテルでもアルバイトの従業員の感染が判明した。
既に例会は3月いっぱい休会で、更にゴールデンウィーク明けまで休会を延長することになった。
予定されていたクラブの観桜会も中止。
また、ハワイで開催される予定だったロータリー世界大会も中止。
早くから航空券を抑えていただけに、有志だけでも観光で行こうと思ったが、ハワイも入国すると2週間隔離されるということになり断念。

感染者の出たホテルにとっても痛手だろう。
多くのキャンセルが出ていて、その上感染者が出たとあっては更にキャンセルが続出するだろう。
オリンピック・パラリンピックも中止となると、新国立競技場や代々木の競技場に近いホテルだけに、 既に予約でいっぱいだったはずだが、これもダメとなるとホテルの存続に関わってくる。

うちも安閑としてはいられない。
台湾、香港、上海やフランスなどヨーロッパでも人気の森口裕二の展覧会なのだが、楽しみにしている人が皆来れなくなってしまった。
5月も韓国や台湾、香港で人気の山本麻友香展があるが、海外の人はおそらく見にこれないだろう。
逆にローマ・ロンドンで予定されている山本麻友香、中村萌、岩渕華林が参加するグループショウも開催は難しいだろう。
既に4月から始まる予定だった私どもの作家30名による中国7都市を巡る展覧会も中止になった。

うちみたいなところでもこれだけ大きな影響が出ているのだから、旅行代理店やホテル、 バス会社などの観光業や航空会社、団体客を見込んだレストランはオリンピック・パラリンピックが中止になるとどういうことになってしまうんだろう。

日本経済に与える影響はとてつもなく大きい。
というよりは世界大恐慌になる可能性だってある。

なんとしても乗り気ななければならない。
その覚悟が必要である。

3月16日A 印象記A

福田淳子個展 最初は、
水面での自然現象のある刹那を
写真で撮り、何らかの画像処理を加えた
平面作品のように見えていました。
自然に起こった事象にたまたま出会い、
それを切り撮って定着させた感じ。

しかし、これらの作品群は、
水面に浮かんだ複雑な模様を紙に写し取った
マーブリング技法であることを知れば、
その意味するところが激変します。

これらの平面で起こっていることは、
他の場所で起こった自然現象の再現ではなく、
ドローイングと同じく、
作家が平面で起こした現実(実態)です。

水面に顔料を広げ、動きを与え、
複雑な振る舞いのある瞬間を写し取る。

作家の美的感性が
シンプルに、ストレートに他者に伝播します。
美術の強度は、
逃げ隠れできない状況で現われる。
そんな印象でした。


3月16日@ 印象記@

展覧会は既に終わってしまったが、紋谷幹男氏の印象記が送られてきたので紹介させていただく。

CERAMIC WORKS
木村繁之/塩澤宏信/木下雅雄

 粘土は自在な可変性があり、
着色も可能なので、
精緻にリアルに造り込む作風の作家には、
お誂え向きの素材、画法です。

腕の立つ作家に掛かれば、
あり得ない事態が現実として出現することになります。

木下雅雄​の展示エリア。
被り物の面白みは、マスク(仮面)と違って、
本人の顔が露出したままで、
別のモノになり切るという強引さと、
それに伴うコンフージョンです。
作品の当人たちの視線は正面を見据えるのではなく、
あらぬ方向へ彷徨い、
当人の抗しがたい欲求が
実は、この事態を引き起こしたことに
身を任せているようです。


木村繁之の展示エリア。
美術は視覚情報なので、
視覚以外の感覚を刺激しないはずですが、
音や香り、それらが漂う時間などが
意識される不思議があります。


塩澤宏信の展示エリア。
モノ作りの目的には、
役に立つ道具、装置を生み出すことだけではなく、
役に立つ機能を有さない道具、装置を生み出すことも
あるわけで、
それがドラマチックに観る側を別の世界へと誘い込むならば、
そんな道具、装置はガラクタではなく、
アートと認識されます。


3月14日 個展初日

朝から冷たい雨が降り、これではお客様がもし並んでいたら申し訳ないと、早くに画廊へ向かう。

行ってみると心配したほどのことはなく、お一人だけが早くから入口の前に立っておられた。
寒いのに申し訳ありませんとお伝えし、椅子にかけてお待ちいただくことに。

10時になったので整理券一番をお渡しし、開廊の12時に改めて来ていただくことにした。

そうこうしているうちに、また一人懇意にしているお客様が来られ、整理券をお渡しして画廊でお待ちいただくことにした。

後は国内外からメールでの注文がきているので、画廊に来られた方を優先してから、順次ご返事を差し上げようと思っている。

並ぶというお問い合わせが多かったのだが、やはり大作がほとんどなので、皆さん遠慮されたのだろう。
後は会期の間、コロナ騒ぎで来ていただくのは気がひけるが、無理のない範囲でお越しいただけるのをお待ちしている。


3月13日 森口裕二展

森口裕二展がいよいよ明日から始まる。

コロナ騒ぎがますます拡大し、世界中が怯え身を竦め、世の中が凍りついたようになり、世紀末の様相を呈してきた。

そんな最中に森口展を迎えることとなった。

果たして見に来る人がいるのだろうか、こんな時に展覧会をやっていいのかという声も聞こえる。

ところがである。

始まる前から多くの展覧会への問い合わせと購入希望がきていて、収拾がつかなくなる懸念もあり、 明日初日は11時までにお越しいただき、先着順で整理券をお渡しして、12時より順次お入りいただくことにした。

ただ、今回は大作が中心の展覧会で、並ばれた方のご希望に添える作品があるかどうか不安ではあるが、取り敢えずはそのようにさせていただくので、 お越しいただく方には大変申し訳ないが、お並びをいただきたい。

さて明日混乱するのか拍子抜けに終わるのかはわからないが、万全の準備で明日を迎えることにする。



3月12日 出会い

FBの過去の思い出がアップされ、2年前にこんなことを書いていました。
台北での中村萌展が終わり、今一度そのことを思い出しています。

今回のフェアを振り返って。

私達の仕事は出会い、縁というものが大きな要素の一つになっている。

今回のフェアの中村萌の人気は単なる浮ついたものではなく、そこに到るまでの縁、そしてその縁をチャンスと捉えて、前に進もうというアグレッシブな思いが、 こうした結果に繋がっていると思っている。

長くなるがここに到るまでの巡り合わせを書いてみる。

もう20年近く前になるだろうか。
今回のフェアの前身であるNICFに先週まで私どもで個展をしていた鈴木亘彦で参加した。

出展するにあたり、どうしたら成功するかいろいろとアイデアを考え、作品の良さもあって何と80点余の作品が売れたのである。

その時参加していた韓国の画廊がこれを見て韓国の今思うと小さなフェアだったが、そこへ招待をされることになった。

その辺の経緯は以前にも書いたが、こうして韓国へ出て行くことになった。

この画廊のオーナーは後に韓国画廊協会の会長になり、アートフェアKIAFを開催することになり、お手伝いをさせていただくことになった。

このフェアに山本麻友香で参加したことが後の彼女の韓国で人気に繋がるのである。

そうこうしているうちに韓国のオーガナイザーからニューヨークのフェアに誘われ、参加した際に台湾のフェアのプロモートに来ていた方に出会い、 こんど台湾も国際フェアを予定しているので参加と日本でのプロモートを頼まることになった。

。 こうして今度は台湾に進出することになり、紹介作家の中に中村萌が加わり、彼女の作品をコレクションする人が増えていったのである。

そのコレクターの一人がモンスター台北というフィギュアショーの主催者だったこともあり、フィギュアの制作とショーへの招待を受けることになった。

こうして彼女の人気が若い人達の裾野にまで広がり、今の更なる人気に繋がっていくのである。

フィギュアで彼女の作品に出会った方が、そこからオリジナル作品を購入するようになり、100点を目標に将来は中村萌美術館を造るという夢を抱いている方までおられる。

今回の中村萌の人気も、こうして振り返ってみると、多くの出会いの重なりとその出会いのチャンスを逃さなかったことが、今に繋がってきたのだと思っている。
出会いを大切にし、その出会いをどう活かすか、プロモート下手の私にとって、それがなにより大切にしているものである。

そして、人気とは別に常に作家を支え続けることが画廊としていちばん重要なことではないだろうか。


3月10日 コロナショック

コロナ蔓延で世界各地で株価が急落し、ニューヨーク市場では金融危機以来の取引停止となった。
日本も日経平均株価が19,000円を一時下回り、2018年12月以来の水準まで大幅に下落した。

美術業界にもその影響は大きく、アジア最大のビックイベントであるアートフェア香港バーゼルやアートセントラルが中止になり、 日本でも今週開催予定であったアートフェア東京が急遽中止を発表した。
朝日新聞にはそのことに関して大きな見出しで、「コロナ、美術市場に冷や水」と掲載された。

確かに空港に人がいなくなり、銀座も土曜の昼過ぎに歩行者天国を見てみると人がまばらで、当然画廊に来る人も少なくなっていて、美術市場への影響は大きいと予想される。

アートフェア東京には訳あって参加しないが、その時に来日するから海外のお客様はうちも当てにしていた。
しかしながら、中国、香港、韓国の方達が来日しても隔離されることになり、となると当然来ることはなく、仮にアートフェア東京を開催していたとしても、 かなりの打撃を受けることになっただろう。

ただ、これは私のところがそれほど影響がないと言うつもりはないが、たまたま海外の人を当て込んで立てた今週末に開催する展覧会に、 日本の方からどうやったら買えるのかと言う問い合わせが相次いでいていて、結果混乱してもいけないので、開廊1時間前までに並んでいただき 、整理券を配り、その順で作品をお求めいただくことにした。
うちにしては高額な作品が多いので、実際並んでいただいてもそれほど売れるとは思ってはいないが、 それでもこんな時期に並んでまでも買おうという人がいることは大変ありがたいことである。

厳戒態勢をいち早く敷いたため、コロナ感染者が少ない台湾でも、一昨日終了した中村萌個展の台北での開催をどうするかギリギリまで悩んだ末に実施に踏み切った。
開催しても人が来ないのではとの不安があったが、蓋を開けると有料入場にもかかわらず、 17日間毎日延々長蛇の列で、まだ集計は出来ていないが、オリジナル作品はもちろん200限定の3種のフィギュア、画集、 トートバッグ、ピンバッジ、ポスター、ポストカード全て売り切れとなってしまった。

台湾パワーに圧倒された17日間だったが、アートファンにとって好きなものを見ること、買うことはコロナ騒ぎとは別物だったのだろう。

アートというものは私はそういうものだと思っている。
三度の飯を控えてもアートに関わりたいという人達がまだまだいるのである。

高額な作品は市場に大きく影響されるだろうが、手頃な価格のものはオイルショック、湾岸戦争、バブル崩壊、 リーマンショックなどの市場崩壊を経験してきた私には大した影響はないと見ている。

それで50年以上なんとかやってきた自負がある。
心理的に買い控えるということはあっても、痺れを切らし我慢も限度という人たちもいるはずだし、コレクションとはそういうものである。
いつまでこのような状況が続くかわからないが、私は自分がいいと思う作品を提供していけば必ずそれに応えて下さろお客様がいると信じている。

朝日新聞見てろよ、コロナ何するものぞの心意気でやっていきたい。



3月8日 中村萌個展が終了

中村萌個展が終了した。
主催をしてくださったモンスター台北の黄社長には周到な準備と展覧会への熱い思いのおかげで、このような大成功に繋がったと心より感謝申し上げる。

コロナ騒ぎにの中開催も危ぶまれたが、実施の判断を下し、そのための健康管理にも入念なケアをし、多数の入場者にもかかわらず、混乱することなく、 つつがなく展覧会を終えることができたのも黄社長はじめスタッフのたゆまぬ努力によるもので、お見事と言う他ない。
日本でこれだけのことをやれと言われてもとてもできるものではない。
台湾の多くの方の思いが結実した結果だと思っている。

開催にあたり、中村萌作品を快くお貸しいただいたコレクターの皆様にもお礼を申し上げなくてはいけない。

スタッフの皆さんにも17日の間お世話になり、昨夜は夜中迄撤収作業に追われ、大変なご苦労をかけたこと厚くお礼申し上げたい。

そして、多くの中村萌ファンの皆様にお越しいただき、長時間にわたり入場をお待ちいただき、中には毎日お越しいただいたファンの方もおられたようで、 誠にありがたく心より御礼を申し上げる。
これからも中村萌の更なる成長を温かく見守っていただきたくよろしくお願い申し上げる。
ありがとうございました。謝謝‼️



3月6日 サクラクレパス

株式会社サクラクレパス様からの依頼で、究極のクレパス「スペシャリスト85色88本セット」を提供いただき、 各作家さんが基底材やテーマは問わず、自由に制作していただく展覧会「現代アーティストクレパス画展」が1996年以来今回で10回となり、 過去280名余のアーティストが出品してきた。

この展覧会は大阪本社のサクラアートミュージアム、創業者がの出身地で収集された梅原龍三郎、小磯良平、林武、 川合玉堂などの近代美術から岡本太郎、猪熊源一郎などの現代美術作品が所蔵展示されている鳥取日南町美術館、他で開催される。

この秋の記念すべき10回展に、私どもの作家10名が参加することになった。

確か第8回展にも私どもの作家が参加し、堀込幸枝、服部知佳、冨田有紀子の作品が買い上げとなり所蔵されている。

今回は前回と違った作家で、小林裕児、金井訓志など10名が出品をする。
いつもと違った画材でどんな絵が出来上がるか楽しみである。


3月5日 買い占め

ティッシュやトイレットペーパーが買い占められているニュースが流れていて、なんて浅ましい人達がいるのだろうと思っていたが、家のそばの薬局に薬を買いに行ったら、 なんと棚にいつも溢れているティッシュやトイレットペーパーが全くない。
デマに惑わされ買い漁る人がこの近所にもいると思うと情けなくなる。
マスク同様に転売目的の人も多いという。

FBで見たが、イオンが店内に大量にトイレットペーパーを積み上げ、無くなるとすぐに補充し、お一人さま10点までと書いたら、誰も買わなくなったそうだ。
そんなもんである。

40数年前のオイルショックの時も同じようなことがあり、うちの両親も大量に買いだめし、後で始末に困ったという。
人間の業はいつまで経っても変わらない。

さて、台北の中村萌個展でも少なくなったとはいえ、転売屋に雇われたおばさんたちが並んでいるという。
こちらはデマに惑わされて買いにくる人ではなく、まさに転売目的だけで並ばせているのだ。

展覧会を企画し、一生懸命制作し、ファンの方に持っていただこうと思っているアーティストを含めた私達がこういう人達に踏みにじられていると思うと悔しくて仕方がない。

こういうご時世だから仕方がないという人もいるが、私は仕方がないでは済まされないと思っている。
イオンではないが、私はなんらかの方策を講じて、こういう人を排除したいと思う。
それでもし価格が下がったり、作品が売れ残るようだったら、それでもいいと思っている。
その時に買ってくださるお客様こそ本当に私にとって大切なお客様だと思っている。
またそういうお客様もたくさんいると信じている。

人のふんどしで金儲けしようとする輩を私は絶対に許すことはできない。

3月4日 3月に入り

画廊の前の早咲きの桜並木の花も盛りを過ぎ、春の訪れも間近なのだが、3月に入り暖かったり、寒くなったりで不順な天候が続く。
その上コロナ騒ぎで、画廊を訪れる人も心なしか少ない。

こんな中でも、3月20日からのアートフェアー東京2020は実施の方向だったが、出展画廊のキャンセルが相次ぎ、雲行きが怪しくなってきた。

主催者側のなんとかやりたい気持ちはわかるが、遠方から参加する画廊や、来場者を期待できないのではと不安を募らせる画廊は多く、 参加を見合わせる画廊が増えるのは仕方ないことだろう。

私は訳あって、アートフェア東京には参加しないので、なんの影響もないが、準備を進めてきた参加画廊のことを考えると、 もう少し早くに中止の方向で関係各位に伝えるべきではなかったかと外野席からは思うのである。

香港をはじめ内外のフェアやオークションがいち早く、中止、もしくは延期を発表しているのに対し、 アートフェア東京だけが実施の方向で進むことに首を傾げていたが、おそらくこの状況であれば中止せざるを得ないだろう。
そうだとすれば、遅きに失したと言わざるを得ず、主催者の責任も問われることになりかねない。

まだ正式の発表はないようだが、成り行きを見守りたい。

追伸

正式に中止が発表されたようだ。


2月28日 地中美術館

案の定雨!
気温も低く、あちこちに点在するアートポイントを見て回る予定だったが、まだ風邪が治りきらない年寄りには無理みたい。

朝食を済ますとまずは地中美術館へバスで向かう。
バスを降りたらすぐのところに美術館はなく、大したことはないがモネの蓮池を模したというミニ庭園を横手に眺めながら山道を上がって行く。
建物らしきものは見えないが、ベネッセの自然と共生という理念を汲んだ安藤忠雄の設計もあって、自然の景観を損なわないように、 名前の通りに山の頂から地中深くに美術館は造られている。

コンクリートに囲まれた城塞のような建物の中に入るとすぐには展示を見ることができない。
グルグルと迷路のような通路を進んでいくと漸くモネの部屋にたどり着く。
ここには超大作のモネの睡蓮の作品など数点が展示されている。
現代美術に囲まれている直島にあって印象派の作品に出会うと少し違った感覚に襲われるから不思議だ。
隣の部屋にはジェームス・タレルの光の作品。
ここはもろ現代美術。
光に吸い込まれるような空間が展開される。
そこからまた迷子になりそうになりながらウォルタ・デ・マリアの部屋にたどり着く。
巨大な黒御影の球体と黄金色の三本の柱が屹立する作品がいくつも整然と置かれていて、教会のような空間に入った錯覚を覚える。
さあ次はと思ったらこれで終わり。
殆どは安藤忠雄の建物を見学に来たようで拍子抜け。

またバスに乗り、次はリウーハン美術館。
リウーハンのもの派の真髄とも言える石と鉄板による作品が再制作され屋外に展示されている。
中にもポツンと自然石が置かれ、まるで禅寺のようだ。
絵画作品の部屋にはフロムライン、フロムポイントなどの代表作が飾られ、東洋の精神性の表現を目指したリウーハンの意図が伺われる。
ここもあっという間の展示で、わざわざ来たにしてはあっけなさすぎる。
ここも安藤忠雄作品鑑賞の印象が強い。
自然と共生とうたうわりには硬質なコンクリートの建物に違和感があって、 もっと木材など自然にマッチする隈研吾のようなデザインの方が良かったのではと思うのは私だけだろうか。

雨も強くなり、ここでアートツアーを終えて、昨夜食事をしたベネッセミュージアムでもう一度展示作品を見てからベネッセハウスに戻り狭い部屋でゴロゴロして過ごした。
雨男では仕方がない。


2月28日 直島

直島のベネッセハウスに来ている。
日曜日に岡山で親戚の結婚式があって、その前にとやってきた。
飛行機で岡山空港へ、空港からタクシーで30分ほどで岡山駅、そこからバスで1時間ちょっとかけて宇野港へ、そこから小型船に乗ってようやく直島に到着。
そこから迎えの車でベネッセハウスへやっとたどり着いた。
こんなに遠いとは思わなかった。
着いて早々にまた車に乗ってベネッセミュージアに行き、そこのレストランで夕食。
建物が点在していて年寄りにはきつい。

ミュージアムの中も迷路のようで、レストランにたどり着くのもやっとのこと。
なんとも不便である。
安藤忠雄の設計がそうさせるのだろう。

展示も階段を上がったり下ったり、照明もわざと暗くしていて、杉本博司の写真など真っ黒にしか見えない。
安藤忠雄さん自分勝手すぎませんか。
ただ展示されている作品は見応えがあり、食事の後あっち行ったりこち行ったりだったが、まあ楽しむことはできた。

柳幸典、杉本博司、宮島達夫、ナウマン、クリネス、ホックニー、シャピロ、ボロフスキー、ロング、リヒター、セザール、 バートレット、ジャコメッティ、チャンシャオガン、パクソボーなどなど内外の現代美術が展示されている。

屋外にはニキドサンファール、アペル、草間のカボチャなどが置かれている。

見終わり部屋に入ると,値段の割にはビジネスホテルみたいで、部屋も狭くクローゼットもない。
文句たらたらだが料理が美味しかったのと展示が良かったので我慢する。

明日は地中美術館、リウーハン美術館などに行ってみようと思っている。
ただ予報は雨、美術館以外にも見所がいくつかあるが、寒さと雨の中果たして回ってこれるだろうか。



2月27日 コロナウイルス

台湾から帰国後、喉の痛みをなんとか凌いでいたが、画廊で馴染みのお客様とよせばいいのに喋り過ぎて、また喉を痛めてしまい、 一昨日からは熱が出て、昨日今日と画廊を休んでいる。

明日から岡山で親戚の結婚式があり、ついでに直島の美術館を見てこようと思っていて、何とか治さなくてはいけない。

コロナが蔓延していて、こんなご時世に私も周りに風邪を引いたとは言えず、医者に行くのも大した風邪でもないのに行くのは迷惑だろうし、家でじっとしている。

暇なので、テレビを見ると、どこもコロナ一色で、コロナにかかった人はさぞかし肩身が狭いだろう。
マスクの取り合いで、横浜では取っ組み合いの喧嘩をしているニュースも流れていて、なんとも浅ましいことで情けなくなる。

ただマスクは確かにどこも売っていない。
台湾では多くの差し入れをいただいたが、そのなかには大量のマスクが入っていて、台湾でもマスクは何よりの贈り物になっているようだ。
帰国の前の晩には、お世話になっているお客様から漢方の喉の飲み薬をいただいた。
早速その場で飲むことにしたが、喉に染み渡るようで、翌日にはまったく出なかった声が出るようになったからびっくり。
お客様に薬のお陰で声が出るようになりましたとメールをすると、翌日スタッフにその飲み薬を4本また持ってきてくれたという。
台湾のお客様はこの方に限らず、そのもてなしは尋常ではない。
いつも恐縮ばかりしていて、日本ではこれほどのことはとてもできない。
と思っていたら、留守中の画廊にも遠方からお越しいただいたお客様が、 これまた大量のマスクと消毒液をお土産に持ってきていただき、この時節何よりのことと感謝している。

コロナの影響であちこちとイベントが中止になり、私が入っているロータリクラブも創立63年にして初めて毎週行われる例会が3月いっぱい休会となり、 その後も様子を見ようとなった。

そんなこともあって、私が幹事を務めることになっている高校のクラス会も4月に入ってからなのだが、延期にすることにした。
過剰反応というクラスメイトもいるが、みんな73、4歳の高齢者ばかりである。
これが最後のクラス会ならともかく、転ばぬ先の杖、用心に越したことはない。

どちらにしてもこの騒ぎ1日も早く収束してもらいたいものだ。


2月23日 帰国

今朝早くの飛行機で帰国。

展覧会2日目だが、今日も長い行列が。
昨日よりは並び屋は少なくなったとの報告があった。
2回に分けて行われるサイン会も盛況のようだ。
混雑を避けて別会場でやることになったみたいだ。

帰ってきて改めて思うことは、10年足らずの異国の若いアーティストに何故台湾の人たちは熱狂するのだろうか。

作品の魅力もあるだろう。
奈良美智の再来という人もいる。
彼女の容貌が可愛く、作品の顔もそっくりなところが魅力という人もいる。
オークションで高値がついているからという人もいる。
台湾の人は概ね木彫の立体好きが多いということもあるだろう。

それにしてもわからない。
これだけの若いアーティストに長い行列が連日続くとは。
それも日本の美術館のようにただ見に行く人が並ぶわけではない。

ここに並ぶ人はほとんどが彼女のフィギュアが欲しくて来る人達である。
もちろんオリジナルを欲しい人もいる。
フィギュアは手が出ないが、アートグッズを欲しい人もいる。
フィギュアは今回の価格は20万円となっていて、若い人にとってはかなり高額な買い物である。
どちらにしても並び屋さんを除いて全て買いに来る人ばかりである。

この先一体どうなるのだろうか。
いつまで人気が続くか怖い気もする。

人気絶頂時代の手塚治虫がいつか売れなくなるのではないかと不安がっていたという話を聞いたことがある。
テレビで引っ張りだこだった一発芸人が次々と消えていくことも知っている。

スランプもあるだろう、マンネリとなることもあるだろう、慢心もあるだろう。
それを乗り越えてこそ本来のアーティストになれるし、そうあって欲しいといまの人気を見てつくづくと思う。

私は他の作家さんもそうだが、どんな時も支え続けていくことに変わりはない。


2月22日 一般公開

さていよいよ一般公開で、これもどれだけの人がき来てくれるか不安だったのだが。

行ってみると入口から長い行列が出来ている。
朝4時から並び始めたそうだ。
延々と続き、建物を取り囲み、さらには駐車場には二重に行列が出来ている。

3年前の東京のアートフェアで200人もの長い行列が出来たことがあったが、それの比ではない。
今日からは有料入場で、チケットはネットやコンビニ、モンスター台北で当日指定のチケットを毎日発売することになっているのだが、 毎日瞬時に売り切れたそうで、コロナ騒ぎがなければ、相当な人がくるとは想像はしていたが騒ぎを物ともせずこれだけの人が来るとは予想だにしなかった。

あまりの多さに30人づつ入場してもらうことにしたが、7時の終了時までに入ることができるかどうか心配になってきた。

いよいよ入場となったが、怪しげなおばさん軍団が次々と入ってきて、作品を見ることなく一目散に出口の手前にあるアートグッズの売り場と、 グッズを買った人だけがフィギュア購入の抽選ができる所に並び始めるではないか。

展示場には数えるほどの人しかおらず、他は出口に向かいずらっと並んでいる。
おばさん軍団は並び屋と言われ、ダフ屋に雇われて早くから並んでいる人たちである。

これだけの準備と展示に時間を割いて来ただけに、こんな不逞の輩に展覧会を踏みにじられていると思うと、腹が立つというよりは悲しみが増し、悔しくて涙が出そうになった。
作品を制作してきた中村萌と、その作品を愛し早くから訪れてくれる人たちの心を踏みにじる行為である。

それでも入場券を手にしているのだから仕方がない。
出口のすぐそばでは、図々しくも元締めがおばさん軍団にお金を払っているではないか。
後で分かったことだが、今日は180人の並び屋を雇っていて、月曜日には200人を並ばせるとネット上で豪語している。
堂々とこういうことを言うとは、我々を嘲笑い、挑戦状を突きつけているとしか思えない。
ネット上に載っていることを何人ものお客様が知らせてくれた。
こうした人達を排除すべく、主催者のモンスター台北の黄氏が知恵を絞って考えた挙句の方法がこれである。
入場券を買った上で、グッズを購入し、その上で身分証明書を提示して初めて抽選券を手にすることができるとしている。
抽選に当たった人がフィギュアを取りにきた時は、身分証明書を照合した上でしか渡さないことになっていて、これでなりすましを防げるはずなのだが。
それでもこうしてやってくるのだから始末におえない。

防ぎようがないのだろうか。
うちで昨年個展をした時には、フィギュアの販売に関しては私どものお客様だけにしか売らないと公言していたので、そうした輩は一人も来ずに済んだが、 不特定多数のお客様を対象としたトイショウを主催するモンスター台北ではそうもいかないのだろうか。

次からは一考してもらいたい。

こうした並び屋がほぼいなくなると、次からは熱心に見てくる人たちで、長い間文句も言わずに整然と並んでくださったことには頭が下がる思いである。

結局、雨が降ってきたり、気温も下がってくる中、終了の7時まで行列が途切れることはなかった。

終わって今日の割り当て10点のフィギュアの抽選をすることに。
公明正大ということで、出口を出たところの皆さんが見ているところで、黄氏と中村萌がいっぱいになっている投票箱の中から10枚の投票用紙を選んだ。

見守っている人の多くは並び屋の元締め達だったが、表情を見ていると今日はダフ屋には当たらなかったようでホッとしている。
明日の朝には帰京するが、今日のようなことが続くのだろうか心配だが、展覧会が成功裡に終わることを願うばかりである。





2月21日A 開幕

会場に行くと既にお客様の多くが中に入っていて、2時からはプレスだけのはずだったのだが。

入り口には贈られた花が並び、展示場に入る通路の壁には、美術評論家や中華圏で大人気の歌手で萌の熱狂的なファンでもあるJJリンのコメントや中村萌の言葉、 プロフィールなどが大きく貼られている。

会場内は華やかに作品群が並んでいて、これほどの作品を一堂に見ることができない日本のファンの人たちは地団駄を踏んで悔しがることだろう。
それでも何人かの日本のコレクターもコロナ騒ぎの中を来ていただいていてありがたいことである。

レセプションはモンスター台北の代表黄氏の挨拶に続き、中村萌、私、同行した中村の父親、 台湾コレクターで私どもの作家も多数コレクションしているF氏の挨拶と続き、終わる8時まで中村作品を皆さんに十分に堪能していただき、 皆さん口を揃えて素晴らしい展示とおっしゃっていただいた。

お客様が来ないのではとの不安はどうやら杞憂に終わったようだ。







2月21日@ コレクション

いよいよ今日2時よりプレスプレビュー、5時半よりオープニングレセプションが始まる。

その前に台湾の著名なコレクターのJ氏からお誘いを受け、ビルの一室にあるコレクションルームを見せていただく。

部屋に入ってびっくり。
まずは名和晃平の大きな虎が目に飛び込んでくる。
大きな部屋に向かう廊下には、これまた2、3メーターはあるだろう巨大な立体作品や絵画が所狭しと飾られている。
部屋は二部屋あり、私の画廊の2倍はあるだろうか、その大きなスペースにこれまた巨大な名和の鹿の立体をはじめとして台湾、中国の著名作家の大作が並び、ただただ圧倒される。
さらに驚きは巨大なドイツ製のスピーカーを備えるオーディオ装置が置かれていて、ここから流れる臨場感あふれる音楽を聴きながら、ご自分のコレクションを眺める時は、 さぞかし至福のひと時であろう。

J氏からいくつもの中村萌作品をお借りしているが、こうした作品群の中に彼女の作品が飾られていることは、この上ない光栄なことである。

更に奥の扉を開けるとストックスペースとなっていて、ここだけでもうちの画廊くらいある。
そこにもぎっしりと作品が置かれているが、これも大作がほとんどでどれだけ持っているのか呆れるばかりである。
足元に草間の作品が転がっていて、思わず蹴飛ばしそうになったくらいである。

終えて、昼食をミシュラン二つ星のレストランでご馳走になる。

昼からフルコースで毎度のことだが、食べきれないほどの料理が次から次へと出てきて、 会場に行く前に満腹で動けそうになく、このまま昼寝をしたくなる。

J氏夫妻の車と親友のこれまたJ氏の車で会場に向かう。
因みにJ氏の車はマセラッティーである。



2月20日A 展示準備

いよいよ明日から中村萌の海外での初個展が始まる。

主催をしてくれるモンスター台北の代表黄氏が綿密の計画を練ってくれたおかげで素晴らしい展覧会になりそうだ。

中村萌は彼女の友人のデザイナー二人とともに、2ヶ月前に会場に向かい、会場デザインと展示プランを練り上げ、 それをもとに設営準備が進められ、画集やトートバック、大判ポストカード、ピンバッジ、ポスターとアートグッズの制作も何とか間に合い、初日を迎えることとなった。

ただ、今回紹介するフィギュア2種類は香港で制作していているのだが、コロナウイルスの影響で物流が止まっており、こちらは見本だけの展示となった。

展示作品は全て台湾のお客様からお借りし、木彫、油彩、ドローイングなど10年間に制作した作品77点が飾られる。
これだけの点数が一同に揃うことは初めてのことであり、広い会場があってこそである。

100年前にできた日本の酒造工場の建物をそのままに、市が文化エリアとしてリノベーションし、 レトロな雰囲気を残したままに、映画館、ライブハウス、カフェ、レストラン、ショップ、展示場などが並ぶ、華山文化創園区と呼ばれる文化ゾーンに生まれ変わった。

この中心にある建物を会場として使うことになり、高い天井とすすけた壁のある空間をパーテションで囲み、もったいないくらいの展示会場が出来上がった。

私は夜遅く台北に着いたので、写真でしか展示場を見ておらず、どんな具合に出来上がっているかの期待感とコロナウイルスで果たしてお客様がきてくれるかどうかの不安感で、 どうやら今夜は眠れそうにない。



2月20日@ 台北出発

中村萌の展覧会オープニングレセプションの開催に合わせて、午後6時の飛行機で台北に出発。
コロナウイルスの影響なのか夕方の時間帯ということもあるのか、空港内はいつもと比べてかなり人が少なくなっている。
マスクをして、花粉症用の眼鏡をかけ、手袋もして準備万端なのだが、肝心の本人が昨日から喉が腫れ、微熱もあるようだ。
台北の空港の検疫で引っかからないか少し心配。
大したことはないと思うが、先発したスタッフも体調を崩しているようで、台北の気温が低くて寒さと展示準備の疲れもあるのだろう。
薬を用意して持っていくことにする。
日本人二人がゴホゴホやっていては何とも格好がつかない。
明日からは台北も暖かくなりそうなので、気合で治さなくてはいけない。

2月18日 高坂和子展

嬉しい便りが届いた。

2001年に高坂和子さんの展覧会を開催したが、作家のお嬢さんから手紙が届いた。
高坂さんは81歳で亡くなって14年余りが経ち、この度、釧路芸術館で所蔵品14点が一般公開になるというお知らせで、リーフレットが同封されていた。

長くなるが、高坂さんとの出会いは、当時放映されていた日本テレビ「美の世界」のディレクターの紹介であった。
テレビで流れた映像は見ていなかったが、そのディレクターが素晴らしい作家なのでぜひ見て欲しいと言ってきた。
聞くと、70歳になる作家で50歳になって独学で勉強したそうで、根室に住んでいるという。
是非見て欲しいと言われても、遠い根室まで出かけるのは躊躇われるし、ましてや70歳のアマチュア作家である。

体良くお断りしたのだが、その後も熱心に言ってこられ、更には札幌にある道立美術館の学芸員からも機会があれば一度見て欲しいとの手紙が届いた。

皆さん熱心に言ってこられるのだが、それほどの関心もなく日が過ぎて行った。

そうこうしているうちに高坂さんから手紙が届いた。
道立美術館と釧路芸術館で作品が展示されているので、よければ見ていただけないかと書いてある。
見て、駄目なら札幌もしくは釧路で引き返してもらっていいが、もし目に止まるようなら根室に来て、他の作品も見てもらえないかとのことであった。

その熱心さに絆されたというか、実は私の趣味の一つに野鳥観察があり、丁度釧路雪原に丹頂鶴が飛来しているとのニュースが耳に入り、 観察を兼ねて行ってみるかと重い腰をあげた次第である。

広い北海道を一泊二日で札幌、釧路、根室と廻るのだから、後から考えると無謀な日程だったのだが。
まずは札幌で作品を見てみる。
単なる野草を描く写実画とたかを括っていたのだが、とんでもなかった。
野に咲く花の一部を切り取り、その情景を描いているのだが、その花、その草がまるで目の前で咲き広がっているように生き生きと描かれているではないか。

年寄りのアマチュア作家とみくびっていたのが恥ずかしいくらい、そこには草花の息吹が、差し込む光が、作者の野花を見る喜びが描かれている。

引き返すどころか、直ぐに列車に飛び乗り釧路に向かった。
だが、釧路は既に暮れかかっており、着いたときには美術館の閉館時間はとっくに過ぎていた。

裏口から、ここへ来た経緯を話すと、親切にも入館が許され、一人美術館で高坂の作品を鑑賞することになった。
全て大作で、他の著名な作家の作品を圧倒していた。

翌朝早く、列車で根室に向かう。
釧路から乗ってきた高校生達が途中で下車すると、乗客は私一人、単線でのんびりと運転手さんと話をしているうちに根室に着いた。
漁師町で、通りには人も少なく、何とも寂しい最果ての町に来たようであった。

高坂さんはその町で文房具屋をやりながら絵を描いていた。
家に上がると、年相応の高坂さんがいて、作品が並べられている。
どこにそんなエネルギーが潜んでいるのか不思議なくらいに大作が並んでいる。
短い春に一斉に芽吹く草花を愛しむように描いているのだという。

美術館同様に作品に目を奪われた。
私は今もそうだが、当時から若手作家の企画をしていて、70歳の作家さんのアトリエを訪ねるのは初めてと言うと、 私は50から絵を描き始めたので、まだ20歳ですよと言われてしまった。

ディレクターや学芸員が推す意味がこの2日間でよくわかった。
それが2001年の個展に繋がり、美術館にも収めることにもなったのだが。

結局丹頂鶴は見ることはできなかったが、高坂さんという稀有な作家に出会うことになったのである。

久しぶりに高坂さんの絵を見に釧路に行こうと思っている。

リーフレットより
根室の路傍に息づく草花を愛おしみ、描き、風に揺れるすがたに、自らの心の光と影まで託した画家、高坂和子(1924-2005)


2月17日 台北

2月22日から始まる中村萌展の準備で中村萌、スタッフの島田は一足先に台北入り、

既に主催するモンスター台北では会場の設営が始まっている。
島田は運送業者とともに今回借りることになっている作品の集荷で飛び回っていて、今日は台南のお客様のところに朝早くから向かっている。

コロナウイルスが心配されるが、今のところ日本よりは台湾の方が安全のようだ。
 それでも万全を期して、会場入り口ではアルコール消毒、マスク着用を義務付け、体温測定の機械も設置することになっている。

一般公開に先立って、21日はメデイアへの公開、夕方からはご招待のお客様にお越しいただき、レセプションを予定している。
フィギュア作品は主催するモンスター台北の意向で、会場に入場した人で、グッズを購入した人だけが抽選に参加できるということになった。
混乱と転売をできるだけ防止するためなのだが、それでも誰にでもチャンスがあるということでこのような方法を取ることになったようだ。
多くのお客様から予約の問い合わせが来ているが、悪しからずご理解をいただきご了承のほどよろしくお願いをしたい。

チケットは先行販売は完売しており、後はネット販売、コンビニもしくはモンスター台北にて購入することになっていて、当日売りはないのでご注意いただきたい。


2月14日 画集

台北の文化創園区で21日から開催される中村萌個展に合わせて画集が発刊されることになった。
スタッフの島田が頑張ってくれたおかげで糸綴じの素敵な画集となった。
帯と表紙もうまくマッチングされていて、島田とデザイナーの工夫の跡がうかがえる。

手に持ちやすく、難しいコメントもなく、中村萌の作品に対する思いがインタビューの形で述べられているくらいで、後は画像をメーンにこの10年を振り返ることができる。

併せて3種類のトートバッグも出来上がってきた。
他にも大判のカードやピンバッジなどグッズ類も販売されることになっている。

また新作のフィギュアも2種類紹介する予定だが、香港で制作していて、コロナウイルス騒ぎで果たして会期に間に合うかどうか気を揉んでいる。

画集のサイン会やフィギュアの抽選も予定されているが、衛生管理をしっかりして、来ていただくお客様の健康に留意しなくてはいけない。

滞りなく展覧会が行われることを願うばかりである。


2月13日 印象記

紋谷幹男氏の北村展、門倉展の印象記を紹介します。
いつもありがとうございます。

北村奈津子展

展覧会タイトルは、ー夢ばっかみてるー。

筆者も含めて、人は「夢ばっかみて」います。
※と、勝手に想像しています。
現実を見ることと、夢を見ることは
生きることの表裏のようです。

夢を見ることで見えたことを現実にしてゆくことが
人生ならば、
アートは、
夢を見ることで見えたことを作品にしてしまいます。

もちろん、作家の夢は、
体表に動物をくっ付けて生活することではなく、
夢がこのように見えてきたのでしょう。

飄々としていて、優しくて、
皆が踊り、歌っています。

見えてきたことを作ってみたら、
ああ、これが夢だったんだと、気付く。
そんな印象でした。

門倉直子展

展覧会タイトルは、ー世界は色付き私は透明になるー。

綿布に油彩で描かれた女性像。
目が見る側の感覚を揺さぶります。

ポートレートとは異なり、
特定のモデルの特長を捉えたのではなく、
何枚も描いているうちに、
女性の現実が、
少しずつ姿を変えて現れ出てきたようです。

一見イラスト的ですが、
メッセージ性はなく、
筆のタッチの覚悟には、
やり直しが効かない絵画性に満ちています。

かすかな感情は、
日常の中で消え失せますが、
画面の臨場感がそれを留めている。
そんな印象でした。


2月12日 京橋界隈

1980年から1992年の間、京橋にあってヨゼフ・ボイス、イミ・クネーベル、トニー・クラッグ、ハミッシュ・フルトン、ダニエル・ビュランなど ヨーロッパの現代美術をいち早く取り上げ、その後八重洲に移転し、版画家・藤巻義夫の情報収集に没頭する傍ら、130の展覧会を企画し、 「ひとこと」と題する案内を兼ねた一枚の書簡を送り、展覧会を重ねてきた画廊「KARANSHAかんらん舎」 がこの2月をもって閉廊することになった。

この界隈ではちょっと知られた名物画廊で、小さなスペースであったが、独自の視点で企画を続け、画廊主である大谷氏の奔放だがどこか人を惹きつける魅力もあって、 多くの好事家に愛される画廊であっただけに、閉廊の知らせに一抹の寂しさを禁じ得ない。

私が京橋に画廊開いて36年が経つが、その当時京橋にあった画廊も閉めたり、移転をしたりで、だいぶ様変わりしてきた。
当時は銀座が画廊の中心だったが、京橋にも個性的な画廊が集まり出したこともあって、私の提唱で「京橋界隈」と銘打って、 京橋周辺にある11の画廊が同時に展覧会を開催して、京橋を新たなアートエリアにとの意気込みで、共同イベントを始めることになった。

その11の画廊も4軒がなくなり、3軒が移転をして、今は4軒しか残っていない。
「京橋界隈」もその後画廊の入れ替わりはあったが、2014年の20回を最後に終わりを迎えた。

かんらん舎の閉廊も画廊主の高齢化という抗しがたい事情があり、私も他人事ではなくなってきた。
今残っている4軒のうち3軒も後継者がおらず、そんな中にあって、なんとか私は最後までこの地にしがみついていたいと思っている。

2月10日A 中村萌個展開催決定

2月22日から開催予定の台北での中村萌個展は予定通り開催することにいたしました。
主催するモンスター台北と今回の肺炎騒ぎで開催について慎重に協議を重ねてまいりましたが、今夜正式に開催することをを決定いたしました。
多くの台湾のファンが待ち望んでいることでもあり、中村萌も是非やりたいとの思いも汲んで、万全の態勢で実施することにいたします。
台湾への入国禁止となっている中国や香港の方には今回は残念ですが、次の機会に是非見ていただきたいと願うと同時に、一日も早く新型肺炎が終息し、 皆さんの息災を心より祈っております。
台湾や日本から来られる方達とは会場でお目にかかれるのを楽しみにいたしております。

ギャラリー椿 椿原弘也


2月10日 台湾から帰国

台湾から帰ってきた。

留守中、北村、門倉のどちらの展覧会も好評のようで、多くの作品が売約となっていて、こんな時期だけに大変ありがたいことである。
特に嬉しかったのは、外出することもできない武漢のお客様の依頼で送った門倉作品の画像から数点を選んで購入してくださったことだ。

東北の震災の時に一旦揺れる画廊から避難したお客様が、また画廊に戻り、作品を購入していただいたことを思い出す。

台南の展覧会でも、こんな最中に台湾各地から多くのお客様に来ていただき、誰も来ないのではとの心配は杞憂に終わった。

2月22日からの中村萌個展も台湾の方から多くの励ましの言葉をいただき実施することになった。
アートの底力を実感している。

2月7日A 松川栞個展

いよいよ個展が始まる。
まずは画像を見てもらいながら作品の繊細さや遠近法について解説する。
その解説を聞いた上で作品を見てもらうと、よりその凄さを感じ取ってもらえる。

画廊には予想以上に多くの人にお越しいただき、台北、台中、台南、高雄から私どもがお世話になっているコレクター、画廊の方もお見えになり、順調な滑り出しとなった。
皆さんは21日からの台北での中村萌展にもお見えいただくことになっていて、ありがたいことである。

終えて、ダーフォンギャラリーのご招待で、コレクターの方達とともに台南の有名な料理店に行き、自慢の蟹おこわを始め次々と出てくる料理をご馳走になった。
韓国そうだがとにかく料理の数が多く、日本人にはとても食べきれない。

ダーフォンギャラリーの陳さんには毎度のことながら、展覧会でお世話になった上に、毎日の食事、ホテル、ゴルフ、空港への送り迎え、 その上お土産までいただくという上げ膳据え膳のご接待にはただただ頭が下がるばかりである。

感謝しても感謝しきれないが、何のお返しもできずに明日早朝の便で帰国。
せめて展覧会の成果が上がることで報いることができればと思っている。

ダーフォンギャラリーありがとう、コレクターやスタッフ、通訳の皆さんありがとう、台南謝謝。
再見‼️





2月7日 林百貨店

ホテルから画廊に向かう途中にレトロな建物の林百貨店で松川のお土産探しに付き合う。

この百貨店は昭和7年日本統治時代に日本人の林氏によってハヤシ百貨店として開業。
終戦後は百貨店は廃業となり、2014年にリニューアルして林百貨店としてオープンしたそうだ。

台南にはこうした統治時代のレトロな建物がたくさん残っている。



2月6日A ゴルフ

昼からはゴルフへ。

私が3年前に河口湖のゴルフ場に招待をしたことがあって、そのお返しゴルフで、その時のメンバーのダーフォンギャラリーの陳さんと高校時代の友人二人、 それと河口湖でもそうだったが通訳の女性が付いてくれる。

この女性は大原千広さんと言う日本人で、とてもチャーミングな女性。
台湾に10年いて中国語も堪能で、台南の大学で非常勤講師をしているそうだ。

この女性がうちで個展続ける横田尚に瓜二つ、これほど似ている人がいるのかと思うくらいで、なんとも不思議な気がする。
一度二人を対面させたい。

ゴルフは天候に恵まれ、半袖で十分で、日本はこの冬一番の寒さになっていると聞いていて、こちらでポカポカ陽気の中ゴルフを楽しめるのはありがたいことである。

クラブも用意してくれていて、慣れないクラブで不安もあったが、まずまずのスコアーで回ることができた。

ゴルフ場も台南では一番の名門ゴルフ場とのことで、キャディーさんも2人ついて、スコアーの記入から何から何まで全部やってくれる殿様ゴルフであった。

お友達の1人がフランスのゴルフウエアーの縫製工場をやっていて、ゴルフ場の中にもブティックを持っていて、そこでウエアーと帽子をプレゼントしてくれることに。
すっかりお世話になり、ただただ感謝である。

展示を終えた松川と合流し、夜はこれまた美味しい魚料理をご馳走になる。
すっかり観光気分だが、明日からいよいよ本番の個展が始まる。

小箱の中に遠近法を使ったミニュチュア世界を展開する松川の作品が、台南の人に受け入れてくれることを期待したい。



2月6日 散策

宿泊先のホテルを改めて回ってみる。

図書館のように本が置かれていて、3階にはラウンジのようなスペースがあり、そこでゆったりとお茶を飲んだり、本を読むスペースがある。

朝食もどのホテルにもあるようなビュッフェスタイルでなく、ワンプレートでクラブサンドやバーガー、サンドイッチといった数種類の中から選んでオーダーする。

ホテルの周辺も散策してみる。
台南美術館、孔子廟、市場、日本の統治時代の気象台などがホテルからダーフォンギャラリーに行く間にあって、古い街並みや寺院もあり、この界隈だけで台南観光が十分に味わえる。

高層ビルはなく、新旧が混在する不思議な街である。

街を歩いているとほとんどの人がマスクをしていない。
台北のモンスター台北の社長からだいぶ驚かされたが、台南では肺炎騒ぎとは無縁のようだ。
但し、マスクを買うには制限があるそうだが。

日本ではクルーズ船から多くの感染者が出たとのニュースもあり大変なことになっているようだ。
私どもも4月に予定していた中国7都市を巡る展覧会も延期することにした。
3月開催予定のアジア最大のアートフェア・香港バーゼルも中止となったようだ。

このまま台南にいた方が無難なのかもしれない。





2月5日A ランタン祭り

台南に到着。

用意してくれたホテルはお洒落なデザイナーズホテル。
すぐ目の前には昨年オープンしたばかりの台南美術館。
日本の建築家坂茂氏デザインによるキュービックでモダンな建築で古い街並みの中で一際目立っている。

チェクインして夕食へ。
居酒屋風の焼き魚と書いてあるお店へ。
新鮮な魚が売りのダーフォンギャラリーオーナーの陳さんお気に入りのお店だそうでどれも美味しい。

お店の前の通りは小正月でランタンが通りに連なっている。
すぐそばに屋台があり、台南ならではのお菓子が売っている。

松川は明日展示の準備をし、私はゴルフへ。



2月5日 台南

台南のダーフォンギャラリーで7日から松川栞の個展が開催されることになり、松川と共に台南へ向かう。
成田から高雄行きだが、初めて格安航空に乗ることに。
行きはタイガーエアー、帰りはピーチ航空。
座席が狭いみたいで、73歳にはきついかな。

台湾も新型肺炎騒ぎで大変みたいだ。
去年の8月から中国は香港の二の舞を警戒して,個人の台湾渡航を禁止していると聞いていて大したことはないと思っていたが、 20日から中村萌の個展を主催するモンスター台北の黄社長が防塵マスクとゴーグルをつけてくるようにと言ってきて、ちょっと不安。
とりあえず、スタッフが花粉症用の眼鏡を買ってきてくれた。

展覧会前日の明日はダーフォンギャラリーのオーナー陳さんの招待でゴルフをすることに。
以前から誘われていたが、ようやく実現。
荷物になるので、向こうでクラブは借りることに。

弘法筆を選ばず。 松川にとっては初の海外での個展だが、いい結果を期待したい。

1月31日A 門倉直子展

GT2 では今どきの若い女性を描写する門倉直子展も明日から開催となる。
従来の表現から色彩を削ぎ落とし、墨絵のような表現に変化した。
タッチも荒々しく、絵に凄みが出てきたようだ。
沸くように描いたようで、全てはとても飾りきれない。
展示以外の作品は手にとってご覧いただきたい。



1月31日 北村奈津子展

今回の個展のタイトルは「夢ばっかみてる」である。

北村の作品にはいつも多くの小動物や鳥が出てくる。
その動物達や鳥との微笑ましい触れ合いがテーマになることが多い。

人が夢を見ているのだろうか。
多くの動物がのんびり寝ている人の上に同じようにまとわりついて夢を見ている。
何とものどかでゆったりした情景である。

飼い主と犬や猫が戯れあっている。
Nice Guyはたくさんの動物達が体にまとわりつく愛すべき人物なのだろう。
もしかするとモテ期なのかもしれない。

時には激しい動物の愛が身体を貫く。
鳥の団地もある。
ご機嫌な大根たちも会場に鎮座する。

楽しくもユーモラスな情景が展開される。
肺炎騒ぎですさんだ心を癒しにきませんか。





1月29日 中国展

新型肺炎が中国で猛威を振るっている。
日本を始め諸外国にも感染は広がり、不安はつのるばかりである。

4月から7月にかけて中国7都市で私どもの作家30名による展覧会が予定されていて、果たして実施できるのか心配になってきた。
参加を予定している作家さん達も動揺しているに違いない。

恐らく発表される中国の感染者や死者はそんな数字ではないと思っている。
そんな時にのこのこ出かけて行って、展覧会ををやっていいものか、それどころではない状況なのに決まったことだから展覧会は計画通りにやって欲しいとはとても言えない。

今日も中国側と連絡を取り、無理なようなら延期もしくは中止もやむを得ないと伝えてある。

ただ私の考えは正直なところ真逆なことを考えている。
こういう時だからこそ迷惑でなければ展覧会を本当はやりたいと思っている。
アートの力がどのくらいあるかは知らないが、不安に慄き身を竦める人がいるならば、展覧会を開き中国の人たちに見てもらい、 少しでも癒しになったり、勇気付けることができるならと思う。

神戸の震災の時に避難所に行って歌を歌い続ける人がいたそうだ。
こんな時に何だと思う人もいたそうだが、だんだんと人が集まりじっと歌声に耳を傾ける人たちが増えていったという。
物資を送ったりボランティアで被災地で復旧に手助けをする人もいるが、音楽が被災者の人たちの救いになっていることを知った。

原発事故の風評で疎開先でいじめにあったり、海外で福島の野菜や魚の輸入を禁止した国も多い。
もう少し被災地や被災者の身になって考えたらどうなのかと思ったものである。

中国の人たちを避けるのではなく、寄り添うことも大事ではないかと私は思う。
参加者が減っても私はできれば展覧会をやりたいと思っている。

中国の関係者にもその思いは伝えてある。

1月28日 SEVEN ARTISTS

名古屋松坂屋美術館で1月25日から2月16日まで開催されている「SEVEN ARTISTS」に、私どもや不忍画廊で発表を重ねる呉亜沙が参加した。
佐藤美術館の立島恵氏による監修のもと、現代アートシーンの最前線をいく岩田壮平、入江明日香、山本大貴など若手七人による夢の競演と謳った展覧会でそれぞれが大作を出品していて、 私のところのお客様からお借りした2点の大作も展示されている。



1月24日 中村萌個展

年末から再々ご案内しているが、中村萌の台北での個展の案内や新作フィギュア、雑誌の記事などが次々に主催をするモンスター台北からFBなどで紹介された。

紹介と同時に多くの問い合わせがわたしどもに来ているが、全てモンスター台北に問い合わせるようにお願いをしている。
入場チケットも毎日ネットで限定販売されていて、即日完売のようだが、日が変われば購入できるようなので安心していただきたい。

彫刻、絵画合わせて60点の展示の予定で、全て台湾の客様からお借りして展示をする。
酒造工場跡地の会場は大きく、中村の友人のデザイナー達の手で素敵な空間になるはずで、さらには会場で中村のドキュメンタリー映像も上映され、 来場者がより楽しめる空間になっている。

オリジナル作品は非売だが、画集、トートバッグ、ピンバッジなどのアートグッズとともにに新作フィギュアも販売されることになっている。

こちらの購入についても混乱が予想されるので、私どもではなくモンスター台北に問い合わせていただきたい。

2月22日から3月8日まで開催されるので、台北まで行ってみたいと思われる方は是非のお越しをお待ちしている。




1月22日 クレパス画展

3年前になるだろうか画材メーカーのサクラクレパスの依頼で、製品のクレパスを使って描くクレパス展の依頼が来た。
この時は女性作家だけということで、10人ほどの私どもの作家を紹介させていただき、小磯良平や岡鹿之介、林武、梅原龍三郎、宮本三郎、三岸節子、 山口薫、岡本太郎、猪熊弦一郎、吉原治良など著名作家のクレパス画と共に堀込幸枝、富田有紀子、服部知佳などが、大阪本社にあるサクラミュージアム、 サクラクレパスの創業者が創立した鳥取にある日南町美術館にコレクションとして展示されている。

今回もまた出品の依頼が来て、今回は女性に限らないということで、私どもから20人の作家を紹介し、クレパス画を発表してもらうことにしている。
世界的にはオイルクレパスと呼ばれているが、同社が最初に開発したことでクレパスと命名して商標登録され、会社の名前にもなっている。

パステルの色彩の美しさと、クレヨンの定着性の特性を生かした画材で子供からプロまで使われている画材である。

会期は9月から12月にかけてで、大阪と鳥取のミュージアムで展示されることになっていて、まだ未定だが、東京でも展示される予定である。

1月17日 綿引明浩展印象記

年を越してしまったが、いつものごとく紋谷幹男氏が展覧会の印象記を送ってくださった。

暮れに送ってくださったのだが、うっかりしていて、今日ご紹介させていただく。
展覧会も好評で、小品を含めると100点を超える作品が売約となった。
皆様に感謝です。

展覧会タイトルは、ーNostalgia「寓話的風景」ー。

透明アクリル板の裏面から描く
オリジナル絵画技法「クリアグラフ」による平面、立体作品。

平面作品のモチーフは街で、
陶瓦が葺かれた切妻屋根の
小さな四角い窓がポツポツ空いた家や、
不思議な塔が、寄り添う、
中世ヨーロッパらしき集落です。
立体作品は、
その一画での出来事の様です。

この集落の日常は、
作家が創り出した歴史と生活、神話のなかで起こる、
夢で見たかのような
懐かしい幻想的な場面です。

不思議な時間が魅力的なら、
そこで彷徨うことも魅力的。
そんな印象でした。





写真:紋谷氏撮影

1月16日 松川栞

日テレNEXTクリエーターにて2月に台南のダーフォンギャラリーで個展を開催する松川栞が紹介されました。
奥行20pの木箱。のぞき穴をのぞくと、驚くほど精巧なミニチュアの世界が広がる、その名も「ワンダー・スケール」。 斜めに傾けたパーツを作る事で、遠近法により、小さな箱のなかで、奥行きを演出。さらに色づけでは、奥に行くほど徐々に薄くするなど、 より立体感をだす工夫を凝らしている。




1月15日

2月22日から3月8日まで中村萌の初の海外個展を、台北にて開催する運びとなりました。
台湾でコレクションされた作品約40点を一堂に集め、中村萌の今までの活動を振り返る展示となります。
会場は、台北中心部にある100年前の日本の酒造工場ををリノベーションした文化複合施設「華山1914文化創園区」となります。
会場では中村萌の画集やアートグッズが販売されます。
お越しをお待ちいたしております。

1月11日A 堀込幸枝個展

奥のスペースでは堀込幸枝個展。

何層にも塗り重ねられた強靭なマチエールは相変わらずなのだが、今回新たなオイルを使うことで透明感が増し、重ねられた色彩が重なり合って表出する独特の色感が浮き上がる。
テーマもビンやコップといった透明な物質を通して見える色彩から、作者が垣間見た情景を独自の形と色合いで切り取り表現するように変化してきた。
テーマや形は違えども美しい画面に変わりはない。



1月11日 ジャンポール・ブレ/西村陽平

西村陽平はだいぶ間が空いたが、私どもで何度か発表をしている作家で、陶芸家ではあるが土を焼くのではなく、 雑誌や辞書などを焼成したり、アルミ缶といった形のある物質を焼いて、新たな造形を作り出す型破りな陶芸家である。
ブレは西村の紹介で私どもではというより日本で初めての発表となる。
日本に憧れ、作品も日本的な情緒感を持った作風である。
木を彫り一見漆と思えるような色合いで多様な形を表現する。

二人の作品が見事に融合し、相互に補完する展示となった。




1月9日 仕事始め

今日から仕事始め。
長い休みを終え、気持ちを引き締め新たな一年に迎えることになる。

今年はオリンピック・パラリンピックイヤーでもあり、多くの海外からのお客様を迎えることになる。
私どもも海外の展示会に出るようになって20年になるだろうか。
海外のコレクターや画廊とのお付き合いも深まり、昨年は多くの取引が海外からの注文によるものだった。
また、海外から画廊を訪ねてくるお客様も多く、そのフットワークの良さは驚くばかりである。
こうした流れに対応すべく、昨年から画廊は免税店の手続きを進め、ようやく今日認可が下りるとの連絡があった。

もう10年位なるだろうか、画廊ではスタッフは毎週ネーティブの先生による英会話の勉強をしていて,日常の会話には困らなくなってきたようだ。
更には、昨年の9月には韓国出身のスタッフが入り、ニューヨーク大学の英語教育を専攻していたこともあって、韓国語はもちろん英語でのメールや翻訳、書類作り、 通訳など大いに役立ってくれている。
4月からは中国の7都市を巡る展覧会があり、今まで以上に中国、台湾、香港のお客様が多くなることが予想され、中国の留学生をアルバイトで雇うことにしている。

このように画廊のあり方も美術市場のグローバル化により、大きく変貌を遂げ、今年は更にそうした傾向に拍車をかけることになる。

展覧会も台湾を皮切りに中国7都市、韓国があり、早々にローマ、ロンドンの画廊が展覧会の打ち合わせでやってくる。
他にもシカゴ、シンガポール、ジャカルタ、バンコックとの取引があって、昨年以上に忙しくなりそうだ。


1月2日 帰京

目一杯遊んで食べて飲んで今日帰京。
ずっと曇天や雨ばかりだったのが、今日になって太陽が燦々と輝いていて、さすがの雨男と家族から言われる。
昨夜は夕食後に毎晩行われるショーが子供達によるキッズショーということで孫がバレリーナに扮して踊ることに。
可愛い子供たちのショーに満員の会場は大フィーバー。
クラブメッドは大人はもちろん子供ののためのプログラムもたくさん用意されていて、飽きさせることがない。
いい思い出ができたことだろう。



1月1日 新しい年

新年明けましておめでとうございます。

新しい年を迎えました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
皆様にとりましても幸多い年となりますよう願っております。

石垣島での初日の出を見るべく朝4時起きで山に登りましたが、厚い雲に覆われ残念ながら見ることができませんでした。
天候には恵まれませんでしたが、一日フルタイムで遊び且つ食べました。
朝昼晩とブッフェスタイルで盛り沢山の料理が出て胸焼けをしています。

あっという間の五日間でしたが、クラブメッドで過ごす休暇は私たちはもちろん娘夫婦も孫たちも存分に楽しみ、充実した年末年始を過ごすことができました。

今度の年末年始は北海道サホロにあるクラブメッドで家族全員が年末年始を過ごすことができればと思っております。

そのためにも私は休んではいられません。
皆様のお力添えよろしくお願い申し上げます。



12月31日

石垣島も案の定雨男の私が行ったことで一昨日は1日雨、昨日も午前中は大雨だったが、午後にはようやく晴れ間も見えて、 娘と孫は目の前のプライベートビーチでシュノーケリング。
魚がたくさんいるのだが、孫は怖がって先に行こうとしない。
昨日はグラづボートでウミガメや色とりどりの魚を見たので、喜んで魚を見ると思ったがプールと違って海は浅くてもまだ怖いようだ。

泊まっているクラブメッドの施設内には子供が喜ぶプランがいくつもあり、宝探しをしたり、ビンゴゲーム、ダンス、Tシャツを染めたり、 ピザを作ったりと盛りだくさん。
大人も卓球やスカッシュ、ダーツ、ビリヤード、ヨガなどがあって、海に行かなくても十分に楽しめる。
雨が上がればウィンドサーフィン、カヌー、ダイビング、ビーチバレー、バスケット、テニス、アーチェリーなど多種のスポーツが楽しめるのだが、 今日はまた台風並みの強風と寒さ。

娘夫婦は朝早くから西表島にカヌーでのジャングル巡りに出かけたが、強風の中大丈夫だろうか。
孫たちは一日中面倒を見てくれるキッズクラブに預けたが、老夫婦はやることがなく、料理教室があるというので行くことに。




12月30日 今年も終わり。

今年も残り僅かとなりました。
ギャラリー椿は12月29日より1月8日までお休みをいただきます。

今年一年皆様に支えられ、つつがなく過ごすことができましたこと、厚くお礼申し上げます。
新しいお客様や新たな作家との出会いもあり、実り多い一年でもありました。

価値観が多様化し、従来の評価が大きく変わってきた昨今でありますが、ギャラリー椿は足元を見つめ、作家とともに一歩一歩前に進み、 ギャラリー椿らしい作品を皆様に紹介して参りたいと願っております。

どうぞ皆様にとりましても、来年が希望に溢れる素晴らしい年になるよう祈念いたし、本年のご挨拶とさせていただきます。

尚、1月11日より1月25日まで堀込幸枝個展、ジャン・ポール・ブレ/西村陽平二人展で幕開けとなります。
皆様のお越しを待ちいたしております。


12月27日 石垣島

今日は木枯らしが吹いていて、今年一番の寒さを感じる。

画廊は明日までだが、私は一足早く娘家族と一緒に石垣島で年末年始を過ごすことにしている。
暖かな石垣島でシュノーケルやカヌートリップと思っていたが、向こうの天気を見てみると、行っている間に晴れ間が見えるのは1日だけで、29、30、31、と雨模様。
気温も22度前後と寒くはないが暑くもなく、海で遊ぶには今ひとつのようだ。
以前に同じ正月に石垣島に行ったが、この時も寒くて、長袖のシャツを買ったことを思い出した。

ここはクラブメッドという食事も遊びも全てインクルードされたとこで、キッズクラブというのもあって、 孫たちはそこで一日中スタッフに遊んでもらえるので、親や私たちは子供とは別の計画を立てているのだが、どうやら思い通りには行かないようだ。

まあゆっくりと南国の海を眺めながら、本でも読むことにする。

改めて向こうから年末年始のご挨拶はさせていただくが、まずは今年も大変お世話になりました。皆様どうぞ良い年をお迎えください。


12月26日 年の瀬も迫り

年の瀬も迫り、画廊は29日から1月8日までお休みをさせていただく。
綿引個展は28日(土)ギリギリまで開催をしているので、まだの方は是非お越しいただきたい。

来年も1月11日より西村陽平・Jean Paul blaisの二人展と堀込幸枝個展が予定されている。

海外の展覧会も2月22日より3月8日まで中村萌の10年を回顧する大きな展覧会が100年前に建てられた日本統治時代の酒造工場を舞台に開かれることになっていて、 台湾のお客様から約40点の木彫作品をお借りして展示し、それに加えて新たなフィギュア、画集、アートグッズなどが販売される。

同じ台湾では台南のダーフォンギャラリーで2月7日から3月2日まで松川栞のスコープ展が開催される。

4月には上海対外文化交流協会、中国女子書画会の招待による「21世紀日中現代画家展」が開かれ、上海を皮切りに青島、大連、北京、重慶、広州、杭州の7都市の会場を回ることになっている。
これには日本側から私どもで発表をしている30名のアーティストが招待され、各作家の大作が2点づつ展示されることになっている。

会期は4月18日から7月16日までで、各都市に30名のアーティストが順に招待され、飛行機代、ホテル代がサービスされることになっている。
さらにレジデンスプログラムとして、3名を選び上海にてアトリエと住居、生活費が提供され、半年間そこで制作をしてもらうことが検討されている。

ということで、どうやら来年も忙しい一年になることは間違いない。

中村萌の会場を写真で紹介させていただく。


12月25日 クリスマス

今日はクリスマス。
多くの人からクリスマスメールをいただいた。
素敵な動画や画像もいくつもあり、どれもが心のこもったジーンとくるもので、どうやらカードよりこちらが主流になりつつあるようだ。

昨夜のイブは孫たちとホームパーティー。
以前は朝から私の手料理を振る舞ったものだが、寄る年波もあって、レストランでの家族の集まりが多くなっていたが、久しぶりに我が家でパーティーを開くことになった。

家内の提案でなんとクリスマスなのに手巻き寿司とお煮しめ(鬼嫁ではありません)、味噌汁という純和風の料理でやることに。
お寿司には家内の母直伝の京風稲荷も加わった。

孫たちにもサンタのプレゼントとは別にそれぞれにゲームのプレゼントを贈り、食後はゲームで大盛り上がり。
ホームパーティーは周りに気兼ねすることなく、孫たちも飛んだり跳ねたりの大騒ぎができるので、ここしばらくはこれでいくことにする。
ただ私の手料理が出るかどうかはわからないが。

以前の私の手料理の写真も紹介し、ちょっと自慢。
全て私が料理したもので、テーブルに乗りきらない。


12月19日 山本麻友香個展

釜山のギャラリーWOOが画廊を移転し、そのオープン記念展で山本麻友香個展が昨日から開催されている。
こちらにも購入可能かの問い合わせが多数来ていて、直接ギャラリーWOOに問い合わせていただきたいと伝えたが、既に全作品売れてしまっているようでありがたいことである。

韓国では以前から山本麻友香の作品は紹介をしていて、多くの山本ファンがいるのだが、 ここにきて台湾を始め海外から多くの問い合わせが殺到し、今回も台湾のコレクターが20人ほどが個展会場を訪れるそうである。

ギャラリーWOOhは今までは釜山の海雲台という美しい海岸を前にしたリゾートホテルの中にあったのだが、ここのホテルが閉じることになり、 新たに今度は釜山の山の中にあるリゾートエリアのゴルフ場の中に画廊をオープンした。

今度の画廊も自然に囲まれた素敵な場所にあり、私は残念ながら他の用事があって行くことができなかったが、山本夫妻が招待されてオープニングに出席した。

私は改めて年が明けたらお祝いを兼ねて行ってこようと思っている。



12月18日 印象記

既に終わってしまったが、紋谷幹男氏の伊津野雄二展の印象記が送られてきたので、紹介させていただく。
いつもながらだが、紋谷氏の展評は私では気づかない作品の奥深いところまで掘り下げてその印象を述べ、 更には適確に作者の制作意図を捉え、紋谷氏の作品に対する熱い想いが伝わってきます。

作品に対する文章の巧みな表現力にはいつも感心させられるばかりですが、こうした論評を毎回のようにいただけることは大変ありがたく深く感謝をしている。

伊津野 雄二の木彫作品には、
人物の肉体の、造形的再現ではなく、
人物の肉体が言葉となる詩のようで、
鑑賞と理解が同時に脳内で起こるような
不思議な刺激と心地良さがあります。

立体作品は、文字通り3次元なので、
様々な視点からの鑑賞が前提になりますが、
直観的に、これらの作品には、
正面がより強く意識される、
絵画的要素が感じられました。

深く大きな息吹が作品に満ちています。

旋律のように、丁寧に選ばれた形と色は
光を受け、自身も光になる。
そんな印象でした。



12月14日 綿引明浩個展

今日から綿引展が始まった。

ピッコロ版画という小版画から、それを50点組み合わせて一つの作品にしたり、ピッコロ版画をアニメに変えてみたり、 綿引独自の技法でクリアグラフという透明アクリルに裏から描いた作品を2枚に重ねて立体的に見せたり、アクリルを切り抜いて立体作品にしてみたりと多様な表現の作品で会場は満艦飾。

モチーフが溢れるように出てくる天才綿引の魅力が存分に発揮されている。
色彩も華やかで、クリスマスにふさわしい華やいだ展示となっている。




12月7日 北武記念絵画館

札幌にある北武記念絵画館が長年私どもで発表を続ける河原朝生の大作を中心に27点の作品を収蔵することになった。
この絵画館はIT、医療、福祉、食品、土木、文化、管理など7つの事業を展開する北武グループの小西政秀会長が収集した具象洋画と 浮世絵を始めとした木版画のコレクションが中核をなしていて、現在は財団として地域の文化啓蒙に貢献をしている。
美術市場が若手や海外の評価に流れる中、日本においての長いキャリアの中で地道に制作をしている作家にスポットライトを当てていただいたことはとても嬉しいことである。
2年前にも香港の美術館が河原の個展の作品の多くをコレクションしていただいたことがあり、他にも寺田コレクションとしてオペラシティギャラリーにも多くの河原作品が入っていて、 内外で河原の作品を見る機会が増えたことは何よりのことである。



12月6日 職場訪問

ロータリークラブの職場訪問で前回のNTT東日本の通信システムの見学に続いて、今回はJRの東京総合司令室を見学することになった。
首都圏を中心とした24線区約 1300km、一日の運転本数8000本、利用客数1400万人の運行管理をここで行っている。
ここは関係者以外は全く立ち入ることのできないところだが、クラブ会員の案内もあって、NTTの時もそうだったが特別の許可いただいて見学を許された。
司令室は輸送指令、運用司令、営業運輸司令、設備関係司令の4つのセクションに分かれており、24時間体制で150名(総数500名)が同じフロアで運行管理を行っている。
中に入ると、それぞれのセクションでモニターを見ながら、入り組んだ細かいグラフを書いている。
大きなモニターには全路線の車両が動く画面が出てきて、こまねずみのように車両が動くさまが映し出される。
ここの管理システムが車両、駅、乗務員、保安職員と連携し、首都圏の安全、安定輸送を守っている。

ここの見学を終え、次に向かったのは東京駅。
駅長室の案内され、立派な室内の壁には歴代の駅長の写真とともに、初代総裁の後藤新平の書や横山大観から寄贈された富士山の大作が飾られている。
続いて松竹梅と三室ある貴賓室に案内された。
梅の間には東山魁夷の雪景色や安井曾太郎の丸の内風景、有島生馬の絵画などが飾られていた。 天皇皇后陛下が休まれる松の間には玉座が置かれ、その正面の壁にも横山大観が陛下のためにと寄贈した桜と富士の名品が飾られている。
皇居から一直線で行幸通りを通ってこの部屋で休まれ、下に続くホームに向かうとのこと。

今日一日滅多に見ることのない場所に案内され、貴重な経験をさせてもらった。

12月5日 山本麻友香展

12月19日から韓国釜山のギャラリーWOOの画廊移転記念の展覧会「山本麻友香展」が始まる。
出品作品の一部を紹介させていただく。
多くの購入希望の問い合わせが私どもにきているが、作品購入についてはギャラリーWOOに直接問い合わせていただきたい。
ギャラリーWOOは南仏の海岸を彷彿とさせる釜山海雲台のビーチを目の前にしたホテルの中にあったが、そのホテルが閉めることになり、 新たに移転し、釜山の山の上にあるゴルフ場を併設するリゾートの中に画廊を開くことになった。
オープニングに招待されているが、今回はスケジュールが重なり行くことができないが、山本夫妻は行くことになっている。

ギャラリー椿でも来年5月に「山本麻友香新作展」を予定している。
ご期待をいただきたい。




12月3日 早いもので

早いものでもう12月、もうちょっとでお正月なのだ。
12月と云うと先生も走り出すわけで、私のところも何かと気ぜわしい。

伊津野展が終わると、綿引明浩展が始まる。
いつものようにクリスマスの時期にふさわしいカラフルでウキウキするような作品が並ぶ。
楽しみにしていただきたい。

海外もこの一年忙しく、スタッフも休む間もない日が続いた。
そんな中で、12月1日の台湾のオークションに中村萌のオリジナル作品4点と新作を除くフィギュアの作品が一まとめで出品され、その落札結果が届いた。
全て売価の10倍、20倍の価格で落札され、一番高いのは手数料を入れると1000万円を超える価格で驚くより怖くなってきた。

また、フェースブックでは投稿グループ(KAWS,草間弥生、奈良美智、村上隆、中村萌、バンクシー)というのまで出来ていて、 大御所の中に彼女が入っているのが何ともこそばゆい感じがしてならない。

人気が出るのは大変ありがたいことだが、市場が過熱しすぎて、この先どうなるのか心配である。

私も作家もこうした状況に惑わされず、足元を見つめながらじっくり進むことが大切で、手綱を締めて次のステップに向かわなくては行けない。

11月30日 クラス会

今日は大学のクラス会。

10数人の元気な連中が集まった。
とはいえ、何人かは病魔を乗り越えたりで、今回来れない中には亡くなったのも多いが、闘病中のクラスメートも何人かいる。
先日も高校のヨット部の同期がなくったり、ゴルフで親しくしていた友人も亡くなったとの知らせを受けた。

この年になれば、そういうことがあっても不思議ではないが、私のように大した病気もせずにここまで来たことは何よりでクラスメートの中にも同じように 病気一つしたことのないのもいる。

ただ大病をした友人が言うには、60代までに病気しても体力があり、手術に耐えられたり、回復する力もあるが、70になって大病すると、 体力がなくなることもあって、死に至ることが多いと怖いことをいう。

ここまで元気でいられたので、それほど生きることに未練はないが、画廊のことや扱う作家さん達、 そして家族や友人のことを思うとやはり元気でいなくてはいけないと思う。

来年のクラス会も全員健康で元気な顔が揃うことを願うばかりである。

11月26日 木下雅雄

新たに私どもで扱わせていただく木下雅雄を紹介させていただく。

木下は東京造形大学で彫刻を専攻し、村上隆が主宰する「GEISAI」に出品しグランプリを受賞する。
このときの審査員の一人であったおもちゃ美術館館長で北原コレクションで知られる北原照久氏の目に止まり、そのコレクションに木下作品が加わることとなった。
当時は人体の筋肉を造形的に表現した人体像を制作していて、木下作品とは知らずに画廊の近くにあるエドグランでその作品を見たことがあり、 インパクトの強い作品に目を奪われたものである。
このエドグランでは常時北原コレクションが展示されていて、その時に偶々見たのが木下作品であった。

次に彼の作品を見たのは文化村ギャラリーで開催された驚異!「セラミック・スカルプチャー〜奇々怪々な異形たち」であった。
ここには私どもで発表をする木村繁之、塩澤宏信が参加していて、その中にそれこそ異形の作品が目に止まった。
中世の騎士かSFに出てくる戦士のようないでたちで、頭は猫やうさぎのような頭をした奇妙な作品なのだが、他の作品を圧倒するような存在感があり、 担当のY氏にこの作品に惹かれた旨を伝えた。

そこから木下本人に話が伝わったのだろう。
画廊に資料を持って訪ねてきたのである。

資料を見て驚いた。
北原コレクションで見た筋肉人体像があるではないか。
聞いてみると、以前はそうした作風だったが今は文化村で見たような作風になっているとのこと。
私も今の作品のほうに惹かれる。

ということで縁ができ、木下作品を扱わせていただくことになった。
作品のいくつかを紹介させていただく。




11月21日 伊津野雄二展

明日から伊津野展が始まる。

伊津野の特徴である端正で気高い木彫とテラコッタの立体作品が並ぶ。

今回は木彫に新たな色彩表現が加わり、木彫の柔らかさと金属とも思える硬質な表現がされていて、新たな一面を見せてくれている。

そうした新しい面を見せながら、静謐で清楚な女性像は相変わらず見るものを引き込む魅力がある。

明後日からの連休が間に入るが、12月7日まで開催をしているので是非のご高覧をお願いする。




11月18日 TAMAVIVANT

多摩美術大学八王子キャンパス内のアートテークギャラリーにて、私どもで発表を続ける井澤由花子が参加していることもあり、見に行ってきた。

この展覧会は多摩美術大学美術学部芸術学科構想計画設計ゼミのカリキュラムの一環として、学生中心となって企画構成運営する現代美術・芸術のアニュアル展である。 多くの作品と出会い、出会った作品群の中より「現在」を感じる作家を選び、作品の選択を作家と共にしてきた展覧である。

広大なギャラリーで見る井澤作品は、私どものギャラリーで見る以上にインパクトがあり、水彩とは思えない色彩の輝きを見せていた。

水彩画という表現が油絵に負けない多様性があることを学生たちに知ってもらいたい。



11月15日 競馬観戦

明日は府中競馬場で競馬観戦。

ロータリークラブの親睦行事で仲間たちと競馬を観戦することになった。
以前にも何度かロータリーで行ったことがあり、一度は100円券で6万円の配当がついたこともあったが、今回も一攫千金を夢見て、ちびちびと馬券を買うことにする。
特別来賓室からの観戦になるが、ここではドレスコードなるものがあって。ネクタイスーツ着用となっていて、ジャンパーに赤鉛筆を耳に挟んでというわけにはいかなさそうだ。

結果は乞うご期待。


11月15日 高崎市美術館

高崎市美術館に行ってきた。

私どもで発表を重ねる木村繁之をはじめ木に関わる木版、木彫の作家4人による展覧会「詩をかたどる、詩を刻む」が開催されていて、詩情溢れる作品が並んでいる。
木村の作品は2室に分かれていて一室で木版作品、もう一室でテラコッタ、木彫の作品が展示されている。
改めてこれだけの作品が並ぶと、儚げで消え入るような作品が輝きを見せて、木村の力量を窺い知ることができる。
画廊で見るのとは違い圧巻である。
2室に続く廊下には数多くの装丁本が並び、これも長年の木村の業績の一つである。
タイトル通りの詩をかたどり、詩を刻む世界がそこには広がっていた。
心に残る展示であった。

山中現も木版画にとどまらず、木のオブジェ、ガラス絵、油彩と多様な世界を見せてくれる。
彼も私のところで2回ほど個展をしているので、私にとっては身近な作家の一人である。

深井隆の作品は美術館に併設する井上邸の庭と邸宅の部屋の中に展示されている。
古い和風の木造の家に深井の木彫が妙にマッチしていて、興味深く見せてもらった。

丸尾もうちで一回個展をしたことがあり、その時に見た甘い作品とは違う大作の力強い作品に私は惹かれた。

地味な展覧会だが、一見の価値ある展覧会であった。







11月12日 事業承継

9日の朝刊一面に事業承継の個人保証を免除と大きな見出しで出ていた。
偶々先週金曜日に開催された全国美術商連合会の理事会においても美術業者の事業継承について木村監事から事業承継税制の概要の説明がなされたところなので、 改めて事業承継について詳しく調べてみることにした。

私も73歳を過ぎて後期高齢者の仲間入りも間近となり、画廊をどのように継承していくか頭を悩ませているところであった。
今のところ借金もなく、画廊を清算してしまえば簡単なのだが、多くの作家とスタッフを抱える身としてはそうもいかない。
子供達はそれぞれ私よりは恵まれた仕事についていて、画廊を継いでくれる気配は全くない。
となるといずれはスタッフもしくは第三者に画廊を継承してもらうことになる。

そのためには新たな経営者が自社株を贈与や相続によって取得することになり、税金の問題が発生すると思っていたのだが、 平成30年度税制改正において、中小企業や私のところのような零細の会社の事業承継を一層後押しするために大きな改正がなされたのである。

2027年までの特例措置として、2024年3月31日年までに都道府県庁に「特例承継計画」を提出、2027年12月31日までに自社株を取得した場合にかかる相続税、 贈与税を100%納税猶予する「法人版事業承継税制」が創設された。
個人事業でも同様に2028年までに事業資産を取得したときに免税の適用を受けることができる。

更に新聞に出ていたように、事業を引き継いだ経営者が条件付きで借金の返済義務を負わないようにする制度が導入された。
今までは金融機関が引き継いだ経営者に借金の個人保証を強いることが多かったが、改正により信用保証協会が債務を保証することになった。

相続税、贈与税を免除、借金の個人保証をなくすことで、経営継続の推進が図れることになった。
私も偶々、別の企業の経営の継承にも関わっているだけに、こうした制度ができたことは何よりのことである。

11月11日 TAMA VIVANT 2019

先に紹介した井澤由花子がTAMA VIVANT 2019 「ART ・漂う場所として」に出品者の一人として選ばれ、展示されることになった。

この展覧会は多摩美術大学芸術学部芸術学科構想画設計ゼミのカリキュラムの一環として、学生が中心となって企画構成運営する現代美術・芸術のアニュアル展である。

まずは展示風景を紹介させていただく。


11月10日 紋谷氏の展覧会印象記

夏目麻麦個展

展覧会タイトルは、「ーscape」。
※花茎(かけい):植物において花のみをつける茎のこと。

座る女性らしき像が描かれています。
写真のようにうわべを写し撮っているのではありません。
座る女性をどう描くかというより、
座る女性の「何」を描き出すのかが
画家のテーマのようです。

それは何なのか。
見る側には何が見えてくるのか。
あるいは、画面に生じた何に気付くのか。

女性に見えるものは
絵具が塗られた平面であるという境界線まで
引き離そうとしているようです。
そこで初めて、他の何かの比喩ではない、
感情的な状況そのものが、見ているものになる。
そんな印象でした。


11月9日 紋谷氏の展覧会印象記

河内良介個展

展覧会タイトルは、ー静寂の異空間ー。

極めて緻密に描かれた鉛筆画。
ヒトが持ち得たこの能力に感嘆させられます。

描かれたのはヒトや動物のいる不思議な場面です。
特定されない、とにかく広い場所に、
レトロな雰囲気の、
乗り物や機械、時計、家具などが置かれ、
その小さな場がこの画面にとっての全世界です。

見る側にとっては意味不明の風景ですが、
これが毎日繰り返されている当たり前の出来事だと、
妙に納得させられます。

見る側の日常とシンクロするような、
そのかすかな親和性は、
絵に何が描かれているのかを読み取る責任から、
鑑賞者を開放し
その場面にすっと入り込むことができる。
v そんな印象でした。


11月5日 井澤由花子の大作

資生堂本店がリニューアルオープンして4階のレストランにわたしどもで発表を続ける井澤由花子の大作が飾られお披露目された。
レセプションには私どもの他、井澤作品をコレクションされているK氏や井澤を支援しているパトロンプロジェクトの代表菊池麻衣子氏などが招待された。
わたしが所用があって行けず、スタッフが代わりに行ってくれたが、レストランの空間に初めて描いたパノラマサイズの作品がレストランの優雅な雰囲気を より高めているとのことであった。
化粧室にも多くの井澤のお洒落な昭和モダンを模した作品が展示されている。

《銀座本店・WORD を彩るアート作品について》
人間と自然との関係性に改めてまなざしを向けることは、気候変動 による地球の未来が危ぶまれるなか、グローバルに強い関心が高ま っている昨今。特にアートの表現においても、 人間と自然との関わ りや自然に対する人間の感性を表明する作品が多く見受けられる ようになっています。 リニューアルに伴い、そこに着目し資生堂の 社名の由来である「万物資生」という考えと親和性のある“人間と自然との共生” を表現したアート作品で室内空間をプロデュースしました。「自然への敬意」や「自然への共感」、 「自然からのイン スピレーション」といった自然とともにある人間の感性を表現する スペースとして展開。セレクションしたアート作品は、 資生堂ギャラリーの活動とも所縁のあるアーティストやこれまでの資生堂の アートコレクションからキュレーションしています。




11月3日 ラグビーワールドカップ決勝戦

ラグビーワールドカップ決勝戦南アフリカ対イングランド戦観に行ってきた。
南アフリカ勝った。
勝ち負けはともかく、7万人を超える観衆が一体となって両チームを応援。
おそらく死ぬまでに二度と見られない試合を瞼に焼き付けてきた。
日本中がラグビーに酔い沸きに沸いた。
感動ありがとう。


11月2日 ロンドン・ローマ

ロンドン.ローマに画廊を構えるDorothy Circus Galleryから中村萌、山本麻友香の個展の誘いのメールが届いた。
日本人作家では高松和樹など萌系といった作家を扱う画廊で、来春に中村萌を交えたグループ展が企画されている。

ロンドン、アムステルダムなどで山本麻友香の個展は以前に開かれたが、その画廊とはうまく噛み合わず、 アムステルダムの画廊などは詐欺師といっていい仕打ちを受けて、弁護士を通して交渉をしているが一向に拉致があかない。

そんなこともあって、よく考えてお付き合いをしなくてはいけないが、高松和樹を扱う日本の画廊の話では誠実に対応してくれる画廊のようである。

もっとも、個展は2023年11月ということらしく、その間にお互いに信頼関係を築いた上で、話をを進めていきたいと思っている。

アジアでは二人とも実績を積み、私も長きにわたるアジアでの経験から、今の二人の人気に繋がっているので、欧米でもその経験を活かして、 更なる活躍の場を広げてあげたいと思っている。

11月1日 夏目麻麦

早いものでもう11月、ということは今年もあと2ヶ月ということで、いつも言っているが、年寄りには1年は早いが1日は長い。

ただいま展示中。
夏目麻麦個展が明日より始まる。

今回は大作はなく、50号以下16点の展示となる。
若干以前の作風に戻ったようで、重厚で滲み入るような深いマティエールの美しさがより際立つ。
じっくりと作品と対峙すると、曖昧だった輪郭がくっきりと浮かび上がり、その存在を確かなものにさせてくれる。
油絵具が持つ特性を遺憾なく発揮する夏目の作品を是非ご覧いただきたい。




10月27日 ラグビーW杯

昨日はラグビーワールドカップの準決勝南アフリカとウェールズの試合を観に横浜スタジアムに行ってきました。
8万人近くを収容できる巨大なスタジアムがぎっしりと人で埋まり、混むといけないので早めに会場入りしましたが、すでに大盛り上がり。

ついこの前までのラグビーの試合の閑散とした風景は何だったのかとあまりの違いに驚いた。

試合前からみんなで一緒に歌ったり、スクリーンに映る画面上の太鼓に合わせて聴衆が太鼓を叩くといった趣向もあり、 会場全体が一体となってラグビーを楽しもうという雰囲気がとても良くて、 野球やサッカーのように試合中に鐘や太鼓で応援するとは違った楽しみ方に私もつい乗せられてしまった。

試合は接戦で、最後の南アフリカが勝利し決勝戦に進むことになったが、両軍に送る拍手に選手も観衆もノーサイドという 敵も味方も試合が終わればその健闘を称え合うというラグビー精神が行き渡り、胸が熱くなった。

土曜日の決勝戦も息子と観に行く予定だが、息子はすでに予選を含めて6試合観に行っていて、 日本ではおそらく一生に一度しかないであろうラグビーワールドカップを堪能している。



10月22日 海外展

今朝はまた台風の影響で強い雨。
先日の台風の被災地はまた大変な思いをしているだろう。

そんな中、台北のアートフェアに出かけていたスタッフが戻ってくる。
トイフェアから台北アートフェアまでの2週間台北にいたことになる。

二つのフェアでは大勢のお客様の対応におわれ、夜は夜で毎晩のように遅くまで招待の食事が続き、さぞかし疲れたことだろう。
ゆっくり休んでもらいたい。
と言いつつ来週からは画廊では二つの展覧会が始まり、休んでられないか。

そんなわけでとにかく忙しかったが、ソウルから上海、台北と続いた海外展は大きな反響を呼び、 フェアの売り上げでも大きな成果を上げることが出来、私には快い疲れとなった。

これで海外は一段落と思ったが、12月に釜山での山本麻友香の個展、来年2月に台北で中村萌の個展、3月にはロンドンで中村萌が参加するグループ展、 4月からは上海、南京、成都、青島と廻る私どもの作家30人による大規模な展覧会と海外の企画が目白押しで、それに加えて画廊での個展が続き、 準備を含めゆっくりする暇がなく、スタッフにとっては何とブラックなところに勤めているのだろと思っているかもしれない。

そんなこともあり、画廊は正月休みを12月29日から1月8日までとし、その間ゆっくり休んでもらおうと思っている。

お疲れ様でした。

10月22日 即位の礼

即位の礼をテレビで観せてもらった。
2000年の長きにわたる歴史と伝統には感銘を覚えた。
途絶えることなく脈々と続く日本文化の素晴らしさを世界に知らしめたのではないだろうか。
何と華やかで、何と美しいことだろう。
煌びやかな衣装、凛とした立ち居振る舞い、悠揚と流れる雅楽の響き、まさに雅の世界で、日本人として誇らしく思うひと時であり、 私が生きている間には二度と観られないであろうとしっかりと瞼に焼き付けることができた。

皇室に対する批判もあって出席しない政党もあったようで、この政党はラグビーW杯での国歌斉唱も否定しているようだが、即位の礼を観てどのような想いに至っただろう。
この心打つ儀式に心が動かされないのだろうか。
日本人の誇りさえ捨ててしまったのだろうか。
こんな事ばかりしていて、国民の信頼を得られるのだろうか。

190ヶ国を超える国々の代表が参列し、同じ思想を持つ中国でさえ王国家副主席を派遣し、各国元首が出席するのは156ヶ国、 ロシアからも連邦副議長が参列する中で、参列をしないことに後ろめたさはないのだろうか。

この素晴らしい儀式にわずかな汚れができたことが残念でならない。


10月21日 ラグビー

ラグビー日本代表の活躍に感動した。

南ア戦には負けたが、それでも前半は2点差で大健闘。
ここまでやるとは正直思っても見なかった。
よくぞここまでと選手、指導者、ラグビー関係者、サポーターに心から敬意を表したい。
満員の会場、高視聴率、メディアもラグビー一色で日本中がラグビーに酔いしれた。
サッカーや野球に押されマイナーなスポーツとなっていたラグビーも、これで多くのファンを集めるスポーツになってくれるだろう。
見ていてこれほど力が入り、熱くさせてくれるスポーツはない。
ルールがよくわからないと思っていた人達も今回のワールドカップでラグビー通になった人も多いのでは。
ラグビーっていつもおしくらまんじゅうしているみたいでちっとも面白くないと言った友人がいたが、スクラムでの駆け引きや力のぶつかり合いに、 どうだ面白いだろうと言ってやりたい。

息子が小学校から大学院までラグビー部に入っていて大学選手権に出たり、私が高校の時にクラスメイト達が花園に出たりしていたこともあり、 すっかりラグビー好きになってしまった。
次の準決勝、決勝のチケットを息子が手に入れてくれたので、今度は残った4カ国全部を応援したい。
まだ興奮は続きそうだ。


10月20日 大学卒業50年

台北から帰国早々、大学卒業50年の記念式典が2019連合三田祭にて開催されるということで行ってきた。
待ち合わせた同級生とともに記念式場に行くと,すでに会場はいっぱいの同窓生で埋め尽くされている。
50年経つとクラスの仲間以外は顔を見てもほとんどわからず、人の顔を見て歳をとったことを実感する。
式典は来賓挨拶が続き、塾長がラグビーの日本対南アフリカ戦と時間が重なることを心配したが、幸い夜なので安心したが、 もし重なったら卒業生の母校への忠誠心を試されるところであったと言って会場の笑いを誘った。
その後応援団やチアリダーによる演舞が行われ、懇親会場へ移った。
日吉キャンパスの雰囲気は当時と少しも変わらず、ここで2年まで学んだことを懐かしく思い出した。



10月18日 一般公開

今日からフェアは一般公開で混雑が予想されたが、昨年に比べても少ない気がする。
昨日の私どものブースの混雑を考えると、作品が欲しいVIP の人達は内覧会でいち早く作品をキープしたいのだろう。

私は昼に山本麻友香の作品を展示したいと昨年から依頼をされているホテルで打ち合わせ。
他の作家の展示プランも提案しているが、やはり山本で進めたいとのことであった。
予算も限られているので、今回制作した版画を先ずは展示するプランを取締役会にかけたいとのことで、その作品を使ってロゴマークを作り、 お皿やカップ、コースターと言ったものに使いたいとの希望もあり、作品購入費とは別に著作権料や使用料も含めた見積もりを出すことになった。
最初のプランよりは縮小したが、先ずは一歩前に進むことができた。

有難いことは、ここのホテルにスタッフを含めて滞在中の宿泊を提供してくれたことで、 特に私の部屋はスィートルームで一人ではもったいないくらいの広さで、かえって落ち着かない。

夜はこれまた豪華版で、お客様に三つ星レストランで広東料理をご馳走になった。
このお店は電話でも予約できず、支配人とラインで繋がっている人だけが予約できるというから、滅多なことでは行くことができない。

明日早朝に私は一足早く帰国するが、日本では一汁一菜の貧しい食事が待っている。
この一ヶ月続いた激動の海外出張もひとまず終了。




10月17日 アート台北

昨夜はお客様の招待でこれでもかというほどの料理が出て、先月から続くご馳走に身体がおかしくなりそうだ。
スタッフは10時まで展示に追われ、まだ終わっていないので、明日も8時から準備をしなくてはいけない。

12時からスーパーVIPの内覧会なのだが、その前にどこから入ってきたのか、あっという間にブース内が埋まり、次から次へとお客様の対応に追われ、結局夜9時近くまで、 昼食も取れず、トイレにも行くこともままならないといった具合で、周りを見渡してもうちだけにお客様が集中していて、よその画廊も呆れて見つめていた。

中村萌、山本麻友香の作品は相変わらずの大人気で、一瞬にして完売となり、続いて岩淵も完売、森口、三木にも予約が入り、 あとは次の作品のウェーティング待ちの方達への応対に終始することになった。

終えて、今夜も夕食のご招待。
スタッフを含め身体が持つかどうか心配なくらい忙しい一日となった。

明日は一般公開となるので、今日以上の混雑が予想されるが、頑張るしかない。




10月16日 TTF終了

台北に来ている。
13日にTTFは大盛況のうちに終了した。
続いてアート台北が明日から開催され、今日はその展示日で、私もたいして役に立たないが、アートフェア会場に向かう。

年々盛んになるTTFには80数社が参加し、狭い会場に4日間に4万人を超える来場者があり、すべての人が買う気で来ていることもあり、その混乱ぶりは想像を超えるもので、 私のところも人気の中村萌の作品を求めて外まで行列が出来た。
その熱狂ぶりは怖いくらいで、ありがたいことだが、慌てず騒がずで、そうした人気に惑わされず、足元を見つめながら作家とともに進んでいきたい。


10月15日 ラグビーW杯

台風19号は日本各地に甚大な被害をもたらしたが、幸いなことに心配した画廊の地下倉庫への浸水はなく、今日は運び出した作品の片付けに追われている。
思わぬ三連休となり、家でラグビー、巨人戦などを見て過ごすことに。
13日は先ずは我が巨人軍が阪神に勝ち、日本シリーズ進出を決め、夜のワールド杯ラグビーの日本対スコットランド戦は日本が勝利し、はじめての8強に勝ち進み、 テレビの前にかじりついていた我が家は狂喜乱舞をした。
特に息子が小学校から大学院までラグビーをやっていて、今は大学のラグビー部の監督をしていることもあり、 今回の日本でラグビーW杯が観れるとあって楽しみにしていたが、まさかまさかの4連勝には驚くとともに、観ていてハラハラドキドキで力が入り、運動もしないのに筋肉痛である。
また、息子の大学のラグビー部の後輩である福岡選手が活躍したこともこの上ない喜びであった。
更に巨人軍が日本シリーズで勝利し、ラグビーW杯で決勝まで勝ち上がるようなことになれば、それこそ至上の喜び、欣喜雀躍言うことなしなのだが。

しばらくは仕事が手につかなくなりそうだ。



10月12日 台風

大型の台風が関東を直撃ということで画廊は休廊に。

風速60メートル、一晩で500ミリの記録的な大雨ということで、今まで経験したことない台風のようだ。
スーパーでは水や生鮮食品がなくなり、レジには長い行列ができている。

息子から朝に電話があり、画廊の地下の倉庫は大丈夫かと言ってきた。

大丈夫じゃないかと言ったが、ニュースで銀座が水没するシュミレーション画像が出て心配になり、家内と息子と一緒に車で画廊に向かうことに。

スタッフは交通機関がストップしてこれないので、私たちだけで地下の三つの倉庫にある作品を上の画廊に上げたり、台座や机の上に作品を乗せたりと汗だくで何とか終えることができた。

地下は車庫になっているので、入り口からスロープになっていて、道路に水が溢れたらひとたまりもない。

土砂降りの中を帰ろうとしたら大家さんの息子さん夫妻がやってきて、区役所で土嚢をもらってきたので、車庫のシャッターの前に積んでくれるという。
これで一安心。

もっと早く来てくれたらと思ったが、用心に越したことはない。

後は台風が通り過ぎ、大きな被害が出ないことを祈るばかりである。

10月11日A 小林健二展

小林健二展が明日最終日を迎える。

今回は会期中ソウル、上海と展覧会が続き、スタッフの病気などで私がずっと詰めることになり、小林健二展にはほとんど携わることができなかった。

私どもの2会場を使い、「透質層と透明体」、かたや「XEDIA」と二つの展示がなされた。

「透質層」と透明体では水族館で使うような分厚いアクリルを使ったタイトル通りの透き通るような美しい作品が並ぶ。

「XEDIA」では作家自身のフィクションなのだが、現実にあるかのような錯覚を覚える地層からの出土品と見紛う作品が所狭しと飾られている。

小林健二のエネルギーを絞り出したかのような多数の作品はますます磨きがかかっているように感じた。

明日が最終日なのだが、大型の台風の関東上陸が予想され、交通機関も運航を取りやめるとのことで、やむなく休廊とさせていただく。

その代わりと言ってはなんだが、会期を一週間延ばし19日(土)までの開催とさせていただくので、明日来廊予定の方、まだご覧になっていない方は是非お越しいただきたい。

ただ、私は台北のフェアーがあり、週末まで出てしまうのをお許しいただきたい。

小林健二展の印象記を紋谷幹夫氏が寄せてくれているので紹介をさせていただく。

展覧会タイトルは、ー透質層と透明体ー。
人の心と寄り添うように透明体は空中でワクワクしていて
地中の奥では仮晶鉱がヒソヒソこの世を暮らしている。

ミニマルな形の器や装置、あるいは塊が、
平面に描かれ、ある場、時間が発生しますが、
把握し得るのはそこまでで、
観る側は「さて・・・」といった感じで
画面の前に立つことになります。

色彩は抑えられていますが、
そのてらてらする質感により、
付けられた色というより、
物質そのものになっています。
平面に実態が押し込まれている感じです。
不可解なものを感じながら、
妙な生々しさがあるのはそのためでしょうか。

なまじ形に意味を介在させずに見てみると、
自分の内部の何かと交信する。
そんな印象でした。

展覧会タイトルは、ーXEDIA(キセディア)ー。
作家は作(る専門)家なので、
何かを創り出せばいいので、
それが実体としての作品でも構わないし、
世界観でも構いません。

ここで展示されているのは
作家が(勝手に)創り出した世界(遺跡)
で発掘された出土品です。
製作年代不明、用途不明の人工物は、
二つ一組で
標本ラベルが貼られた標本箱に入っています。

一つ一つ見ていくと、
道具の様であり、装飾品のようでもあり、
明らかに特定の用途を満たす目的でつくられたようで、
でも、全く意味不明で、
その微妙な落としどころの造形センスに感心します。

「神は細部に宿る。」は、
ドイツの美術史家アビ・ヴァールブックの言葉ですが、
世界は細部に宿り、細部は世界を暗示する。
そんな印象でした。

10月11日 手塚治虫

ロータリークラブでは毎週各界の著名な方を招き、30分のミニ講演をしていただいている。
先日は私の紹介で映画監督の手塚眞氏に父親である手塚治虫にまつわる話をしていただいた。

手塚氏は私の高校の後輩であると同時に、 ヴェネチア映画祭や多くの国際映画祭で受賞した手塚監督の映画「白痴」の 美術を担当したのが私どもで長年発表をしている恒松正敏だったということもあり、その後親しくさせていただいている。

手塚治虫は60歳で亡くなるまでに15万枚の原稿、700もの作品、1000を超えるストーリーやキャラクターを生み出し、 子供相手の単純な漫画の時代に人間同士の葛藤や自然との調和といった大きなテーマや、悲劇などの文学性、 そして映画を見るように効果的な絵やコマ割りを駆使して、マンガに革命をもたらした大天才であったかということと、 手塚が残した作品をはじめ漫画やアニメ、映画、小説といったコンテンツビジネスは海外の大きな市場で莫大な利益をもたらすものだが、 アジアでは国が後押しして世界にアピールをしているのと違って、日本ではその後押しがなく、才能が枯渇していく危惧を抱いているといった話をしていただいた。

10月10日 TTF開幕

セッテイングも終わり今日からTTFが始まる。
写真がスタッフから送られてきたが、物凄い数の人が押しかけてきているようだ。
ちょうど2年前のTTFの開場前の写真がFBにアップされていたが、その時も送られてきた写真を見てびっくりしたが、 今年は更に人が多いようで、事故なく無事に終わることを祈るばかりである。

今回でTTFは16回を迎えるそうだが、主催者の黄社長は日本の留学時代にオタク文化に触れ、 帰国後フィギュアのお店をオープンし、その後台湾で初めてのフィギュアによる小さなアートフェア を企画したのが始まりで、それが今やファインアートのフェアを凌ぐ勢いで、香港でも開催されるようになるとこれも台湾同様に大反響を呼んだ。

私との縁は、10年前になるだろうか、台北アートフェアで中村萌を黄社長が買ってくれたのが始まりで、 6年前に中村のフィギュアを作ったらどうかと打診され、それをもってTTFに参加しないかということから今に繋がるのである。

最初にフィギュアを発表した時は25000円だっただろうか、少しは売れるとは思っていたが、まだ半信半疑であまり結果は期待をしないでいた。

ところがである、スタッフから連絡があり、中村萌のフィギュアは大人気で、全て完売し、他に持っていったオリジナル作品も全部売れたとの報告を受けた。

それからである、アジアでの人気に火がつき、多くの著名なコレクターが押し寄せ、今や押しも押されぬアジアのスターとなったのである。

そして来年春にはロンドンでの発表の機会も得て、アジアから更に欧米へ飛躍の年になることは間違いなさそうだ。

ただ心配なのは一時の人気に惑わされ、足元を見失うことで、私も作家も長いスパンで先を見据えてやっていかなくてはいけない。

中村もその辺はよくわかっていて、一歩一歩前に進むことを目指している。
どういう作家に育っていくか今後が楽しみである。



10月8日 台北トイショー

10月10日から13日まで台北トイショーが開催される。
毎年招待参加をしていて、中村萌の新作フィギュアをここで発表することになっている。

このショーは各ブースで人気のフィギュアが見られるとあって、ものすごい数の人が押しかける。
それはアートフェアの比ではなく、私も昨年初めて行ったが、会場内にいると酸欠状態で目眩がしそうになるくらい人で溢れかえっている。

そんわけで私は今回は行かないが、スタッフと中村萌が今日から台北に向けて出発する。

中村萌のフィギュアの人気は個展でもそうであったが、私どものウェーティングリストだけでも200人を超えるファンがいて、 その上にトイショーに訪れる人がどのくらい来るのか想像もつかない。

トイショーではまず優先入場というのがあって、一般入場料より高いのだが、ネットで受け付けたところ、一瞬で売り切れとなった。
その入場券を手にして、私どものブースに来て、まずは先着150名がポストカードを買うとリストバンドが渡され、 その方達のみが当日の割り当ての20体の抽選に参加する権利を得られることになっている。

これを3日に分けて行われる。 今回は160限定となっているので、私どもにも割り当て分があるのだが、 それも少数のみと数が限られているので、ウェーティングリストより私どもの他の作家を多くコレクションしていただいている方、 以前より中村萌をコレクションしている方を選び、その方達約100名で抽選をしてお求めをいただくことにした。
発表は作品受け渡しを持ってかえさせていただくことにした。

苦渋の方法だが、ご理解をいただければ幸いである。

こんな訳で大変ありがたい話なのだが、申し込まれる方の中に転売目的の方も多く、それを見分けることが難しく、 こうした方法を私のところでとらせていただいている。
トイショーでは私のところのようなやり方はできないので、転売ブローカーに渡る可能性もあるが、3年間は転売しない契約書を作り、 そこに署名をしていただき、転売を防ぐことにしているが、さてどうなることやら。

混乱なく終わることを願うばかりである。

10月5日 岩渕華林展オープン

いよいよ岩渕展の開幕。
3時から大勢のお客様が訪れ、画廊の黄社長、私、岩渕の順にお客様に挨拶。
私は若い無名の作家の展覧会を中国でかくも盛大に開催してくれたことへの感謝の気持ちを伝え、岩渕の作品が中国伝来文化の一つである墨を使うこと、 中国の四大発明の一つである印刷機に由来する版画を使っていることに今回の展覧会の意義があるのではと述べ、 こうした機会を得たことで更に日本と中国の文化交流が深まることを期待したいといった話をさせていただいた。

木々の緑や色とりどりの草花に囲まれた画廊のガーデンテラスに立っての挨拶、横ではギターとヴァイオリンによるヒーリングミュージックが流れるといった演出がなされ、 こんな画廊が持てたらどんなにいいだろうかとつくづく羨ましく思った。

画廊の中では、岩渕と清華大学の若きMo教授による作品の解説、夕方からはゲストルームでMo教授のインタビューによる岩渕と私のセミナーが開かれ、 女性像を描く意図、日本と中国社会での女性の立ち位置の違い、日本の萌文化などについての質問を受けた。

セミナーを聞いた何人ものお客様から岩渕作品への感想が述べられ、中でも年配の著名な舞踏家が彼女の作品を見て、従来の中国絵画にはない新しさを目にして、 自分の心が覚醒したと言ってくれたことは岩渕にとっては何よりの賛美であり、私も瞼が熱くなった。

終えて庭ではバーベキューパーティー、最後まで華やかで中身の濃いオープニングには、私も大いに感動し、勉強もさせられた。

夜は今回もお世話になったお役人の沈史、陳女史、この方達との仲立ちと通訳も務めてくださった在日の野口氏、パートナーの山岡氏、 今回の日程の段取りをしてくださった野口氏のお兄様と火鍋を囲んで、来年開催予定の私ども作家30名による展覧会の打ち合わせをし、 それぞれがこうした出会いに感謝の言葉を述べ合い、宴を終えた。

それにしても中国の方の手厚いもてなしはとても私たちには真似ができないことで、皆さんが日本に来た時どうお返ししたらいいか今から頭が痛い。

明日はゆっくりして夕方の帰京の予定である。



10月4日

上海も東京同様に暑い。
幸い台風は免れたが、韓国の釜山では大きな被害が出たようだ。
9月から新たに入ったスタッフが釜山出身なので心配である。

今日も迎えの車が来て個展会場へ。
すでに持ってきた作品も飾られていて、アレンジメントされた花が飾られ、心に響く音楽が流れ、更には画廊内に設置された装置からは水が流れ落ち、その水の音に心が癒される。
これだけ一画廊の会場が演出されるのは見たことも聞いたこともない。

北京からやってきた清華大学の若い女性教授が明日の岩渕とのセミナーに備えて、多くの質問事項を準備していて、その打ち合わせが昼過ぎまで続けられる。
セミナーの他にテープカット、テレビや新聞などメディアとの会見、バンドも来るそうで音楽演奏、夜は画廊の前の庭でバーベキューパーティーと盛りだくさんの1日となりそうだ。

昼食はホテル近くのレストランでスペイン料理。
部屋がベラスケス、ゴヤ、ピカソ、ダリなどスペインゆかりの作家の名前がついた個室となっていて、その作家たちの複製画が飾られて、それぞれが凝った内装となっている。
驚いたのは、我々が招かれたベラスケスの部屋には、ゴルフの打ちっ放しができる部屋までが併設されているではないか。
昨日の礼拝場を利用したレストランもそうだったが、いずれも美味しい料理とゴージャスなインテリアを満喫させてもらった。

更に夕食に招かれたレストランは100年前に香港の鉄鋼王が建てた邸宅で、上海の旧市街にある。
鉄鋼王が好んだという中国全土の料理がメニューに並び、数え切れないくらいの料理が並ぶ。

韓国から続く豪華料理のオンパレードには多少食傷気味で、ぼちぼちお茶漬けが食べたくなってくる。
前回もそうだったが、乾杯一気飲みにも下戸の私にはただただ驚くばかりである。
北京から来た年配の女性は、10数回立ったまま同席の人達と順番に一気飲みを繰り返すのには驚くというよりは怖くなってきた。

明日はいよいよ岩渕展のオープニングだが、ここでもはなやかな宴席が繰り広げられるのだろうか。
全く飲めない身体に感謝しなくてはいけない。



10月3日 上海到着

昼前に上海に到着。
先日中国のお役人を紹介してくださった在日のN氏と若手経営者でN氏のパートナーのY氏が同行してくれることに。
空港にはそのお役人のS氏が前回同様に車を用意して待っていてくれる。
今回も皆さんにおんぶにだっこでお世話になりそうだ。

空港から岩渕華林の個展を開催する画廊に直行。
画廊の入り口には大きな岩渕展の垂れ幕が飾られている。

中に入るとこの画廊の独特の空間であるほぼ真っ暗に照明を落とした黒い壁面に、作品だけにスポットライトがあてられている展示は、岩渕の作品をより美しく浮かび上がらせている。

さらに送った資料から作成されたプロモーションビデオが上映されている。
プロの手によるのだろうが実に見事に岩渕の制作風景とクローズアップされた作品が壁面に映し出される。
入り口では画廊のマダムがフラワーアレンジメントで花をいけていて、素晴らしい空間に花を添える。

展示空間の演出によって、作品が一層引き立てられていて、私も展示の大切さを今更ながら教えられた。
昼も画廊のオーナーにご馳走になったのだが、夜はまたお役人による夕食のご招待。
上海市の西南にある古い礼拝場をそのまま使ったレストランで今が旬の上海蟹をメーンにこれでもかという料理をご馳走になった。
毎度のことだが、韓国から続く皆さんのもてなしには頭が下がる。

明日は岩渕に若手評論家が初日のシンポジウムのために多くの質問を用意していて、朝からその打ち合わせに行かなくてはいけない。

今回は多少のんびりできると思っていたが、どうやらそうも行かないようだ


10月2日 上海

10月に入ったというのに今日も30度。
日曜日に韓国から帰って来たばかりだが、昨日今日の暑い日差しにめまいがしそうだ。

帰って早々だが、明日早朝には上海に向かわなくてはいけない。
言葉もお金の単位も変わることになるので、頭の切り替えが大変である。

上海は4日から始まる岩渕華林の個展のオープニングとそのための追加作品と新作を持って出かけることになる。
前回は通関でのトラブルが嫌で、南京のお役人を紹介してもらい、南京経由で上海に向かったのでスムーズに入国ができたが、今回は時間がかかることもあって、上海に直接行くことにした。

中国ではアーティスト自身が作品を持っていくことは問題がないようだが、アーティスト以外が持っていくと検査に時間がかかり、下手をすると展覧会の会期に間に合わないことがある。

岩渕自身も行くことになっていて、前回お役人を紹介してくれた在日の中国の方も同行してくれるので、たぶん大丈夫だと思うが、それでもヒヤヒヤドキドキである。

韓国もそうだったが、こうした時期に日本人作家を中国で紹介してくれるのは大変ありがたいことで、それに応えるためにもハードなスケジュールの中を社長の私が行かなくてはならない。

いいお客様を持っているようで、展覧会は成功すると思うが、こればかりは蓋を開けて見ないとわからない。

韓国のように期待以上の成果が出るといいのだが。


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