ギャラリー日記

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2月20日 台北出発

中村萌の展覧会オープニングレセプションの開催に合わせて、午後6時の飛行機で台北に出発。
コロナウイルスの影響なのか夕方の時間帯ということもあるのか、空港内はいつもと比べてかなり人が少なくなっている。
マスクをして、花粉症用の眼鏡をかけ、手袋もして準備万端なのだが、肝心の本人が昨日から喉が腫れ、微熱もあるようだ。
台北の空港の検疫で引っかからないか少し心配。
大したことはないと思うが、先発したスタッフも体調を崩しているようで、台北の気温が低くて寒さと展示準備の疲れもあるのだろう。
薬を用意して持っていくことにする。
日本人二人がゴホゴホやっていては何とも格好がつかない。
明日からは台北も暖かくなりそうなので、気合で治さなくてはいけない。

2月18日 高坂和子展

嬉しい便りが届いた。

2001年に高坂和子さんの展覧会を開催したが、作家のお嬢さんから手紙が届いた。
高坂さんは81歳で亡くなって14年余りが経ち、この度、釧路芸術館で所蔵品14点が一般公開になるというお知らせで、リーフレットが同封されていた。

長くなるが、高坂さんとの出会いは、当時放映されていた日本テレビ「美の世界」のディレクターの紹介であった。
テレビで流れた映像は見ていなかったが、そのディレクターが素晴らしい作家なのでぜひ見て欲しいと言ってきた。
聞くと、70歳になる作家で50歳になって独学で勉強したそうで、根室に住んでいるという。
是非見て欲しいと言われても、遠い根室まで出かけるのは躊躇われるし、ましてや70歳のアマチュア作家である。

体良くお断りしたのだが、その後も熱心に言ってこられ、更には札幌にある道立美術館の学芸員からも機会があれば一度見て欲しいとの手紙が届いた。

皆さん熱心に言ってこられるのだが、それほどの関心もなく日が過ぎて行った。

そうこうしているうちに高坂さんから手紙が届いた。
道立美術館と釧路芸術館で作品が展示されているので、よければ見ていただけないかと書いてある。
見て、駄目なら札幌もしくは釧路で引き返してもらっていいが、もし目に止まるようなら根室に来て、他の作品も見てもらえないかとのことであった。

その熱心さに絆されたというか、実は私の趣味の一つに野鳥観察があり、丁度釧路雪原に丹頂鶴が飛来しているとのニュースが耳に入り、 観察を兼ねて行ってみるかと重い腰をあげた次第である。

広い北海道を一泊二日で札幌、釧路、根室と廻るのだから、後から考えると無謀な日程だったのだが。
まずは札幌で作品を見てみる。
単なる野草を描く写実画とたかを括っていたのだが、とんでもなかった。
野に咲く花の一部を切り取り、その情景を描いているのだが、その花、その草がまるで目の前で咲き広がっているように生き生きと描かれているではないか。

年寄りのアマチュア作家とみくびっていたのが恥ずかしいくらい、そこには草花の息吹が、差し込む光が、作者の野花を見る喜びが描かれている。

引き返すどころか、直ぐに列車に飛び乗り釧路に向かった。
だが、釧路は既に暮れかかっており、着いたときには美術館の閉館時間はとっくに過ぎていた。

裏口から、ここへ来た経緯を話すと、親切にも入館が許され、一人美術館で高坂の作品を鑑賞することになった。
全て大作で、他の著名な作家の作品を圧倒していた。

翌朝早く、列車で根室に向かう。
釧路から乗ってきた高校生達が途中で下車すると、乗客は私一人、単線でのんびりと運転手さんと話をしているうちに根室に着いた。
漁師町で、通りには人も少なく、何とも寂しい最果ての町に来たようであった。

高坂さんはその町で文房具屋をやりながら絵を描いていた。
家に上がると、年相応の高坂さんがいて、作品が並べられている。
どこにそんなエネルギーが潜んでいるのか不思議なくらいに大作が並んでいる。
短い春に一斉に芽吹く草花を愛しむように描いているのだという。

美術館同様に作品に目を奪われた。
私は今もそうだが、当時から若手作家の企画をしていて、70歳の作家さんのアトリエを訪ねるのは初めてと言うと、 私は50から絵を描き始めたので、まだ20歳ですよと言われてしまった。

ディレクターや学芸員が推す意味がこの2日間でよくわかった。
それが2001年の個展に繋がり、美術館にも収めることにもなったのだが。

結局丹頂鶴は見ることはできなかったが、高坂さんという稀有な作家に出会うことになったのである。

久しぶりに高坂さんの絵を見に釧路に行こうと思っている。

リーフレットより
根室の路傍に息づく草花を愛おしみ、描き、風に揺れるすがたに、自らの心の光と影まで託した画家、高坂和子(1924-2005)


2月17日 台北

2月22日から始まる中村萌展の準備で中村萌、スタッフの島田は一足先に台北入り、

既に主催するモンスター台北では会場の設営が始まっている。
島田は運送業者とともに今回借りることになっている作品の集荷で飛び回っていて、今日は台南のお客様のところに朝早くから向かっている。

コロナウイルスが心配されるが、今のところ日本よりは台湾の方が安全のようだ。
 それでも万全を期して、会場入り口ではアルコール消毒、マスク着用を義務付け、体温測定の機械も設置することになっている。

一般公開に先立って、21日はメデイアへの公開、夕方からはご招待のお客様にお越しいただき、レセプションを予定している。
フィギュア作品は主催するモンスター台北の意向で、会場に入場した人で、グッズを購入した人だけが抽選に参加できるということになった。
混乱と転売をできるだけ防止するためなのだが、それでも誰にでもチャンスがあるということでこのような方法を取ることになったようだ。
多くのお客様から予約の問い合わせが来ているが、悪しからずご理解をいただきご了承のほどよろしくお願いをしたい。

チケットは先行販売は完売しており、後はネット販売、コンビニもしくはモンスター台北にて購入することになっていて、当日売りはないのでご注意いただきたい。


2月14日 画集

台北の文化創園区で21日から開催される中村萌個展に合わせて画集が発刊されることになった。
スタッフの島田が頑張ってくれたおかげで糸綴じの素敵な画集となった。
帯と表紙もうまくマッチングされていて、島田とデザイナーの工夫の跡がうかがえる。

手に持ちやすく、難しいコメントもなく、中村萌の作品に対する思いがインタビューの形で述べられているくらいで、後は画像をメーンにこの10年を振り返ることができる。

併せて3種類のトートバッグも出来上がってきた。
他にも大判のカードやピンバッジなどグッズ類も販売されることになっている。

また新作のフィギュアも2種類紹介する予定だが、香港で制作していて、コロナウイルス騒ぎで果たして会期に間に合うかどうか気を揉んでいる。

画集のサイン会やフィギュアの抽選も予定されているが、衛生管理をしっかりして、来ていただくお客様の健康に留意しなくてはいけない。

滞りなく展覧会が行われることを願うばかりである。


2月13日 印象記

紋谷幹男氏の北村展、門倉展の印象記を紹介します。
いつもありがとうございます。

北村奈津子展

展覧会タイトルは、ー夢ばっかみてるー。

筆者も含めて、人は「夢ばっかみて」います。
※と、勝手に想像しています。
現実を見ることと、夢を見ることは
生きることの表裏のようです。

夢を見ることで見えたことを現実にしてゆくことが
人生ならば、
アートは、
夢を見ることで見えたことを作品にしてしまいます。

もちろん、作家の夢は、
体表に動物をくっ付けて生活することではなく、
夢がこのように見えてきたのでしょう。

飄々としていて、優しくて、
皆が踊り、歌っています。

見えてきたことを作ってみたら、
ああ、これが夢だったんだと、気付く。
そんな印象でした。

門倉直子展

展覧会タイトルは、ー世界は色付き私は透明になるー。

綿布に油彩で描かれた女性像。
目が見る側の感覚を揺さぶります。

ポートレートとは異なり、
特定のモデルの特長を捉えたのではなく、
何枚も描いているうちに、
女性の現実が、
少しずつ姿を変えて現れ出てきたようです。

一見イラスト的ですが、
メッセージ性はなく、
筆のタッチの覚悟には、
やり直しが効かない絵画性に満ちています。

かすかな感情は、
日常の中で消え失せますが、
画面の臨場感がそれを留めている。
そんな印象でした。


2月12日 京橋界隈

1980年から1992年の間、京橋にあってヨゼフ・ボイス、イミ・クネーベル、トニー・クラッグ、ハミッシュ・フルトン、ダニエル・ビュランなど ヨーロッパの現代美術をいち早く取り上げ、その後八重洲に移転し、版画家・藤巻義夫の情報収集に没頭する傍ら、130の展覧会を企画し、 「ひとこと」と題する案内を兼ねた一枚の書簡を送り、展覧会を重ねてきた画廊「KARANSHAかんらん舎」 がこの2月をもって閉廊することになった。

この界隈ではちょっと知られた名物画廊で、小さなスペースであったが、独自の視点で企画を続け、画廊主である大谷氏の奔放だがどこか人を惹きつける魅力もあって、 多くの好事家に愛される画廊であっただけに、閉廊の知らせに一抹の寂しさを禁じ得ない。

私が京橋に画廊開いて36年が経つが、その当時京橋にあった画廊も閉めたり、移転をしたりで、だいぶ様変わりしてきた。
当時は銀座が画廊の中心だったが、京橋にも個性的な画廊が集まり出したこともあって、私の提唱で「京橋界隈」と銘打って、 京橋周辺にある11の画廊が同時に展覧会を開催して、京橋を新たなアートエリアにとの意気込みで、共同イベントを始めることになった。

その11の画廊も4軒がなくなり、3軒が移転をして、今は4軒しか残っていない。
「京橋界隈」もその後画廊の入れ替わりはあったが、2014年の20回を最後に終わりを迎えた。

かんらん舎の閉廊も画廊主の高齢化という抗しがたい事情があり、私も他人事ではなくなってきた。
今残っている4軒のうち3軒も後継者がおらず、そんな中にあって、なんとか私は最後までこの地にしがみついていたいと思っている。

2月10日A 中村萌個展開催決定

2月22日から開催予定の台北での中村萌個展は予定通り開催することにいたしました。
主催するモンスター台北と今回の肺炎騒ぎで開催について慎重に協議を重ねてまいりましたが、今夜正式に開催することをを決定いたしました。
多くの台湾のファンが待ち望んでいることでもあり、中村萌も是非やりたいとの思いも汲んで、万全の態勢で実施することにいたします。
台湾への入国禁止となっている中国や香港の方には今回は残念ですが、次の機会に是非見ていただきたいと願うと同時に、一日も早く新型肺炎が終息し、 皆さんの息災を心より祈っております。
台湾や日本から来られる方達とは会場でお目にかかれるのを楽しみにいたしております。

ギャラリー椿 椿原弘也


2月10日 台湾から帰国

台湾から帰ってきた。

留守中、北村、門倉のどちらの展覧会も好評のようで、多くの作品が売約となっていて、こんな時期だけに大変ありがたいことである。
特に嬉しかったのは、外出することもできない武漢のお客様の依頼で送った門倉作品の画像から数点を選んで購入してくださったことだ。

東北の震災の時に一旦揺れる画廊から避難したお客様が、また画廊に戻り、作品を購入していただいたことを思い出す。

台南の展覧会でも、こんな最中に台湾各地から多くのお客様に来ていただき、誰も来ないのではとの心配は杞憂に終わった。

2月22日からの中村萌個展も台湾の方から多くの励ましの言葉をいただき実施することになった。
アートの底力を実感している。

2月7日A 松川栞個展

いよいよ個展が始まる。
まずは画像を見てもらいながら作品の繊細さや遠近法について解説する。
その解説を聞いた上で作品を見てもらうと、よりその凄さを感じ取ってもらえる。

画廊には予想以上に多くの人にお越しいただき、台北、台中、台南、高雄から私どもがお世話になっているコレクター、画廊の方もお見えになり、順調な滑り出しとなった。
皆さんは21日からの台北での中村萌展にもお見えいただくことになっていて、ありがたいことである。

終えて、ダーフォンギャラリーのご招待で、コレクターの方達とともに台南の有名な料理店に行き、自慢の蟹おこわを始め次々と出てくる料理をご馳走になった。
韓国そうだがとにかく料理の数が多く、日本人にはとても食べきれない。

ダーフォンギャラリーの陳さんには毎度のことながら、展覧会でお世話になった上に、毎日の食事、ホテル、ゴルフ、空港への送り迎え、 その上お土産までいただくという上げ膳据え膳のご接待にはただただ頭が下がるばかりである。

感謝しても感謝しきれないが、何のお返しもできずに明日早朝の便で帰国。
せめて展覧会の成果が上がることで報いることができればと思っている。

ダーフォンギャラリーありがとう、コレクターやスタッフ、通訳の皆さんありがとう、台南謝謝。
再見‼️





2月7日 林百貨店

ホテルから画廊に向かう途中にレトロな建物の林百貨店で松川のお土産探しに付き合う。

この百貨店は昭和7年日本統治時代に日本人の林氏によってハヤシ百貨店として開業。
終戦後は百貨店は廃業となり、2014年にリニューアルして林百貨店としてオープンしたそうだ。

台南にはこうした統治時代のレトロな建物がたくさん残っている。



2月6日A ゴルフ

昼からはゴルフへ。

私が3年前に河口湖のゴルフ場に招待をしたことがあって、そのお返しゴルフで、その時のメンバーのダーフォンギャラリーの陳さんと高校時代の友人二人、 それと河口湖でもそうだったが通訳の女性が付いてくれる。

この女性は大原千広さんと言う日本人で、とてもチャーミングな女性。
台湾に10年いて中国語も堪能で、台南の大学で非常勤講師をしているそうだ。

この女性がうちで個展続ける横田尚に瓜二つ、これほど似ている人がいるのかと思うくらいで、なんとも不思議な気がする。
一度二人を対面させたい。

ゴルフは天候に恵まれ、半袖で十分で、日本はこの冬一番の寒さになっていると聞いていて、こちらでポカポカ陽気の中ゴルフを楽しめるのはありがたいことである。

クラブも用意してくれていて、慣れないクラブで不安もあったが、まずまずのスコアーで回ることができた。

ゴルフ場も台南では一番の名門ゴルフ場とのことで、キャディーさんも2人ついて、スコアーの記入から何から何まで全部やってくれる殿様ゴルフであった。

お友達の1人がフランスのゴルフウエアーの縫製工場をやっていて、ゴルフ場の中にもブティックを持っていて、そこでウエアーと帽子をプレゼントしてくれることに。
すっかりお世話になり、ただただ感謝である。

展示を終えた松川と合流し、夜はこれまた美味しい魚料理をご馳走になる。
すっかり観光気分だが、明日からいよいよ本番の個展が始まる。

小箱の中に遠近法を使ったミニュチュア世界を展開する松川の作品が、台南の人に受け入れてくれることを期待したい。



2月6日 散策

宿泊先のホテルを改めて回ってみる。

図書館のように本が置かれていて、3階にはラウンジのようなスペースがあり、そこでゆったりとお茶を飲んだり、本を読むスペースがある。

朝食もどのホテルにもあるようなビュッフェスタイルでなく、ワンプレートでクラブサンドやバーガー、サンドイッチといった数種類の中から選んでオーダーする。

ホテルの周辺も散策してみる。
台南美術館、孔子廟、市場、日本の統治時代の気象台などがホテルからダーフォンギャラリーに行く間にあって、古い街並みや寺院もあり、この界隈だけで台南観光が十分に味わえる。

高層ビルはなく、新旧が混在する不思議な街である。

街を歩いているとほとんどの人がマスクをしていない。
台北のモンスター台北の社長からだいぶ驚かされたが、台南では肺炎騒ぎとは無縁のようだ。
但し、マスクを買うには制限があるそうだが。

日本ではクルーズ船から多くの感染者が出たとのニュースもあり大変なことになっているようだ。
私どもも4月に予定していた中国7都市を巡る展覧会も延期することにした。
3月開催予定のアジア最大のアートフェア・香港バーゼルも中止となったようだ。

このまま台南にいた方が無難なのかもしれない。





2月5日A ランタン祭り

台南に到着。

用意してくれたホテルはお洒落なデザイナーズホテル。
すぐ目の前には昨年オープンしたばかりの台南美術館。
日本の建築家坂茂氏デザインによるキュービックでモダンな建築で古い街並みの中で一際目立っている。

チェクインして夕食へ。
居酒屋風の焼き魚と書いてあるお店へ。
新鮮な魚が売りのダーフォンギャラリーオーナーの陳さんお気に入りのお店だそうでどれも美味しい。

お店の前の通りは小正月でランタンが通りに連なっている。
すぐそばに屋台があり、台南ならではのお菓子が売っている。

松川は明日展示の準備をし、私はゴルフへ。



2月5日 台南

台南のダーフォンギャラリーで7日から松川栞の個展が開催されることになり、松川と共に台南へ向かう。
成田から高雄行きだが、初めて格安航空に乗ることに。
行きはタイガーエアー、帰りはピーチ航空。
座席が狭いみたいで、73歳にはきついかな。

台湾も新型肺炎騒ぎで大変みたいだ。
去年の8月から中国は香港の二の舞を警戒して,個人の台湾渡航を禁止していると聞いていて大したことはないと思っていたが、 20日から中村萌の個展を主催するモンスター台北の黄社長が防塵マスクとゴーグルをつけてくるようにと言ってきて、ちょっと不安。
とりあえず、スタッフが花粉症用の眼鏡を買ってきてくれた。

展覧会前日の明日はダーフォンギャラリーのオーナー陳さんの招待でゴルフをすることに。
以前から誘われていたが、ようやく実現。
荷物になるので、向こうでクラブは借りることに。

弘法筆を選ばず。 松川にとっては初の海外での個展だが、いい結果を期待したい。

1月31日A 門倉直子展

GT2 では今どきの若い女性を描写する門倉直子展も明日から開催となる。
従来の表現から色彩を削ぎ落とし、墨絵のような表現に変化した。
タッチも荒々しく、絵に凄みが出てきたようだ。
沸くように描いたようで、全てはとても飾りきれない。
展示以外の作品は手にとってご覧いただきたい。



1月31日 北村奈津子展

今回の個展のタイトルは「夢ばっかみてる」である。

北村の作品にはいつも多くの小動物や鳥が出てくる。
その動物達や鳥との微笑ましい触れ合いがテーマになることが多い。

人が夢を見ているのだろうか。
多くの動物がのんびり寝ている人の上に同じようにまとわりついて夢を見ている。
何とものどかでゆったりした情景である。

飼い主と犬や猫が戯れあっている。
Nice Guyはたくさんの動物達が体にまとわりつく愛すべき人物なのだろう。
もしかするとモテ期なのかもしれない。

時には激しい動物の愛が身体を貫く。
鳥の団地もある。
ご機嫌な大根たちも会場に鎮座する。

楽しくもユーモラスな情景が展開される。
肺炎騒ぎですさんだ心を癒しにきませんか。





1月29日 中国展

新型肺炎が中国で猛威を振るっている。
日本を始め諸外国にも感染は広がり、不安はつのるばかりである。

4月から7月にかけて中国7都市で私どもの作家30名による展覧会が予定されていて、果たして実施できるのか心配になってきた。
参加を予定している作家さん達も動揺しているに違いない。

恐らく発表される中国の感染者や死者はそんな数字ではないと思っている。
そんな時にのこのこ出かけて行って、展覧会ををやっていいものか、それどころではない状況なのに決まったことだから展覧会は計画通りにやって欲しいとはとても言えない。

今日も中国側と連絡を取り、無理なようなら延期もしくは中止もやむを得ないと伝えてある。

ただ私の考えは正直なところ真逆なことを考えている。
こういう時だからこそ迷惑でなければ展覧会を本当はやりたいと思っている。
アートの力がどのくらいあるかは知らないが、不安に慄き身を竦める人がいるならば、展覧会を開き中国の人たちに見てもらい、 少しでも癒しになったり、勇気付けることができるならと思う。

神戸の震災の時に避難所に行って歌を歌い続ける人がいたそうだ。
こんな時に何だと思う人もいたそうだが、だんだんと人が集まりじっと歌声に耳を傾ける人たちが増えていったという。
物資を送ったりボランティアで被災地で復旧に手助けをする人もいるが、音楽が被災者の人たちの救いになっていることを知った。

原発事故の風評で疎開先でいじめにあったり、海外で福島の野菜や魚の輸入を禁止した国も多い。
もう少し被災地や被災者の身になって考えたらどうなのかと思ったものである。

中国の人たちを避けるのではなく、寄り添うことも大事ではないかと私は思う。
参加者が減っても私はできれば展覧会をやりたいと思っている。

中国の関係者にもその思いは伝えてある。

1月28日 SEVEN ARTISTS

名古屋松坂屋美術館で1月25日から2月16日まで開催されている「SEVEN ARTISTS」に、私どもや不忍画廊で発表を重ねる呉亜沙が参加した。
佐藤美術館の立島恵氏による監修のもと、現代アートシーンの最前線をいく岩田壮平、入江明日香、山本大貴など若手七人による夢の競演と謳った展覧会でそれぞれが大作を出品していて、 私のところのお客様からお借りした2点の大作も展示されている。



1月24日 中村萌個展

年末から再々ご案内しているが、中村萌の台北での個展の案内や新作フィギュア、雑誌の記事などが次々に主催をするモンスター台北からFBなどで紹介された。

紹介と同時に多くの問い合わせがわたしどもに来ているが、全てモンスター台北に問い合わせるようにお願いをしている。
入場チケットも毎日ネットで限定販売されていて、即日完売のようだが、日が変われば購入できるようなので安心していただきたい。

彫刻、絵画合わせて60点の展示の予定で、全て台湾の客様からお借りして展示をする。
酒造工場跡地の会場は大きく、中村の友人のデザイナー達の手で素敵な空間になるはずで、さらには会場で中村のドキュメンタリー映像も上映され、 来場者がより楽しめる空間になっている。

オリジナル作品は非売だが、画集、トートバッグ、ピンバッジなどのアートグッズとともにに新作フィギュアも販売されることになっている。

こちらの購入についても混乱が予想されるので、私どもではなくモンスター台北に問い合わせていただきたい。

2月22日から3月8日まで開催されるので、台北まで行ってみたいと思われる方は是非のお越しをお待ちしている。




1月22日 クレパス画展

3年前になるだろうか画材メーカーのサクラクレパスの依頼で、製品のクレパスを使って描くクレパス展の依頼が来た。
この時は女性作家だけということで、10人ほどの私どもの作家を紹介させていただき、小磯良平や岡鹿之介、林武、梅原龍三郎、宮本三郎、三岸節子、 山口薫、岡本太郎、猪熊弦一郎、吉原治良など著名作家のクレパス画と共に堀込幸枝、富田有紀子、服部知佳などが、大阪本社にあるサクラミュージアム、 サクラクレパスの創業者が創立した鳥取にある日南町美術館にコレクションとして展示されている。

今回もまた出品の依頼が来て、今回は女性に限らないということで、私どもから20人の作家を紹介し、クレパス画を発表してもらうことにしている。
世界的にはオイルクレパスと呼ばれているが、同社が最初に開発したことでクレパスと命名して商標登録され、会社の名前にもなっている。

パステルの色彩の美しさと、クレヨンの定着性の特性を生かした画材で子供からプロまで使われている画材である。

会期は9月から12月にかけてで、大阪と鳥取のミュージアムで展示されることになっていて、まだ未定だが、東京でも展示される予定である。

1月17日 綿引明浩展印象記

年を越してしまったが、いつものごとく紋谷幹男氏が展覧会の印象記を送ってくださった。

暮れに送ってくださったのだが、うっかりしていて、今日ご紹介させていただく。
展覧会も好評で、小品を含めると100点を超える作品が売約となった。
皆様に感謝です。

展覧会タイトルは、ーNostalgia「寓話的風景」ー。

透明アクリル板の裏面から描く
オリジナル絵画技法「クリアグラフ」による平面、立体作品。

平面作品のモチーフは街で、
陶瓦が葺かれた切妻屋根の
小さな四角い窓がポツポツ空いた家や、
不思議な塔が、寄り添う、
中世ヨーロッパらしき集落です。
立体作品は、
その一画での出来事の様です。

この集落の日常は、
作家が創り出した歴史と生活、神話のなかで起こる、
夢で見たかのような
懐かしい幻想的な場面です。

不思議な時間が魅力的なら、
そこで彷徨うことも魅力的。
そんな印象でした。





写真:紋谷氏撮影

1月16日 松川栞

日テレNEXTクリエーターにて2月に台南のダーフォンギャラリーで個展を開催する松川栞が紹介されました。
奥行20pの木箱。のぞき穴をのぞくと、驚くほど精巧なミニチュアの世界が広がる、その名も「ワンダー・スケール」。 斜めに傾けたパーツを作る事で、遠近法により、小さな箱のなかで、奥行きを演出。さらに色づけでは、奥に行くほど徐々に薄くするなど、 より立体感をだす工夫を凝らしている。




1月15日

2月22日から3月8日まで中村萌の初の海外個展を、台北にて開催する運びとなりました。
台湾でコレクションされた作品約40点を一堂に集め、中村萌の今までの活動を振り返る展示となります。
会場は、台北中心部にある100年前の日本の酒造工場ををリノベーションした文化複合施設「華山1914文化創園区」となります。
会場では中村萌の画集やアートグッズが販売されます。
お越しをお待ちいたしております。

1月11日A 堀込幸枝個展

奥のスペースでは堀込幸枝個展。

何層にも塗り重ねられた強靭なマチエールは相変わらずなのだが、今回新たなオイルを使うことで透明感が増し、重ねられた色彩が重なり合って表出する独特の色感が浮き上がる。
テーマもビンやコップといった透明な物質を通して見える色彩から、作者が垣間見た情景を独自の形と色合いで切り取り表現するように変化してきた。
テーマや形は違えども美しい画面に変わりはない。



1月11日 ジャンポール・ブレ/西村陽平

西村陽平はだいぶ間が空いたが、私どもで何度か発表をしている作家で、陶芸家ではあるが土を焼くのではなく、 雑誌や辞書などを焼成したり、アルミ缶といった形のある物質を焼いて、新たな造形を作り出す型破りな陶芸家である。
ブレは西村の紹介で私どもではというより日本で初めての発表となる。
日本に憧れ、作品も日本的な情緒感を持った作風である。
木を彫り一見漆と思えるような色合いで多様な形を表現する。

二人の作品が見事に融合し、相互に補完する展示となった。




1月9日 仕事始め

今日から仕事始め。
長い休みを終え、気持ちを引き締め新たな一年に迎えることになる。

今年はオリンピック・パラリンピックイヤーでもあり、多くの海外からのお客様を迎えることになる。
私どもも海外の展示会に出るようになって20年になるだろうか。
海外のコレクターや画廊とのお付き合いも深まり、昨年は多くの取引が海外からの注文によるものだった。
また、海外から画廊を訪ねてくるお客様も多く、そのフットワークの良さは驚くばかりである。
こうした流れに対応すべく、昨年から画廊は免税店の手続きを進め、ようやく今日認可が下りるとの連絡があった。

もう10年位なるだろうか、画廊ではスタッフは毎週ネーティブの先生による英会話の勉強をしていて,日常の会話には困らなくなってきたようだ。
更には、昨年の9月には韓国出身のスタッフが入り、ニューヨーク大学の英語教育を専攻していたこともあって、韓国語はもちろん英語でのメールや翻訳、書類作り、 通訳など大いに役立ってくれている。
4月からは中国の7都市を巡る展覧会があり、今まで以上に中国、台湾、香港のお客様が多くなることが予想され、中国の留学生をアルバイトで雇うことにしている。

このように画廊のあり方も美術市場のグローバル化により、大きく変貌を遂げ、今年は更にそうした傾向に拍車をかけることになる。

展覧会も台湾を皮切りに中国7都市、韓国があり、早々にローマ、ロンドンの画廊が展覧会の打ち合わせでやってくる。
他にもシカゴ、シンガポール、ジャカルタ、バンコックとの取引があって、昨年以上に忙しくなりそうだ。


1月2日 帰京

目一杯遊んで食べて飲んで今日帰京。
ずっと曇天や雨ばかりだったのが、今日になって太陽が燦々と輝いていて、さすがの雨男と家族から言われる。
昨夜は夕食後に毎晩行われるショーが子供達によるキッズショーということで孫がバレリーナに扮して踊ることに。
可愛い子供たちのショーに満員の会場は大フィーバー。
クラブメッドは大人はもちろん子供ののためのプログラムもたくさん用意されていて、飽きさせることがない。
いい思い出ができたことだろう。



1月1日 新しい年

新年明けましておめでとうございます。

新しい年を迎えました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
皆様にとりましても幸多い年となりますよう願っております。

石垣島での初日の出を見るべく朝4時起きで山に登りましたが、厚い雲に覆われ残念ながら見ることができませんでした。
天候には恵まれませんでしたが、一日フルタイムで遊び且つ食べました。
朝昼晩とブッフェスタイルで盛り沢山の料理が出て胸焼けをしています。

あっという間の五日間でしたが、クラブメッドで過ごす休暇は私たちはもちろん娘夫婦も孫たちも存分に楽しみ、充実した年末年始を過ごすことができました。

今度の年末年始は北海道サホロにあるクラブメッドで家族全員が年末年始を過ごすことができればと思っております。

そのためにも私は休んではいられません。
皆様のお力添えよろしくお願い申し上げます。



12月31日

石垣島も案の定雨男の私が行ったことで一昨日は1日雨、昨日も午前中は大雨だったが、午後にはようやく晴れ間も見えて、 娘と孫は目の前のプライベートビーチでシュノーケリング。
魚がたくさんいるのだが、孫は怖がって先に行こうとしない。
昨日はグラづボートでウミガメや色とりどりの魚を見たので、喜んで魚を見ると思ったがプールと違って海は浅くてもまだ怖いようだ。

泊まっているクラブメッドの施設内には子供が喜ぶプランがいくつもあり、宝探しをしたり、ビンゴゲーム、ダンス、Tシャツを染めたり、 ピザを作ったりと盛りだくさん。
大人も卓球やスカッシュ、ダーツ、ビリヤード、ヨガなどがあって、海に行かなくても十分に楽しめる。
雨が上がればウィンドサーフィン、カヌー、ダイビング、ビーチバレー、バスケット、テニス、アーチェリーなど多種のスポーツが楽しめるのだが、 今日はまた台風並みの強風と寒さ。

娘夫婦は朝早くから西表島にカヌーでのジャングル巡りに出かけたが、強風の中大丈夫だろうか。
孫たちは一日中面倒を見てくれるキッズクラブに預けたが、老夫婦はやることがなく、料理教室があるというので行くことに。




12月30日 今年も終わり。

今年も残り僅かとなりました。
ギャラリー椿は12月29日より1月8日までお休みをいただきます。

今年一年皆様に支えられ、つつがなく過ごすことができましたこと、厚くお礼申し上げます。
新しいお客様や新たな作家との出会いもあり、実り多い一年でもありました。

価値観が多様化し、従来の評価が大きく変わってきた昨今でありますが、ギャラリー椿は足元を見つめ、作家とともに一歩一歩前に進み、 ギャラリー椿らしい作品を皆様に紹介して参りたいと願っております。

どうぞ皆様にとりましても、来年が希望に溢れる素晴らしい年になるよう祈念いたし、本年のご挨拶とさせていただきます。

尚、1月11日より1月25日まで堀込幸枝個展、ジャン・ポール・ブレ/西村陽平二人展で幕開けとなります。
皆様のお越しを待ちいたしております。


12月27日 石垣島

今日は木枯らしが吹いていて、今年一番の寒さを感じる。

画廊は明日までだが、私は一足早く娘家族と一緒に石垣島で年末年始を過ごすことにしている。
暖かな石垣島でシュノーケルやカヌートリップと思っていたが、向こうの天気を見てみると、行っている間に晴れ間が見えるのは1日だけで、29、30、31、と雨模様。
気温も22度前後と寒くはないが暑くもなく、海で遊ぶには今ひとつのようだ。
以前に同じ正月に石垣島に行ったが、この時も寒くて、長袖のシャツを買ったことを思い出した。

ここはクラブメッドという食事も遊びも全てインクルードされたとこで、キッズクラブというのもあって、 孫たちはそこで一日中スタッフに遊んでもらえるので、親や私たちは子供とは別の計画を立てているのだが、どうやら思い通りには行かないようだ。

まあゆっくりと南国の海を眺めながら、本でも読むことにする。

改めて向こうから年末年始のご挨拶はさせていただくが、まずは今年も大変お世話になりました。皆様どうぞ良い年をお迎えください。


12月26日 年の瀬も迫り

年の瀬も迫り、画廊は29日から1月8日までお休みをさせていただく。
綿引個展は28日(土)ギリギリまで開催をしているので、まだの方は是非お越しいただきたい。

来年も1月11日より西村陽平・Jean Paul blaisの二人展と堀込幸枝個展が予定されている。

海外の展覧会も2月22日より3月8日まで中村萌の10年を回顧する大きな展覧会が100年前に建てられた日本統治時代の酒造工場を舞台に開かれることになっていて、 台湾のお客様から約40点の木彫作品をお借りして展示し、それに加えて新たなフィギュア、画集、アートグッズなどが販売される。

同じ台湾では台南のダーフォンギャラリーで2月7日から3月2日まで松川栞のスコープ展が開催される。

4月には上海対外文化交流協会、中国女子書画会の招待による「21世紀日中現代画家展」が開かれ、上海を皮切りに青島、大連、北京、重慶、広州、杭州の7都市の会場を回ることになっている。
これには日本側から私どもで発表をしている30名のアーティストが招待され、各作家の大作が2点づつ展示されることになっている。

会期は4月18日から7月16日までで、各都市に30名のアーティストが順に招待され、飛行機代、ホテル代がサービスされることになっている。
さらにレジデンスプログラムとして、3名を選び上海にてアトリエと住居、生活費が提供され、半年間そこで制作をしてもらうことが検討されている。

ということで、どうやら来年も忙しい一年になることは間違いない。

中村萌の会場を写真で紹介させていただく。


12月25日 クリスマス

今日はクリスマス。
多くの人からクリスマスメールをいただいた。
素敵な動画や画像もいくつもあり、どれもが心のこもったジーンとくるもので、どうやらカードよりこちらが主流になりつつあるようだ。

昨夜のイブは孫たちとホームパーティー。
以前は朝から私の手料理を振る舞ったものだが、寄る年波もあって、レストランでの家族の集まりが多くなっていたが、久しぶりに我が家でパーティーを開くことになった。

家内の提案でなんとクリスマスなのに手巻き寿司とお煮しめ(鬼嫁ではありません)、味噌汁という純和風の料理でやることに。
お寿司には家内の母直伝の京風稲荷も加わった。

孫たちにもサンタのプレゼントとは別にそれぞれにゲームのプレゼントを贈り、食後はゲームで大盛り上がり。
ホームパーティーは周りに気兼ねすることなく、孫たちも飛んだり跳ねたりの大騒ぎができるので、ここしばらくはこれでいくことにする。
ただ私の手料理が出るかどうかはわからないが。

以前の私の手料理の写真も紹介し、ちょっと自慢。
全て私が料理したもので、テーブルに乗りきらない。


12月19日 山本麻友香個展

釜山のギャラリーWOOが画廊を移転し、そのオープン記念展で山本麻友香個展が昨日から開催されている。
こちらにも購入可能かの問い合わせが多数来ていて、直接ギャラリーWOOに問い合わせていただきたいと伝えたが、既に全作品売れてしまっているようでありがたいことである。

韓国では以前から山本麻友香の作品は紹介をしていて、多くの山本ファンがいるのだが、 ここにきて台湾を始め海外から多くの問い合わせが殺到し、今回も台湾のコレクターが20人ほどが個展会場を訪れるそうである。

ギャラリーWOOhは今までは釜山の海雲台という美しい海岸を前にしたリゾートホテルの中にあったのだが、ここのホテルが閉じることになり、 新たに今度は釜山の山の中にあるリゾートエリアのゴルフ場の中に画廊をオープンした。

今度の画廊も自然に囲まれた素敵な場所にあり、私は残念ながら他の用事があって行くことができなかったが、山本夫妻が招待されてオープニングに出席した。

私は改めて年が明けたらお祝いを兼ねて行ってこようと思っている。



12月18日 印象記

既に終わってしまったが、紋谷幹男氏の伊津野雄二展の印象記が送られてきたので、紹介させていただく。
いつもながらだが、紋谷氏の展評は私では気づかない作品の奥深いところまで掘り下げてその印象を述べ、 更には適確に作者の制作意図を捉え、紋谷氏の作品に対する熱い想いが伝わってきます。

作品に対する文章の巧みな表現力にはいつも感心させられるばかりですが、こうした論評を毎回のようにいただけることは大変ありがたく深く感謝をしている。

伊津野 雄二の木彫作品には、
人物の肉体の、造形的再現ではなく、
人物の肉体が言葉となる詩のようで、
鑑賞と理解が同時に脳内で起こるような
不思議な刺激と心地良さがあります。

立体作品は、文字通り3次元なので、
様々な視点からの鑑賞が前提になりますが、
直観的に、これらの作品には、
正面がより強く意識される、
絵画的要素が感じられました。

深く大きな息吹が作品に満ちています。

旋律のように、丁寧に選ばれた形と色は
光を受け、自身も光になる。
そんな印象でした。



12月14日 綿引明浩個展

今日から綿引展が始まった。

ピッコロ版画という小版画から、それを50点組み合わせて一つの作品にしたり、ピッコロ版画をアニメに変えてみたり、 綿引独自の技法でクリアグラフという透明アクリルに裏から描いた作品を2枚に重ねて立体的に見せたり、アクリルを切り抜いて立体作品にしてみたりと多様な表現の作品で会場は満艦飾。

モチーフが溢れるように出てくる天才綿引の魅力が存分に発揮されている。
色彩も華やかで、クリスマスにふさわしい華やいだ展示となっている。




12月7日 北武記念絵画館

札幌にある北武記念絵画館が長年私どもで発表を続ける河原朝生の大作を中心に27点の作品を収蔵することになった。
この絵画館はIT、医療、福祉、食品、土木、文化、管理など7つの事業を展開する北武グループの小西政秀会長が収集した具象洋画と 浮世絵を始めとした木版画のコレクションが中核をなしていて、現在は財団として地域の文化啓蒙に貢献をしている。
美術市場が若手や海外の評価に流れる中、日本においての長いキャリアの中で地道に制作をしている作家にスポットライトを当てていただいたことはとても嬉しいことである。
2年前にも香港の美術館が河原の個展の作品の多くをコレクションしていただいたことがあり、他にも寺田コレクションとしてオペラシティギャラリーにも多くの河原作品が入っていて、 内外で河原の作品を見る機会が増えたことは何よりのことである。



12月6日 職場訪問

ロータリークラブの職場訪問で前回のNTT東日本の通信システムの見学に続いて、今回はJRの東京総合司令室を見学することになった。
首都圏を中心とした24線区約 1300km、一日の運転本数8000本、利用客数1400万人の運行管理をここで行っている。
ここは関係者以外は全く立ち入ることのできないところだが、クラブ会員の案内もあって、NTTの時もそうだったが特別の許可いただいて見学を許された。
司令室は輸送指令、運用司令、営業運輸司令、設備関係司令の4つのセクションに分かれており、24時間体制で150名(総数500名)が同じフロアで運行管理を行っている。
中に入ると、それぞれのセクションでモニターを見ながら、入り組んだ細かいグラフを書いている。
大きなモニターには全路線の車両が動く画面が出てきて、こまねずみのように車両が動くさまが映し出される。
ここの管理システムが車両、駅、乗務員、保安職員と連携し、首都圏の安全、安定輸送を守っている。

ここの見学を終え、次に向かったのは東京駅。
駅長室の案内され、立派な室内の壁には歴代の駅長の写真とともに、初代総裁の後藤新平の書や横山大観から寄贈された富士山の大作が飾られている。
続いて松竹梅と三室ある貴賓室に案内された。
梅の間には東山魁夷の雪景色や安井曾太郎の丸の内風景、有島生馬の絵画などが飾られていた。 天皇皇后陛下が休まれる松の間には玉座が置かれ、その正面の壁にも横山大観が陛下のためにと寄贈した桜と富士の名品が飾られている。
皇居から一直線で行幸通りを通ってこの部屋で休まれ、下に続くホームに向かうとのこと。

今日一日滅多に見ることのない場所に案内され、貴重な経験をさせてもらった。

12月5日 山本麻友香展

12月19日から韓国釜山のギャラリーWOOの画廊移転記念の展覧会「山本麻友香展」が始まる。
出品作品の一部を紹介させていただく。
多くの購入希望の問い合わせが私どもにきているが、作品購入についてはギャラリーWOOに直接問い合わせていただきたい。
ギャラリーWOOは南仏の海岸を彷彿とさせる釜山海雲台のビーチを目の前にしたホテルの中にあったが、そのホテルが閉めることになり、 新たに移転し、釜山の山の上にあるゴルフ場を併設するリゾートの中に画廊を開くことになった。
オープニングに招待されているが、今回はスケジュールが重なり行くことができないが、山本夫妻は行くことになっている。

ギャラリー椿でも来年5月に「山本麻友香新作展」を予定している。
ご期待をいただきたい。




12月3日 早いもので

早いものでもう12月、もうちょっとでお正月なのだ。
12月と云うと先生も走り出すわけで、私のところも何かと気ぜわしい。

伊津野展が終わると、綿引明浩展が始まる。
いつものようにクリスマスの時期にふさわしいカラフルでウキウキするような作品が並ぶ。
楽しみにしていただきたい。

海外もこの一年忙しく、スタッフも休む間もない日が続いた。
そんな中で、12月1日の台湾のオークションに中村萌のオリジナル作品4点と新作を除くフィギュアの作品が一まとめで出品され、その落札結果が届いた。
全て売価の10倍、20倍の価格で落札され、一番高いのは手数料を入れると1000万円を超える価格で驚くより怖くなってきた。

また、フェースブックでは投稿グループ(KAWS,草間弥生、奈良美智、村上隆、中村萌、バンクシー)というのまで出来ていて、 大御所の中に彼女が入っているのが何ともこそばゆい感じがしてならない。

人気が出るのは大変ありがたいことだが、市場が過熱しすぎて、この先どうなるのか心配である。

私も作家もこうした状況に惑わされず、足元を見つめながらじっくり進むことが大切で、手綱を締めて次のステップに向かわなくては行けない。

11月30日 クラス会

今日は大学のクラス会。

10数人の元気な連中が集まった。
とはいえ、何人かは病魔を乗り越えたりで、今回来れない中には亡くなったのも多いが、闘病中のクラスメートも何人かいる。
先日も高校のヨット部の同期がなくったり、ゴルフで親しくしていた友人も亡くなったとの知らせを受けた。

この年になれば、そういうことがあっても不思議ではないが、私のように大した病気もせずにここまで来たことは何よりでクラスメートの中にも同じように 病気一つしたことのないのもいる。

ただ大病をした友人が言うには、60代までに病気しても体力があり、手術に耐えられたり、回復する力もあるが、70になって大病すると、 体力がなくなることもあって、死に至ることが多いと怖いことをいう。

ここまで元気でいられたので、それほど生きることに未練はないが、画廊のことや扱う作家さん達、 そして家族や友人のことを思うとやはり元気でいなくてはいけないと思う。

来年のクラス会も全員健康で元気な顔が揃うことを願うばかりである。

11月26日 木下雅雄

新たに私どもで扱わせていただく木下雅雄を紹介させていただく。

木下は東京造形大学で彫刻を専攻し、村上隆が主宰する「GEISAI」に出品しグランプリを受賞する。
このときの審査員の一人であったおもちゃ美術館館長で北原コレクションで知られる北原照久氏の目に止まり、そのコレクションに木下作品が加わることとなった。
当時は人体の筋肉を造形的に表現した人体像を制作していて、木下作品とは知らずに画廊の近くにあるエドグランでその作品を見たことがあり、 インパクトの強い作品に目を奪われたものである。
このエドグランでは常時北原コレクションが展示されていて、その時に偶々見たのが木下作品であった。

次に彼の作品を見たのは文化村ギャラリーで開催された驚異!「セラミック・スカルプチャー〜奇々怪々な異形たち」であった。
ここには私どもで発表をする木村繁之、塩澤宏信が参加していて、その中にそれこそ異形の作品が目に止まった。
中世の騎士かSFに出てくる戦士のようないでたちで、頭は猫やうさぎのような頭をした奇妙な作品なのだが、他の作品を圧倒するような存在感があり、 担当のY氏にこの作品に惹かれた旨を伝えた。

そこから木下本人に話が伝わったのだろう。
画廊に資料を持って訪ねてきたのである。

資料を見て驚いた。
北原コレクションで見た筋肉人体像があるではないか。
聞いてみると、以前はそうした作風だったが今は文化村で見たような作風になっているとのこと。
私も今の作品のほうに惹かれる。

ということで縁ができ、木下作品を扱わせていただくことになった。
作品のいくつかを紹介させていただく。




11月21日 伊津野雄二展

明日から伊津野展が始まる。

伊津野の特徴である端正で気高い木彫とテラコッタの立体作品が並ぶ。

今回は木彫に新たな色彩表現が加わり、木彫の柔らかさと金属とも思える硬質な表現がされていて、新たな一面を見せてくれている。

そうした新しい面を見せながら、静謐で清楚な女性像は相変わらず見るものを引き込む魅力がある。

明後日からの連休が間に入るが、12月7日まで開催をしているので是非のご高覧をお願いする。




11月18日 TAMAVIVANT

多摩美術大学八王子キャンパス内のアートテークギャラリーにて、私どもで発表を続ける井澤由花子が参加していることもあり、見に行ってきた。

この展覧会は多摩美術大学美術学部芸術学科構想計画設計ゼミのカリキュラムの一環として、学生中心となって企画構成運営する現代美術・芸術のアニュアル展である。 多くの作品と出会い、出会った作品群の中より「現在」を感じる作家を選び、作品の選択を作家と共にしてきた展覧である。

広大なギャラリーで見る井澤作品は、私どものギャラリーで見る以上にインパクトがあり、水彩とは思えない色彩の輝きを見せていた。

水彩画という表現が油絵に負けない多様性があることを学生たちに知ってもらいたい。



11月15日 競馬観戦

明日は府中競馬場で競馬観戦。

ロータリークラブの親睦行事で仲間たちと競馬を観戦することになった。
以前にも何度かロータリーで行ったことがあり、一度は100円券で6万円の配当がついたこともあったが、今回も一攫千金を夢見て、ちびちびと馬券を買うことにする。
特別来賓室からの観戦になるが、ここではドレスコードなるものがあって。ネクタイスーツ着用となっていて、ジャンパーに赤鉛筆を耳に挟んでというわけにはいかなさそうだ。

結果は乞うご期待。


11月15日 高崎市美術館

高崎市美術館に行ってきた。

私どもで発表を重ねる木村繁之をはじめ木に関わる木版、木彫の作家4人による展覧会「詩をかたどる、詩を刻む」が開催されていて、詩情溢れる作品が並んでいる。
木村の作品は2室に分かれていて一室で木版作品、もう一室でテラコッタ、木彫の作品が展示されている。
改めてこれだけの作品が並ぶと、儚げで消え入るような作品が輝きを見せて、木村の力量を窺い知ることができる。
画廊で見るのとは違い圧巻である。
2室に続く廊下には数多くの装丁本が並び、これも長年の木村の業績の一つである。
タイトル通りの詩をかたどり、詩を刻む世界がそこには広がっていた。
心に残る展示であった。

山中現も木版画にとどまらず、木のオブジェ、ガラス絵、油彩と多様な世界を見せてくれる。
彼も私のところで2回ほど個展をしているので、私にとっては身近な作家の一人である。

深井隆の作品は美術館に併設する井上邸の庭と邸宅の部屋の中に展示されている。
古い和風の木造の家に深井の木彫が妙にマッチしていて、興味深く見せてもらった。

丸尾もうちで一回個展をしたことがあり、その時に見た甘い作品とは違う大作の力強い作品に私は惹かれた。

地味な展覧会だが、一見の価値ある展覧会であった。







11月12日 事業承継

9日の朝刊一面に事業承継の個人保証を免除と大きな見出しで出ていた。
偶々先週金曜日に開催された全国美術商連合会の理事会においても美術業者の事業継承について木村監事から事業承継税制の概要の説明がなされたところなので、 改めて事業承継について詳しく調べてみることにした。

私も73歳を過ぎて後期高齢者の仲間入りも間近となり、画廊をどのように継承していくか頭を悩ませているところであった。
今のところ借金もなく、画廊を清算してしまえば簡単なのだが、多くの作家とスタッフを抱える身としてはそうもいかない。
子供達はそれぞれ私よりは恵まれた仕事についていて、画廊を継いでくれる気配は全くない。
となるといずれはスタッフもしくは第三者に画廊を継承してもらうことになる。

そのためには新たな経営者が自社株を贈与や相続によって取得することになり、税金の問題が発生すると思っていたのだが、 平成30年度税制改正において、中小企業や私のところのような零細の会社の事業承継を一層後押しするために大きな改正がなされたのである。

2027年までの特例措置として、2024年3月31日年までに都道府県庁に「特例承継計画」を提出、2027年12月31日までに自社株を取得した場合にかかる相続税、 贈与税を100%納税猶予する「法人版事業承継税制」が創設された。
個人事業でも同様に2028年までに事業資産を取得したときに免税の適用を受けることができる。

更に新聞に出ていたように、事業を引き継いだ経営者が条件付きで借金の返済義務を負わないようにする制度が導入された。
今までは金融機関が引き継いだ経営者に借金の個人保証を強いることが多かったが、改正により信用保証協会が債務を保証することになった。

相続税、贈与税を免除、借金の個人保証をなくすことで、経営継続の推進が図れることになった。
私も偶々、別の企業の経営の継承にも関わっているだけに、こうした制度ができたことは何よりのことである。

11月11日 TAMA VIVANT 2019

先に紹介した井澤由花子がTAMA VIVANT 2019 「ART ・漂う場所として」に出品者の一人として選ばれ、展示されることになった。

この展覧会は多摩美術大学芸術学部芸術学科構想画設計ゼミのカリキュラムの一環として、学生が中心となって企画構成運営する現代美術・芸術のアニュアル展である。

まずは展示風景を紹介させていただく。


11月10日 紋谷氏の展覧会印象記

夏目麻麦個展

展覧会タイトルは、「ーscape」。
※花茎(かけい):植物において花のみをつける茎のこと。

座る女性らしき像が描かれています。
写真のようにうわべを写し撮っているのではありません。
座る女性をどう描くかというより、
座る女性の「何」を描き出すのかが
画家のテーマのようです。

それは何なのか。
見る側には何が見えてくるのか。
あるいは、画面に生じた何に気付くのか。

女性に見えるものは
絵具が塗られた平面であるという境界線まで
引き離そうとしているようです。
そこで初めて、他の何かの比喩ではない、
感情的な状況そのものが、見ているものになる。
そんな印象でした。


11月9日 紋谷氏の展覧会印象記

河内良介個展

展覧会タイトルは、ー静寂の異空間ー。

極めて緻密に描かれた鉛筆画。
ヒトが持ち得たこの能力に感嘆させられます。

描かれたのはヒトや動物のいる不思議な場面です。
特定されない、とにかく広い場所に、
レトロな雰囲気の、
乗り物や機械、時計、家具などが置かれ、
その小さな場がこの画面にとっての全世界です。

見る側にとっては意味不明の風景ですが、
これが毎日繰り返されている当たり前の出来事だと、
妙に納得させられます。

見る側の日常とシンクロするような、
そのかすかな親和性は、
絵に何が描かれているのかを読み取る責任から、
鑑賞者を開放し
その場面にすっと入り込むことができる。
v そんな印象でした。


11月5日 井澤由花子の大作

資生堂本店がリニューアルオープンして4階のレストランにわたしどもで発表を続ける井澤由花子の大作が飾られお披露目された。
レセプションには私どもの他、井澤作品をコレクションされているK氏や井澤を支援しているパトロンプロジェクトの代表菊池麻衣子氏などが招待された。
わたしが所用があって行けず、スタッフが代わりに行ってくれたが、レストランの空間に初めて描いたパノラマサイズの作品がレストランの優雅な雰囲気を より高めているとのことであった。
化粧室にも多くの井澤のお洒落な昭和モダンを模した作品が展示されている。

《銀座本店・WORD を彩るアート作品について》
人間と自然との関係性に改めてまなざしを向けることは、気候変動 による地球の未来が危ぶまれるなか、グローバルに強い関心が高ま っている昨今。特にアートの表現においても、 人間と自然との関わ りや自然に対する人間の感性を表明する作品が多く見受けられる ようになっています。 リニューアルに伴い、そこに着目し資生堂の 社名の由来である「万物資生」という考えと親和性のある“人間と自然との共生” を表現したアート作品で室内空間をプロデュースしました。「自然への敬意」や「自然への共感」、 「自然からのイン スピレーション」といった自然とともにある人間の感性を表現する スペースとして展開。セレクションしたアート作品は、 資生堂ギャラリーの活動とも所縁のあるアーティストやこれまでの資生堂の アートコレクションからキュレーションしています。




11月3日 ラグビーワールドカップ決勝戦

ラグビーワールドカップ決勝戦南アフリカ対イングランド戦観に行ってきた。
南アフリカ勝った。
勝ち負けはともかく、7万人を超える観衆が一体となって両チームを応援。
おそらく死ぬまでに二度と見られない試合を瞼に焼き付けてきた。
日本中がラグビーに酔い沸きに沸いた。
感動ありがとう。


11月2日 ロンドン・ローマ

ロンドン.ローマに画廊を構えるDorothy Circus Galleryから中村萌、山本麻友香の個展の誘いのメールが届いた。
日本人作家では高松和樹など萌系といった作家を扱う画廊で、来春に中村萌を交えたグループ展が企画されている。

ロンドン、アムステルダムなどで山本麻友香の個展は以前に開かれたが、その画廊とはうまく噛み合わず、 アムステルダムの画廊などは詐欺師といっていい仕打ちを受けて、弁護士を通して交渉をしているが一向に拉致があかない。

そんなこともあって、よく考えてお付き合いをしなくてはいけないが、高松和樹を扱う日本の画廊の話では誠実に対応してくれる画廊のようである。

もっとも、個展は2023年11月ということらしく、その間にお互いに信頼関係を築いた上で、話をを進めていきたいと思っている。

アジアでは二人とも実績を積み、私も長きにわたるアジアでの経験から、今の二人の人気に繋がっているので、欧米でもその経験を活かして、 更なる活躍の場を広げてあげたいと思っている。

11月1日 夏目麻麦

早いものでもう11月、ということは今年もあと2ヶ月ということで、いつも言っているが、年寄りには1年は早いが1日は長い。

ただいま展示中。
夏目麻麦個展が明日より始まる。

今回は大作はなく、50号以下16点の展示となる。
若干以前の作風に戻ったようで、重厚で滲み入るような深いマティエールの美しさがより際立つ。
じっくりと作品と対峙すると、曖昧だった輪郭がくっきりと浮かび上がり、その存在を確かなものにさせてくれる。
油絵具が持つ特性を遺憾なく発揮する夏目の作品を是非ご覧いただきたい。




10月27日 ラグビーW杯

昨日はラグビーワールドカップの準決勝南アフリカとウェールズの試合を観に横浜スタジアムに行ってきました。
8万人近くを収容できる巨大なスタジアムがぎっしりと人で埋まり、混むといけないので早めに会場入りしましたが、すでに大盛り上がり。

ついこの前までのラグビーの試合の閑散とした風景は何だったのかとあまりの違いに驚いた。

試合前からみんなで一緒に歌ったり、スクリーンに映る画面上の太鼓に合わせて聴衆が太鼓を叩くといった趣向もあり、 会場全体が一体となってラグビーを楽しもうという雰囲気がとても良くて、 野球やサッカーのように試合中に鐘や太鼓で応援するとは違った楽しみ方に私もつい乗せられてしまった。

試合は接戦で、最後の南アフリカが勝利し決勝戦に進むことになったが、両軍に送る拍手に選手も観衆もノーサイドという 敵も味方も試合が終わればその健闘を称え合うというラグビー精神が行き渡り、胸が熱くなった。

土曜日の決勝戦も息子と観に行く予定だが、息子はすでに予選を含めて6試合観に行っていて、 日本ではおそらく一生に一度しかないであろうラグビーワールドカップを堪能している。



10月22日 海外展

今朝はまた台風の影響で強い雨。
先日の台風の被災地はまた大変な思いをしているだろう。

そんな中、台北のアートフェアに出かけていたスタッフが戻ってくる。
トイフェアから台北アートフェアまでの2週間台北にいたことになる。

二つのフェアでは大勢のお客様の対応におわれ、夜は夜で毎晩のように遅くまで招待の食事が続き、さぞかし疲れたことだろう。
ゆっくり休んでもらいたい。
と言いつつ来週からは画廊では二つの展覧会が始まり、休んでられないか。

そんなわけでとにかく忙しかったが、ソウルから上海、台北と続いた海外展は大きな反響を呼び、 フェアの売り上げでも大きな成果を上げることが出来、私には快い疲れとなった。

これで海外は一段落と思ったが、12月に釜山での山本麻友香の個展、来年2月に台北で中村萌の個展、3月にはロンドンで中村萌が参加するグループ展、 4月からは上海、南京、成都、青島と廻る私どもの作家30人による大規模な展覧会と海外の企画が目白押しで、それに加えて画廊での個展が続き、 準備を含めゆっくりする暇がなく、スタッフにとっては何とブラックなところに勤めているのだろと思っているかもしれない。

そんなこともあり、画廊は正月休みを12月29日から1月8日までとし、その間ゆっくり休んでもらおうと思っている。

お疲れ様でした。

10月22日 即位の礼

即位の礼をテレビで観せてもらった。
2000年の長きにわたる歴史と伝統には感銘を覚えた。
途絶えることなく脈々と続く日本文化の素晴らしさを世界に知らしめたのではないだろうか。
何と華やかで、何と美しいことだろう。
煌びやかな衣装、凛とした立ち居振る舞い、悠揚と流れる雅楽の響き、まさに雅の世界で、日本人として誇らしく思うひと時であり、 私が生きている間には二度と観られないであろうとしっかりと瞼に焼き付けることができた。

皇室に対する批判もあって出席しない政党もあったようで、この政党はラグビーW杯での国歌斉唱も否定しているようだが、即位の礼を観てどのような想いに至っただろう。
この心打つ儀式に心が動かされないのだろうか。
日本人の誇りさえ捨ててしまったのだろうか。
こんな事ばかりしていて、国民の信頼を得られるのだろうか。

190ヶ国を超える国々の代表が参列し、同じ思想を持つ中国でさえ王国家副主席を派遣し、各国元首が出席するのは156ヶ国、 ロシアからも連邦副議長が参列する中で、参列をしないことに後ろめたさはないのだろうか。

この素晴らしい儀式にわずかな汚れができたことが残念でならない。


10月21日 ラグビー

ラグビー日本代表の活躍に感動した。

南ア戦には負けたが、それでも前半は2点差で大健闘。
ここまでやるとは正直思っても見なかった。
よくぞここまでと選手、指導者、ラグビー関係者、サポーターに心から敬意を表したい。
満員の会場、高視聴率、メディアもラグビー一色で日本中がラグビーに酔いしれた。
サッカーや野球に押されマイナーなスポーツとなっていたラグビーも、これで多くのファンを集めるスポーツになってくれるだろう。
見ていてこれほど力が入り、熱くさせてくれるスポーツはない。
ルールがよくわからないと思っていた人達も今回のワールドカップでラグビー通になった人も多いのでは。
ラグビーっていつもおしくらまんじゅうしているみたいでちっとも面白くないと言った友人がいたが、スクラムでの駆け引きや力のぶつかり合いに、 どうだ面白いだろうと言ってやりたい。

息子が小学校から大学院までラグビー部に入っていて大学選手権に出たり、私が高校の時にクラスメイト達が花園に出たりしていたこともあり、 すっかりラグビー好きになってしまった。
次の準決勝、決勝のチケットを息子が手に入れてくれたので、今度は残った4カ国全部を応援したい。
まだ興奮は続きそうだ。


10月20日 大学卒業50年

台北から帰国早々、大学卒業50年の記念式典が2019連合三田祭にて開催されるということで行ってきた。
待ち合わせた同級生とともに記念式場に行くと,すでに会場はいっぱいの同窓生で埋め尽くされている。
50年経つとクラスの仲間以外は顔を見てもほとんどわからず、人の顔を見て歳をとったことを実感する。
式典は来賓挨拶が続き、塾長がラグビーの日本対南アフリカ戦と時間が重なることを心配したが、幸い夜なので安心したが、 もし重なったら卒業生の母校への忠誠心を試されるところであったと言って会場の笑いを誘った。
その後応援団やチアリダーによる演舞が行われ、懇親会場へ移った。
日吉キャンパスの雰囲気は当時と少しも変わらず、ここで2年まで学んだことを懐かしく思い出した。



10月18日 一般公開

今日からフェアは一般公開で混雑が予想されたが、昨年に比べても少ない気がする。
昨日の私どものブースの混雑を考えると、作品が欲しいVIP の人達は内覧会でいち早く作品をキープしたいのだろう。

私は昼に山本麻友香の作品を展示したいと昨年から依頼をされているホテルで打ち合わせ。
他の作家の展示プランも提案しているが、やはり山本で進めたいとのことであった。
予算も限られているので、今回制作した版画を先ずは展示するプランを取締役会にかけたいとのことで、その作品を使ってロゴマークを作り、 お皿やカップ、コースターと言ったものに使いたいとの希望もあり、作品購入費とは別に著作権料や使用料も含めた見積もりを出すことになった。
最初のプランよりは縮小したが、先ずは一歩前に進むことができた。

有難いことは、ここのホテルにスタッフを含めて滞在中の宿泊を提供してくれたことで、 特に私の部屋はスィートルームで一人ではもったいないくらいの広さで、かえって落ち着かない。

夜はこれまた豪華版で、お客様に三つ星レストランで広東料理をご馳走になった。
このお店は電話でも予約できず、支配人とラインで繋がっている人だけが予約できるというから、滅多なことでは行くことができない。

明日早朝に私は一足早く帰国するが、日本では一汁一菜の貧しい食事が待っている。
この一ヶ月続いた激動の海外出張もひとまず終了。




10月17日 アート台北

昨夜はお客様の招待でこれでもかというほどの料理が出て、先月から続くご馳走に身体がおかしくなりそうだ。
スタッフは10時まで展示に追われ、まだ終わっていないので、明日も8時から準備をしなくてはいけない。

12時からスーパーVIPの内覧会なのだが、その前にどこから入ってきたのか、あっという間にブース内が埋まり、次から次へとお客様の対応に追われ、結局夜9時近くまで、 昼食も取れず、トイレにも行くこともままならないといった具合で、周りを見渡してもうちだけにお客様が集中していて、よその画廊も呆れて見つめていた。

中村萌、山本麻友香の作品は相変わらずの大人気で、一瞬にして完売となり、続いて岩淵も完売、森口、三木にも予約が入り、 あとは次の作品のウェーティング待ちの方達への応対に終始することになった。

終えて、今夜も夕食のご招待。
スタッフを含め身体が持つかどうか心配なくらい忙しい一日となった。

明日は一般公開となるので、今日以上の混雑が予想されるが、頑張るしかない。




10月16日 TTF終了

台北に来ている。
13日にTTFは大盛況のうちに終了した。
続いてアート台北が明日から開催され、今日はその展示日で、私もたいして役に立たないが、アートフェア会場に向かう。

年々盛んになるTTFには80数社が参加し、狭い会場に4日間に4万人を超える来場者があり、すべての人が買う気で来ていることもあり、その混乱ぶりは想像を超えるもので、 私のところも人気の中村萌の作品を求めて外まで行列が出来た。
その熱狂ぶりは怖いくらいで、ありがたいことだが、慌てず騒がずで、そうした人気に惑わされず、足元を見つめながら作家とともに進んでいきたい。


10月15日 ラグビーW杯

台風19号は日本各地に甚大な被害をもたらしたが、幸いなことに心配した画廊の地下倉庫への浸水はなく、今日は運び出した作品の片付けに追われている。
思わぬ三連休となり、家でラグビー、巨人戦などを見て過ごすことに。
13日は先ずは我が巨人軍が阪神に勝ち、日本シリーズ進出を決め、夜のワールド杯ラグビーの日本対スコットランド戦は日本が勝利し、はじめての8強に勝ち進み、 テレビの前にかじりついていた我が家は狂喜乱舞をした。
特に息子が小学校から大学院までラグビーをやっていて、今は大学のラグビー部の監督をしていることもあり、 今回の日本でラグビーW杯が観れるとあって楽しみにしていたが、まさかまさかの4連勝には驚くとともに、観ていてハラハラドキドキで力が入り、運動もしないのに筋肉痛である。
また、息子の大学のラグビー部の後輩である福岡選手が活躍したこともこの上ない喜びであった。
更に巨人軍が日本シリーズで勝利し、ラグビーW杯で決勝まで勝ち上がるようなことになれば、それこそ至上の喜び、欣喜雀躍言うことなしなのだが。

しばらくは仕事が手につかなくなりそうだ。



10月12日 台風

大型の台風が関東を直撃ということで画廊は休廊に。

風速60メートル、一晩で500ミリの記録的な大雨ということで、今まで経験したことない台風のようだ。
スーパーでは水や生鮮食品がなくなり、レジには長い行列ができている。

息子から朝に電話があり、画廊の地下の倉庫は大丈夫かと言ってきた。

大丈夫じゃないかと言ったが、ニュースで銀座が水没するシュミレーション画像が出て心配になり、家内と息子と一緒に車で画廊に向かうことに。

スタッフは交通機関がストップしてこれないので、私たちだけで地下の三つの倉庫にある作品を上の画廊に上げたり、台座や机の上に作品を乗せたりと汗だくで何とか終えることができた。

地下は車庫になっているので、入り口からスロープになっていて、道路に水が溢れたらひとたまりもない。

土砂降りの中を帰ろうとしたら大家さんの息子さん夫妻がやってきて、区役所で土嚢をもらってきたので、車庫のシャッターの前に積んでくれるという。
これで一安心。

もっと早く来てくれたらと思ったが、用心に越したことはない。

後は台風が通り過ぎ、大きな被害が出ないことを祈るばかりである。

10月11日A 小林健二展

小林健二展が明日最終日を迎える。

今回は会期中ソウル、上海と展覧会が続き、スタッフの病気などで私がずっと詰めることになり、小林健二展にはほとんど携わることができなかった。

私どもの2会場を使い、「透質層と透明体」、かたや「XEDIA」と二つの展示がなされた。

「透質層」と透明体では水族館で使うような分厚いアクリルを使ったタイトル通りの透き通るような美しい作品が並ぶ。

「XEDIA」では作家自身のフィクションなのだが、現実にあるかのような錯覚を覚える地層からの出土品と見紛う作品が所狭しと飾られている。

小林健二のエネルギーを絞り出したかのような多数の作品はますます磨きがかかっているように感じた。

明日が最終日なのだが、大型の台風の関東上陸が予想され、交通機関も運航を取りやめるとのことで、やむなく休廊とさせていただく。

その代わりと言ってはなんだが、会期を一週間延ばし19日(土)までの開催とさせていただくので、明日来廊予定の方、まだご覧になっていない方は是非お越しいただきたい。

ただ、私は台北のフェアーがあり、週末まで出てしまうのをお許しいただきたい。

小林健二展の印象記を紋谷幹夫氏が寄せてくれているので紹介をさせていただく。

展覧会タイトルは、ー透質層と透明体ー。
人の心と寄り添うように透明体は空中でワクワクしていて
地中の奥では仮晶鉱がヒソヒソこの世を暮らしている。

ミニマルな形の器や装置、あるいは塊が、
平面に描かれ、ある場、時間が発生しますが、
把握し得るのはそこまでで、
観る側は「さて・・・」といった感じで
画面の前に立つことになります。

色彩は抑えられていますが、
そのてらてらする質感により、
付けられた色というより、
物質そのものになっています。
平面に実態が押し込まれている感じです。
不可解なものを感じながら、
妙な生々しさがあるのはそのためでしょうか。

なまじ形に意味を介在させずに見てみると、
自分の内部の何かと交信する。
そんな印象でした。

展覧会タイトルは、ーXEDIA(キセディア)ー。
作家は作(る専門)家なので、
何かを創り出せばいいので、
それが実体としての作品でも構わないし、
世界観でも構いません。

ここで展示されているのは
作家が(勝手に)創り出した世界(遺跡)
で発掘された出土品です。
製作年代不明、用途不明の人工物は、
二つ一組で
標本ラベルが貼られた標本箱に入っています。

一つ一つ見ていくと、
道具の様であり、装飾品のようでもあり、
明らかに特定の用途を満たす目的でつくられたようで、
でも、全く意味不明で、
その微妙な落としどころの造形センスに感心します。

「神は細部に宿る。」は、
ドイツの美術史家アビ・ヴァールブックの言葉ですが、
世界は細部に宿り、細部は世界を暗示する。
そんな印象でした。

10月11日 手塚治虫

ロータリークラブでは毎週各界の著名な方を招き、30分のミニ講演をしていただいている。
先日は私の紹介で映画監督の手塚眞氏に父親である手塚治虫にまつわる話をしていただいた。

手塚氏は私の高校の後輩であると同時に、 ヴェネチア映画祭や多くの国際映画祭で受賞した手塚監督の映画「白痴」の 美術を担当したのが私どもで長年発表をしている恒松正敏だったということもあり、その後親しくさせていただいている。

手塚治虫は60歳で亡くなるまでに15万枚の原稿、700もの作品、1000を超えるストーリーやキャラクターを生み出し、 子供相手の単純な漫画の時代に人間同士の葛藤や自然との調和といった大きなテーマや、悲劇などの文学性、 そして映画を見るように効果的な絵やコマ割りを駆使して、マンガに革命をもたらした大天才であったかということと、 手塚が残した作品をはじめ漫画やアニメ、映画、小説といったコンテンツビジネスは海外の大きな市場で莫大な利益をもたらすものだが、 アジアでは国が後押しして世界にアピールをしているのと違って、日本ではその後押しがなく、才能が枯渇していく危惧を抱いているといった話をしていただいた。

10月10日 TTF開幕

セッテイングも終わり今日からTTFが始まる。
写真がスタッフから送られてきたが、物凄い数の人が押しかけてきているようだ。
ちょうど2年前のTTFの開場前の写真がFBにアップされていたが、その時も送られてきた写真を見てびっくりしたが、 今年は更に人が多いようで、事故なく無事に終わることを祈るばかりである。

今回でTTFは16回を迎えるそうだが、主催者の黄社長は日本の留学時代にオタク文化に触れ、 帰国後フィギュアのお店をオープンし、その後台湾で初めてのフィギュアによる小さなアートフェア を企画したのが始まりで、それが今やファインアートのフェアを凌ぐ勢いで、香港でも開催されるようになるとこれも台湾同様に大反響を呼んだ。

私との縁は、10年前になるだろうか、台北アートフェアで中村萌を黄社長が買ってくれたのが始まりで、 6年前に中村のフィギュアを作ったらどうかと打診され、それをもってTTFに参加しないかということから今に繋がるのである。

最初にフィギュアを発表した時は25000円だっただろうか、少しは売れるとは思っていたが、まだ半信半疑であまり結果は期待をしないでいた。

ところがである、スタッフから連絡があり、中村萌のフィギュアは大人気で、全て完売し、他に持っていったオリジナル作品も全部売れたとの報告を受けた。

それからである、アジアでの人気に火がつき、多くの著名なコレクターが押し寄せ、今や押しも押されぬアジアのスターとなったのである。

そして来年春にはロンドンでの発表の機会も得て、アジアから更に欧米へ飛躍の年になることは間違いなさそうだ。

ただ心配なのは一時の人気に惑わされ、足元を見失うことで、私も作家も長いスパンで先を見据えてやっていかなくてはいけない。

中村もその辺はよくわかっていて、一歩一歩前に進むことを目指している。
どういう作家に育っていくか今後が楽しみである。



10月8日 台北トイショー

10月10日から13日まで台北トイショーが開催される。
毎年招待参加をしていて、中村萌の新作フィギュアをここで発表することになっている。

このショーは各ブースで人気のフィギュアが見られるとあって、ものすごい数の人が押しかける。
それはアートフェアの比ではなく、私も昨年初めて行ったが、会場内にいると酸欠状態で目眩がしそうになるくらい人で溢れかえっている。

そんわけで私は今回は行かないが、スタッフと中村萌が今日から台北に向けて出発する。

中村萌のフィギュアの人気は個展でもそうであったが、私どものウェーティングリストだけでも200人を超えるファンがいて、 その上にトイショーに訪れる人がどのくらい来るのか想像もつかない。

トイショーではまず優先入場というのがあって、一般入場料より高いのだが、ネットで受け付けたところ、一瞬で売り切れとなった。
その入場券を手にして、私どものブースに来て、まずは先着150名がポストカードを買うとリストバンドが渡され、 その方達のみが当日の割り当ての20体の抽選に参加する権利を得られることになっている。

これを3日に分けて行われる。 今回は160限定となっているので、私どもにも割り当て分があるのだが、 それも少数のみと数が限られているので、ウェーティングリストより私どもの他の作家を多くコレクションしていただいている方、 以前より中村萌をコレクションしている方を選び、その方達約100名で抽選をしてお求めをいただくことにした。
発表は作品受け渡しを持ってかえさせていただくことにした。

苦渋の方法だが、ご理解をいただければ幸いである。

こんな訳で大変ありがたい話なのだが、申し込まれる方の中に転売目的の方も多く、それを見分けることが難しく、 こうした方法を私のところでとらせていただいている。
トイショーでは私のところのようなやり方はできないので、転売ブローカーに渡る可能性もあるが、3年間は転売しない契約書を作り、 そこに署名をしていただき、転売を防ぐことにしているが、さてどうなることやら。

混乱なく終わることを願うばかりである。

10月5日 岩渕華林展オープン

いよいよ岩渕展の開幕。
3時から大勢のお客様が訪れ、画廊の黄社長、私、岩渕の順にお客様に挨拶。
私は若い無名の作家の展覧会を中国でかくも盛大に開催してくれたことへの感謝の気持ちを伝え、岩渕の作品が中国伝来文化の一つである墨を使うこと、 中国の四大発明の一つである印刷機に由来する版画を使っていることに今回の展覧会の意義があるのではと述べ、 こうした機会を得たことで更に日本と中国の文化交流が深まることを期待したいといった話をさせていただいた。

木々の緑や色とりどりの草花に囲まれた画廊のガーデンテラスに立っての挨拶、横ではギターとヴァイオリンによるヒーリングミュージックが流れるといった演出がなされ、 こんな画廊が持てたらどんなにいいだろうかとつくづく羨ましく思った。

画廊の中では、岩渕と清華大学の若きMo教授による作品の解説、夕方からはゲストルームでMo教授のインタビューによる岩渕と私のセミナーが開かれ、 女性像を描く意図、日本と中国社会での女性の立ち位置の違い、日本の萌文化などについての質問を受けた。

セミナーを聞いた何人ものお客様から岩渕作品への感想が述べられ、中でも年配の著名な舞踏家が彼女の作品を見て、従来の中国絵画にはない新しさを目にして、 自分の心が覚醒したと言ってくれたことは岩渕にとっては何よりの賛美であり、私も瞼が熱くなった。

終えて庭ではバーベキューパーティー、最後まで華やかで中身の濃いオープニングには、私も大いに感動し、勉強もさせられた。

夜は今回もお世話になったお役人の沈史、陳女史、この方達との仲立ちと通訳も務めてくださった在日の野口氏、パートナーの山岡氏、 今回の日程の段取りをしてくださった野口氏のお兄様と火鍋を囲んで、来年開催予定の私ども作家30名による展覧会の打ち合わせをし、 それぞれがこうした出会いに感謝の言葉を述べ合い、宴を終えた。

それにしても中国の方の手厚いもてなしはとても私たちには真似ができないことで、皆さんが日本に来た時どうお返ししたらいいか今から頭が痛い。

明日はゆっくりして夕方の帰京の予定である。



10月4日

上海も東京同様に暑い。
幸い台風は免れたが、韓国の釜山では大きな被害が出たようだ。
9月から新たに入ったスタッフが釜山出身なので心配である。

今日も迎えの車が来て個展会場へ。
すでに持ってきた作品も飾られていて、アレンジメントされた花が飾られ、心に響く音楽が流れ、更には画廊内に設置された装置からは水が流れ落ち、その水の音に心が癒される。
これだけ一画廊の会場が演出されるのは見たことも聞いたこともない。

北京からやってきた清華大学の若い女性教授が明日の岩渕とのセミナーに備えて、多くの質問事項を準備していて、その打ち合わせが昼過ぎまで続けられる。
セミナーの他にテープカット、テレビや新聞などメディアとの会見、バンドも来るそうで音楽演奏、夜は画廊の前の庭でバーベキューパーティーと盛りだくさんの1日となりそうだ。

昼食はホテル近くのレストランでスペイン料理。
部屋がベラスケス、ゴヤ、ピカソ、ダリなどスペインゆかりの作家の名前がついた個室となっていて、その作家たちの複製画が飾られて、それぞれが凝った内装となっている。
驚いたのは、我々が招かれたベラスケスの部屋には、ゴルフの打ちっ放しができる部屋までが併設されているではないか。
昨日の礼拝場を利用したレストランもそうだったが、いずれも美味しい料理とゴージャスなインテリアを満喫させてもらった。

更に夕食に招かれたレストランは100年前に香港の鉄鋼王が建てた邸宅で、上海の旧市街にある。
鉄鋼王が好んだという中国全土の料理がメニューに並び、数え切れないくらいの料理が並ぶ。

韓国から続く豪華料理のオンパレードには多少食傷気味で、ぼちぼちお茶漬けが食べたくなってくる。
前回もそうだったが、乾杯一気飲みにも下戸の私にはただただ驚くばかりである。
北京から来た年配の女性は、10数回立ったまま同席の人達と順番に一気飲みを繰り返すのには驚くというよりは怖くなってきた。

明日はいよいよ岩渕展のオープニングだが、ここでもはなやかな宴席が繰り広げられるのだろうか。
全く飲めない身体に感謝しなくてはいけない。



10月3日 上海到着

昼前に上海に到着。
先日中国のお役人を紹介してくださった在日のN氏と若手経営者でN氏のパートナーのY氏が同行してくれることに。
空港にはそのお役人のS氏が前回同様に車を用意して待っていてくれる。
今回も皆さんにおんぶにだっこでお世話になりそうだ。

空港から岩渕華林の個展を開催する画廊に直行。
画廊の入り口には大きな岩渕展の垂れ幕が飾られている。

中に入るとこの画廊の独特の空間であるほぼ真っ暗に照明を落とした黒い壁面に、作品だけにスポットライトがあてられている展示は、岩渕の作品をより美しく浮かび上がらせている。

さらに送った資料から作成されたプロモーションビデオが上映されている。
プロの手によるのだろうが実に見事に岩渕の制作風景とクローズアップされた作品が壁面に映し出される。
入り口では画廊のマダムがフラワーアレンジメントで花をいけていて、素晴らしい空間に花を添える。

展示空間の演出によって、作品が一層引き立てられていて、私も展示の大切さを今更ながら教えられた。
昼も画廊のオーナーにご馳走になったのだが、夜はまたお役人による夕食のご招待。
上海市の西南にある古い礼拝場をそのまま使ったレストランで今が旬の上海蟹をメーンにこれでもかという料理をご馳走になった。
毎度のことだが、韓国から続く皆さんのもてなしには頭が下がる。

明日は岩渕に若手評論家が初日のシンポジウムのために多くの質問を用意していて、朝からその打ち合わせに行かなくてはいけない。

今回は多少のんびりできると思っていたが、どうやらそうも行かないようだ


10月2日 上海

10月に入ったというのに今日も30度。
日曜日に韓国から帰って来たばかりだが、昨日今日の暑い日差しにめまいがしそうだ。

帰って早々だが、明日早朝には上海に向かわなくてはいけない。
言葉もお金の単位も変わることになるので、頭の切り替えが大変である。

上海は4日から始まる岩渕華林の個展のオープニングとそのための追加作品と新作を持って出かけることになる。
前回は通関でのトラブルが嫌で、南京のお役人を紹介してもらい、南京経由で上海に向かったのでスムーズに入国ができたが、今回は時間がかかることもあって、上海に直接行くことにした。

中国ではアーティスト自身が作品を持っていくことは問題がないようだが、アーティスト以外が持っていくと検査に時間がかかり、下手をすると展覧会の会期に間に合わないことがある。

岩渕自身も行くことになっていて、前回お役人を紹介してくれた在日の中国の方も同行してくれるので、たぶん大丈夫だと思うが、それでもヒヤヒヤドキドキである。

韓国もそうだったが、こうした時期に日本人作家を中国で紹介してくれるのは大変ありがたいことで、それに応えるためにもハードなスケジュールの中を社長の私が行かなくてはならない。

いいお客様を持っているようで、展覧会は成功すると思うが、こればかりは蓋を開けて見ないとわからない。

韓国のように期待以上の成果が出るといいのだが。


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