GALLERY TSUBAKI ギャラリー椿
呉亜沙 展 新作展第一部「the CAST」
2007. 4.14sat. ― 4.28sat. 11:00−18:30 日曜休廊
新作展第2部 「the SETTING」
場所:佐藤美術館 http://homepage3.nifty.com/sato-museum/
会期:2007年7月3日(火)-29日(日)
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ニューヨーク(文化庁新進芸術家海外留学制度で渡米)ではグループ展を一度しかやっていなくて、作家活動を再開できるのかとても不安だったのですが、今年は4月と7月(「the SETTING」佐藤美術館)に個展ができるのでとても嬉しいです。> > 続き |
2005-6年、文化庁新進芸術家海外留学制度で渡米(NY)した呉亜沙。昨年9月の帰国後以来、初の新作展となる。等身大の彼女の表現が織り成す今回のテーマは、「他者を見る事と自分を見る事との関係性」。誰もが誰かの心の中の住人となるまでの、そのプロセス。今回の展覧会の中心となる作品「skin」は、まぶたをカーテンになぞらえ、自分が見ている外側の世界と内側の世界を、わたしたち自らが日々意識に操っていることに気づかせてくれる。1年間のニューヨークでの研修中に体感した呉亜沙の透き通ったまっすぐな想いが画面上に広がる、そんな新作展になりそうだ。インスタレーションも含め、新作約35点を展示する予定。
今回、新たに表現しようとした世界は、「他者を見る事と自分を見る事の関係性」です。今まで、自分の立ち位置や、他者との距離感みたいな物を追ってきましたが、自分自身、他人をどのように位置づけているのかを考えました。この時、まず思ったのが、まったく見識のない他人と、友人や知人、親類など、存在の意識レベルの差異が確実に存在している事でした。今まで、自分対他者という形式で表現してきましたが、今回は自分対知っている人対知らない人という図式になったと思います。なぜこのような事を意識したかと言えば、一年の海外生活が影響しているという事が大きな起点だったように思います。まったく知らない人だらけの土地に行って、生活し、一から人間関係を作りあげていく事、それは楽しくもあり、苦痛とも言えました。ましてや、言語、文化、国籍の違う人達を自分自身の価値観を頼りに信頼すべきか否かを判断しなくてはいけなかったのです。こういった環境の流れの中で、私自身、他人をそのように見ているのか、その視点に気づかされました。結局、自分(の価値観)に似ているか、似ていないか、そして、それ故その相手に好意を抱くか、嫌悪を感じるかという感情が生じていたように思います。ここでは、決して似ているから好きという訳でもなく、似ていないから嫌いという価値観で図っているものではありませんでした。似ているからこそ嫌悪を抱いたり、似ていない人に尊敬心を抱いたりもしました。結局の所、他者が自分自身の世界の中に引き込まれているというのを感じたのです。一般的に客観的に見るという言葉がありますが、完全な客観性など誰も持ち得ないという事を感じたのです。今回の海外研修の研修目的は移民の人々のアイデンティティ意識を追うというのが自分の中で大きな要素でした。しかし、そもそもアイデンティティとは、自己存在証明という物で、個人の人格は度外視した一定の価値基準によって、その個人がこの世に生まれた時点から植えつけられる物であると思ったのです。それを抱え生きてきた過程の中でそれぞれの価値観という物が養われていくと思うのですが、決してそれは誰とも1ミリの狂いなく一致できる物ではなく、千差万別の物であるのです。それぞれの意識がもし有形的に見えるとしたら、その集団が社会を作りだし、共存しているというのはとても騒々しい、激しい物であると感じたのです。そこで、自分自身を振り返り、友人、知人に対する目線を意識してみると、自身と他者を峻別できずに、混同したり、依存している姿が見受けられたのです。結局、どれだけ他者への配慮を持ち得ようとも、自身の世界の中に引き込んだ価値観の中で人間関係を作り上げている事は否定できなかったのです。それぞれが独立した世界の密集を社会という大枠でくくると、いかに、個人(各、自分自身)という物が孤独であるかを感じたのです。今回ギャラリー椿さんで描こうとしている世界は、その個人の内面世界で、そこに引き込まれた他者が登場します。それらは自身に同化され、同じ容姿をしています。また、今までの表現形式も用い、まったくの他人はうさぎとして登場します。その二つの他者の線引きというのは、それぞれの人の価値観によって生まれると思いますが、そこも、今回表現したかった重要な部分だと言えます。佐藤美術館では、知人も他者もまったく排除した、自分自身のみに視点を向ける世界を描こうと考えています。人間が生み出した、風景としての社会と自分との関わり、それは他者が存在しない事によって、誇張された一体の人物の不安や、孤独さを引き出すことによって、いかに、人は他者からの目線を期待しているかを表現できたらと思っています。 呉 亜沙 |
1978 | 神奈川県生まれ |
2001 | 女子美術大学絵画科洋画専攻卒業 |
(平成12年度優秀作品賞受賞) | |
東京芸術大学大学院美術研究科修士課程入学 | |
2003 | 東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了 |
2005 | 文化庁新進芸術家海外留学制度で渡米(NY) |
2001 | 女子美術大学平成12年度優秀作品賞 |
第12回関口芸術基金賞入選 | |
トーキョーワンダーウォール2001入選 | |
2002 | 第39回神奈川県展入選 |
2003 | 第21回上野の森美術館大賞展優秀賞(フジテレビ賞) |
2001 | Oギャラリー(銀座) |
2002 | OギャラリーUP・S(銀座) |
2003 | 横浜そごう(横浜) |
神戸そごう(神戸) | |
ギャラリー松下(豊田) | |
カワトク百貨店(盛岡) | |
宇治画廊(京都) | |
IBMコンピューターギャラリー(幕張) | |
2004 | 櫻画廊(明石) |
近鉄阿倍野(大阪) | |
ギャラリー松下(豊田) | |
松坂屋(静岡) | |
柏そごう(柏) | |
神戸そごう(神戸) | |
横浜そごう(横浜) | |
SEIBU高槻(高槻) | |
2005 | 『no complex,no myself』(八重洲)不忍画廊 |
『知ってることとか、知らないこととか』(豊田)ギャラリー松下 | |
『My position』(京橋) ギャラリー椿 | |
アサヒギャラリー(甲府) |
1999 | ギャラリー青羅(銀座) |
2001 | 『3rd Contemporary young painters exhibition from JAPAN』Zainul Gallery(バングラディッシュ) |
『蒼穹展』ギャラリーアンファン(新宿)〜2003 | |
2002 | 『新春展』ギャラリー水平線(横浜)〜2004 |
『Artist4』ギャラリー草笛(名古屋) | |
宇治画廊(京都) | |
東京芸大学生会館(上野) | |
『遊4展』もみの木画廊(自由が丘)〜2004 | |
『アニマート展』ギャラリーARK(横浜)〜2004 | |
2003 | 浦和ISETANプチギャラリー(浦和) |
『FIELD OF NOW』洋協アートフォーラム(銀座) | |
『NICAF2003』国際アートフォーラム(有楽町) | |
『コレクターの見る視点』もみの木画廊(自由が丘) | |
『Christmas in Peace』佐藤美術館(新宿) | |
2004 | ギャラリーNOW(富山) |
『上野の森受賞者記念展』吉井画廊(銀座) | |
『戦後美術VS21世紀アーティスト』不忍画廊(八重洲) | |
『東京芸大 絹谷幸二教室の作家たち』しぶや美術館(広島) | |
『KIAF2004』(韓国・ソウル) | |
『Bunkamura Art Show-LAMDING2004-』文化村ギャラリー(渋谷) | |
『櫻櫻の会』ギャラリー水平線(横浜) | |
『SORA-KARA 2004 藤田夢香X呉 亜沙展』美術サロンゆたか(金沢) | |
2005 | 『 中佐藤 滋・安元 亮祐・呉 亜沙三人展』 ギャラリーNOW(富山) |
『KIAF2005』(韓国・ソウル) | |
『TOKYO ART FAIR 2005』国際アートフォーラム(有楽町) | |
2006 | 「アートとともに/寺田小太郎コレクション」(府中)府中市美術館 |
「Dual Scenery」(ニュージャージー、アメリカ)ACCギャラリー |