GALLERY TSUBAKI ギャラリー椿

富田有紀子 展
2006年11月22日(水)〜12月6日(水)
 ギャラリー椿+GT2(日曜・祝休) 11:00〜18:30


1620×1620mm 油彩/キャンバス 2006

お問い合わせ gtsubaki@yb3.so-net.ne.jp

--関連情報--

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富田有紀子展 インタビューはこちら!

実際は長方形の方が構図が完結しやすいと思うんですけれども、正方形にしているのは、長方形よりも自分が描きたい中心部をクローズアップすることができるからだと思います。
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同時開催 11月22日(水)〜12月22日(金)  第一生命南ギャラリー 
(土・日・祝休)12:00〜18:00 (最終日は17:00まで)

オープニングパーティ 11月22日(水) 17:00〜19:00

富田有紀子 展

11月22日(水)〜12月6日(水) ギャラリー椿+GT2(日・祝休) 11:00-18:30 

同時開催 
第一生命南ギャラリー
  2006年11月22日(水)〜12月22日(金)
(土・日・祝休) 12:00〜18:00 (最終日は17:00まで)
オープニングパーティ  11月22日(水) 17:00〜19:00

 富田有紀子は、花や果実、風景などをモチーフとして制作を続けるが、単なる写実とは違い、花や果実が醸し出す摩訶不思議な芳香を画面の中から放つ。媚薬とも思えるその香りが、観る者を幻惑し虜にする。現代美術の新しい旗手として注目をあつめている。
今回の展覧会では、第一生命南ギャラリーに1940×1940mm作品が1点、1620×1620作品が8点。ギャラリー椿に1620×1620mm作品が5点、605×605mm 作品30点程が展示される予定。


605×605mm 油彩/キャンバス 2006


1620×1620mm 油彩/キャンバス 2006

1620×1620mm 油彩/キャンバス 2006

 

異界への入口―富田有紀子の花について

本江邦夫

 私が富田有紀子さんの存在をはじめて意識したのは、20年くらいも前のことで、そのとき彼女は銀座のとある画廊で色のついた陶器のようなものでインスタレーションをしていた。色彩に独得の鮮やかさがあったのと、ご本人の、別世界の人のようなまったく自由な感じに圧倒されたせいか、その光景は前後の脈絡を欠いたまさに記憶の一断片として頭の片隅に残っている。
 富田さんの存在を、次に、そして強く意識したのは「VOCA展’96」のときである(もう10年前だ)。近藤幸夫さんの推薦で、彼女は蓮の花を描いたトリプティク(三幅対)を出品し、その現実離れした仏画のような清浄さが魅惑的で奨励賞をえたのだ(あくまでも私見だが、VOCA展はむしろ奨励賞におやっと思う絵が多い)。それは別の富田さんを見るようだったが、彼女がどこか浮世離れした、ひとつの境地に到達しようとしていることは明らかだった。
 空とか風景を描きだしたのはいつごろだろう?それらは、いかにも月並な言い方だが、どこにでもあるようで、どこにもない空であり風景だった。まるでこの世と、彼岸ではない、この世を超えた世界との境界もしくは界面のイメージそのものだった。
 霊的ともいうべき晴朗な表現を追求していた富田有紀子さんに、新たな展開の訪れを確信させたのは、ギャラリー椿における前回の個展だった。果物を大写しにした同寸の、方形状の絵が所狭しと並んでいる。それらはずっしりとした硬質の陶器のような物体として、ただの果実というよりは、むしろ美しい異物だった。私はいま思わず「美しい」という陳腐きわまりない言葉をつかったが、どうにも他に言いようがない。とにかく、何かきらきらと充実して艶やかなものがそこに、目の前にあるという感じ、熟しきっているのに食べることはできない奇妙な感じなのである。
 そして今回の花ばなである。古今東西、花を描いた絵は無数にあるが、ふつうは花束としてある距離をとって、しかも脇から描く。近・現代に話をかぎれば、ルドン晩年の夢幻花はみごとに超現実的なものだが、みな質朴な壺に収まっている。背景との関係を曖昧にすることで、それらは虚空に浮遊するかの印象を与えるが、ここには富田さんの作例に顕著な花弁そのものに肉薄する視点はまったく無い。絶対的なまでの抽象を目ざしたモンドリアンに、いかにも神智学の風味をきかした花の絵で暮らしを立てていた時期があることはあまり知られていないが、その場合でも一輪の花を横から眺める構図に終始している。これがオキーフとなると、かなり様子が変わってきて、花びらの、それ自体はほとんど抽象的な形態を斜め上空から、ある種のダイナミズムをともないつつ、いわば造形的に探索する方向に向かっている。
 富田有紀子さんには今までも花の絵の作例がある。しかし、それらは基本的に対象をゆったりと捉えたふつうの構図で描かれていた。ところが、今回いかなる理由からか、すべての花びらに真上から垂直に降下し、接写するかのような構図がとられている。植物図鑑でも見ないかぎり、いわゆる花の絵でこのやり方は実に奇妙である。とはいえ、そうした奇妙さの結果として、見る者と花びらとの不意の一体感が生じ、ここに新しい次元つまり異界への入口が切り開かれていることを見逃すわけにはいかない。
 もっとも「異界」とは言っても、だからといってそこに魔物が潜むわけではない。それはむしろ、実と虚の関係にもひとしい、富田さん自身の外部にたいする内部空間と言い換えてもいいものだ。花びらの絶対的な対象性に作者とともに急接近することで、私たちがほんとうに見ているのは、外部の客観的な花ではない。内なる、永遠の花の反映なのである。そこに富田有紀子さんの「花」の安らぎの秘密がある。私たちには、私たちに見えるものしか見えないのである。 (多摩美術大学教授/府中市美術館長)

 

富田有紀子 Yukiko Tomita
1958 東京生まれ
1980 女子美術大学芸術学部卒業
   
個展  
1983 コバヤシ画廊/東京
1985 コバヤシ画廊/東京
1986 コバヤシ画廊/東京
1987 ギャラリー射手座/京都
1990 ギャラリィK/東京
1991 ギャラリーNWハウス/東京
1992 ギャラリー・ジェイ・ワン/東京
1994 リビングデザインギャラリーOZONE/東京
1995 日本橋高島屋コンテンポラリーアートスペース/東京
1997 「融・融―Yu・Yu―」ギャラリーなつか/東京
ギャラリー上田/東京
1999 ギャラリー上田/東京
第一生命南ギャラリー/東京
ギャラリーなつか/東京
2001 南青山画廊/東京
2002 ギャラリーなつか/東京
第一生命南ギャラリー/東京
2003 南青山画廊/東京
スージ・アンティック&ギャラリー/鎌倉
2004 ギャラリー砂翁&トモス/東京
GINZA ITOYA 8Fフレームショップ/東京
ギャラリー椿/東京
2005 GINZA ITOYA 8Fフレームショップ/東京
2006 ギャラリー椿/東京
第一生命南ギャラリー/東京
 
グループ展  
1986 「SILENT WALKING」(6人の作家の4つの画廊でのコラボレーション)ギャラリーなつか、他/東京
「KIYOCAMBA」ギャラリーなつか/東京
「IMAGE MACHINE ニューウェイブの生成変化」Gアートギャラリー/東京
1987 「CONSTRUCTION」ギャラリーなつか/東京
1988 「Art in Book Shop」有楽町西武/東京
1989 「現代のヒミコたち―新しい造形を求めて」イムズ/福岡
「16人の女性アーティストによる新・造形展」ニッケルコルトンプラザ/千葉
1990 「MM21ストリートギャラリー」??a???攀???t?????楯??みなとみらい21地区/横浜、神奈川
「Three Nations Art Exhibition」ペニンク邸/東京
1991 「風の造形展」すみだリバーサイドホールギャラリー/東京
1995 「SMALL SIZE COLLECTION」ギャラリーなつか/東京
1996 「VOCA‘96」上野の森美術館/東京
「美術の内がわ外がわ」板橋区立美術館/東京
「昭和シェル石油現代美術賞」東急Bunkamuraギャラリー/東京
「旺玄展」東京都美術館<佳作賞>
1997 「VOCA‘94‐‘96受賞作品展」第一生命ギャラリー/東京
1998 「現代作家美術展 いのち・かたち」KSPギャラリー/神奈川
1999 「メディテーション‐真昼の瞑想」栃木県立美術館
「旺玄展」東京都美術館<努力賞>
2001 BHARAT BHAVAN INTERNATIONAL BIENNIAL OF PRINT ART2001/INDIA
2003 第9回 浜松市美術館 版画大賞展<奨励賞>/浜松
2004 「VOCA1994‐2003 10年の受賞作品展」大原美術館/倉敷
2005 KIAF2005(韓国国際アートフェア)/韓国 ソウル
2006 KIAF2006(韓国国際アートフェア)/韓国 ソウル
「アートとともに―寺田小太郎コレクション―」府中市美術館/東京
「VOCAに映し出された現在」宇都宮美術館/栃木
Transform―Artists Created by Their works「井Art」ギャラリー/上海・中国
 
パブリックコレクション  
第一生命保険相互会社
府中市美術館
東京オペラシティギャラリー 他

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