GALLERY TSUBAKI ギャラリー椿 |
リー・ユンボクの仕事 リー・ユンボクの仕事は金属の板を叩き削り痛めつけることから始まる。 無垢の金属板に傷をつけ、その傷を覆い、繕い、徐々に美しい形に整え、磨き上げ輝かせる。 人の身体も心も素の部分は傷つき痛めつけられていると彼は言う。 人はそれを同じように手当てし、癒し、少しずつ身も心も美しく清められていく。 彼はいかにも優しげに、たおやかに作品に向かっているように見えるが、それは荒々しく激しい。 叩き、磨きあげることは、一日たりとも怠ることはなく、エネルギッシュにひたむきに作品と対峙する。 叩き、磨き上げた表面からは、次第に金属の輝きというよりは、ガラスのように透明な光が放たれる。 その光は揺らぎとなって、周りを包み込む 。 作品が空間と一体となり、更なる大きな空間を造る。 同時に作品の中に空間を取り込み、様々に変容させて、新たな情景を映し出す。 更には見る者までも作品の中に取り込んでしまう。 傷つきあった者同士がここで始めて融合し、一体となって優美な姿に昇華する。 神々しく、凛とした造形がここで始めて結実を迎える。 しかし、彼の仕事はこれで終わることなく、再びひたむきに叩き、 削り、磨くことを繰り返しながら、新たな造形に対峙する。 ギャラリー椿 椿原弘也 |
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