GALLERY TSUBAKI ギャラリー椿

渡辺達正 展 「紺青の韻律」
2009年11月25日(水)~12月9日(水)  11:00~18:30 日曜休廊


紺青の韻律

 紺青の韻律―空と海は、太陽の光を受けて、スカイブルーや紺碧の青を演出する。空を見上げたとき、スカイブルーは私に穏やかな安心を与えてくれる。そのときに感受する青は、温かな青であり、また、自然に眠りを誘われる柔らかな青でもある。海の水が太陽の光を受け表出される紺碧の青は、すべてを吞み込み,無の世界へと連れ去ろうという企てを感じる。

 青に対する想いは,人それぞれに異なった感情を持っている。青という色を作り出す方法にも多様な技法があり、さまざまである。私の青は、1インチに85の点を刻む彫刻刀・ベルソーによって、無数の小さな穴を、銅板に刻み込むメゾチント技法によって生まれる。この小さな点の周りには,粘りのある銅が起き上がり、あたかもサンドペーパーのような形状となっている。そんな、ざらざらな地肌を削ったり磨いたりすることにより,青の階調が現れる。そう,メゾチントの技法は,無限の時間をのみ込みながら,創作する私に素敵な青―紺青の韻律を送ってくれる。

「星」について
「星」は無の空間への憧憬から始まり、そこには無数の星が散在する。青と紺の重なり合い、反復し合う調子が無想の広がりとなり、私は包まれる。

「line」について
青い面に素早く動く線。やがてその線は版の上に定着する。その時さわやかな移動とスピード感が生まれる。

「Fusion」について
融合。そして、青が侵食する四角形は、あたかも発光ダイオードのように溶けていく、そうであってほしい。

「青、ゆらぐ」について
無言の揺れる青は色彩の海をつくる。終わることを知らない揺らぎは、止まることのない世界を紙の上で繰り広げる。

お問い合わせは
gtsubaki@yb3.so-net.ne.j

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