岡本啓は1981年大阪生まれ、大阪を拠点に活動する若手の作家です。
ギャラリー椿では2回目の企画展になります。

「カメラは表面的な物を写す。
レントゲンは内部の骨を写す。
じゃあ、その先に進んだら、魂を写すものができるかもしれない。」
と岡本氏はいいます。

岡本氏独自の技法、「現像液で絵を描く」ことと、実物を撮る写真、少し前からこの二つを組み合わせて作品づくりをしています。

タイトルの「cosmograpry photograpry 」の「コスモグラフィー」とは全世界（宇宙や地球）、さらに死後の世界までも描かれた宇宙像のこと。ヨーロッパ近世以前には重要な科学の一分野であり、現在では、天地学、宇宙構造論などと訳されています。
それに対し、「フォトグラフィー（写真）」は、今では携帯電話におまけでついているくらいの身近なものです。そもそも写真は実物を写すものですから、家族写真、友達写真、風景の写真だとしても、撮った本人が見たものを写しているのです。見たことがないものではないのですから、身近なものといえるでしょう。

小さな身近なものを考え、大きな世界をおしはかり理解する。壮大なものを想い、小さいもの、身近なものかけがえのなさを知る。

今回の写真は岡本が住んでいる地域限定で撮ったものです。その写真に現像液で絵を描く、絵画的手法を加えています。その個人的なものを普遍化させることが、彼の大きなテーマとなっています。
ビビットでリリックな岡本の世界観をご堪能くださいませ。

今回の展示は主に平面（アクリルフィット、写真）、ｵﾌﾞｼﾞｪ、照明あわせて20数点を展示。