ぶらさがっているもの

宙に浮いているわけでもなく、
地に足を着けているわけでもない。
安定はしていないけれど、
不安定というわけでも、ない。

ぶらさがるのが、好きだ。
少しの間だけ地から足がはなれる
その浮遊感が好きなのかもしれない。

ぶらさがっているものが好きだ。
飛ぶでもなく、地味に、
その身に重力を感じながら
中間に存在する、
間の抜けた緊張感が。

ぶらさがっているものをつくってみた。
間の抜けた緊張感を感じながら。

北村奈津子

北村さんは多摩美術大学油画時代から、オブジェ作品群を発表し続けています。
なにか特別なものからインスパイヤされるのではなく、 普通の社会生活の中から、北村さんの独特な視点で切り取った対象を、 ピリリとスパイスの効いた味付けをほどこし、私たちの前に再度出現させます。

写真の 「hanging」 は通勤電車のサラリーマンの中に、真似をしたお猿さんが1匹まじっています。通勤電車で毎日通勤しているお父さん方に感じ入って、日々観察していたといいます。サラリーマンの表情がリアルな写実力で表され、なんともいえないユニークさを醸し出しています。

ギャラリー椿では初めての個展となりますので、今後期待の造形作家としてご注目下さい。ぜひこの機会にご高覧くださいますようお願いいたします。

北村 奈津子　Kitamura natsuko

略歴
1982年　宮城県生まれ
2006年　多摩美術大学 絵画学科油画卒業

個展
2004年　humanite lab vol.1
　　　　　 「退職したら牧場を営むのが夢の男とその部屋」 京橋 ギャラリー東京ユマニテ
2006年　「アスパラガスの誤解」 京橋　ギャラリー東京ユマニテ

グループ展
2003年　2人展「こんぺいとう」　横浜　山手234番館　
2004年　「試展」　銀座　ギャラリー風
2005年　「試展2」　銀座　ギャラリー風
2006年　「食器棚」銀座　すどう美術館
　　　　　 「ギャラリーコレクション展」　京橋　ギャラリー椿
　　　　　 「画廊からの発言　小品展」　銀座　ギャラリーなつか
　　　　　 「アート＠土沢　アートフェスティバル」岩手　土沢
2007年　「ART in 堂島　アートフェスティバル」　大阪　堂島ホテル
　　　　　 「ギャラリーコレクション展」　京橋　ギャラリー椿
2007−2008年　町田市民病院アートプロジェクト　参加