GALLERY TSUBAKI ギャラリー椿

 

 

 

 

「いただきでおどる」というタイトルの作品を拝見していた時に、フランスの劇作家、アルトナン・アルトーが「言葉についての書簡」のなかで語った「言葉による文化と並んで、身振りによる文化がある」という言葉を思い出したのです。

身振りによる文化というのは、言葉による文化が「かさかさしたむき出しの観念を選んでしまった」が為に、一義的な物を指し示す表層言語で語られているのに対し、豊穣で多義的な流動性を内包している文化という事だと思います。
それは例えば日本の能楽やインドのカタカリ舞踏、バリ島の演劇などにみられるもの。
身振りは「象徴作用が生ずるプロセスの形とともにリズムを示していて、観念の代行・再現物ではない。象徴性の活動としてのコードなき舞踏のようなものだ」と言語哲学者の丸山圭三郎氏が云われているように、言葉の生まれる前の形はリズムを刻み、沸騰するカオスを生み出すのです。そしてカオスのなかから生まれた形は、高い叡智へと飛翔する。

「いただきでおどる」という作品はその具現化なのではないかと私は思う次第です。 (gaden:Y .Koichi )

関連情報 2003.9 2001.9

いただきでおどる
ブロンズ
いただきでおどる
松 194×120×60p
マスクTr
菩提樹 29×21×18p


踊り手 松

Angle  松、菩提樹

Gate 1-P
和紙、ミクストメデイア
35×21p


●伊津野雄二略歴

1948   兵庫県生まれ
1966  東京都立戸山高等学校 卒業
1969  愛知県立芸術大学美術学部彫刻科 中退
1975  知多工房を設立 木彫 家具木工芸を手がける
1980年代より  加えて 建築 装飾美術を手がける
     ( テラコッタ・ブロンズ・木彫 )
1975〜1988 知多工房として個展

彫刻展

1996  Distance  ギャラリーアルテ
1997  Distance  豊田市美術館ギャラリー
1998  Distance  前橋市煥乎堂ギャラリー
1999  伊津野雄二彫刻展  名古屋画廊
2001  伊津野雄二彫刻展  ギャラリー椿(東京・京橋)
2003  伊津野雄二彫刻展  名古屋画廊
2003  伊津野雄二彫刻展  ギャラリー椿(東京・京橋)
2004  伊津野雄二彫刻展  日本橋高島屋 (東京・日本橋)
2005  伊津野雄二彫刻展  ギャラリー椿(東京・京橋

 

お問い合わせ gtsubaki@yb3.so-net.ne.jp

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