富田有紀子さんは、1980年女子美術大学を卒業してから、1983年より発表を開始。「VOCA展'96」(上野の森美術館)では<VOCA奨励賞>を受賞。モチーフは花と果物など、とても心が癒される作風です。 ・・・富田さんの作品は、ご自身が楽しんで描かれているのがわかりますね。
はじめの個展はインスタレーションでした。連続したパターンのインストレーションをしたいと、でも描くのは大変だから版画だったら簡単だと思って(笑)、東京版画研究所で、銅版画を勉強したんです。このプレス機もそのときから使っています。その後は紙の素材から陶芸に移り、2回目の展覧会は、焼物を使ったインスタレーションだったんです。 ・・・かなり変遷してるんですね。 平面では表現したいことが、出来きれなくなっちゃったから・・・。でも1991年にギャラリーNWハウスで行われた、キュレーターの方達が、作家を推薦する連続企画展で、国立近代美術館にいらした近藤さんが私を推薦してくれて「平面でやってごらん」といわれました。それが私にとってすごく大きい切っ掛けになったんです。それまでは平面だけでは、いいたりないと思って、いろんな手法に挑戦してきたんだけれど・・・何故かそのとき自分ではとても上手にできたんですよ(笑)、それで焦点を絞ってやりだしたんです。
・・・?。
・・・なるほど。すべてがこの手の印象なんですね。 違うものに思われるからまだまだなんです。花も風景も同じものなんですけどね。なのに何処の風景を描いたんですかとか、この葉っぱは、何の葉っぱとかいわれてしまう。 ・・・具体的なものやタイトルが書いてあると、それに引きずられちゃうのかな・・・。 今の作品になる前は、架空の形を頭の中で想像して描いていたんだけれど、たとえば旅行に行って写真を撮るでしょ。私は気にいった場所では結構シャッターを押してしまうんです。その写真を整理しているときに、見た目は全然違うけれど、自分の頭の中のイマジネーションから形を作っているときと、アットランダムに撮った風景写真は、同じ気分のものなんだと気がついたんです。それから試しに風景を描き始めて・・・。
・・・うらやましいですね。 当てにされない人になることは大変ですよ(笑)。当てにされたり、帰りを待たれたりすると、見逃すんです。 ・・・果物をクローズアップして描かれてますよね。果物のお尻とか。
5月24日から開かれる韓国国際アートフェアーKIAFをお楽しみに☆ 富田有紀子 関連情報 2005.5 2005.5_b 2004.11 (C) Tomita Yukiko |