GALLERY TSUBAKI ギャラリー椿


高坂和子展
2001年5月14日(月) - 26日(土)
11:00AM - 6:30PM (日曜休廊)

視覚の体感−高坂和子の作品

 北海道室蘭生まれ、1945年から根室に住み、主婦業の傍ら、39歳から絵を描き始め、現在77歳の高坂和子。道内の公募展に作品を発表していた彼女ですが、近年、札幌、旭川、帯広、釧路などの若手学芸員たちに支持されて、彼らの企画展にしばしば、取りあげられ、大変な好評を博しています。1992年に東京で個展を開いていますが、残念なことに、彼女の作品は、まだ、十分には知られていません。
 繁茂する草むらや草花を凝視し、鉛筆の素描に基づき、キャンバスに、色分けしたクレヨンで無数に交錯する草花の輪郭線の下書きを施します。花々や葉や枝などの重層が精緻に描き出され、手前に露呈する花、葉、枝からひとつづつ絵の具で彩 色します。一葉一葉の色斑の筆触や色彩には、抽象絵画的な意識も認められるでしょう。が、作品全体を見ると、繁茂する樹葉や枝や草花の一つ一つが、うららかな陽光とオホーツクからの穏やかな微風とに戯れているかのように息づいているのです。そればかりか、仄かな暖かさ、心持ちの肌寒さという微温も体感されるかのようです。草花、作家、鑑賞者を貫く"視覚の体感"。絵を見る場の拘束的感覚を解き放つ、高坂和子の"絵画の力"をこの機会に、是非、ご実感ください。

正木基

叢・晩夏の抄
112.0x145.5cm
油彩
叢8 100F
油彩/キャンバス
1984
秋の光景 20M
油彩/キャンバス
1992
路傍抄 100F
油彩/キャンバス
1984

お問い合わせ e-mail - gtsubaki@yb3.so-net.ne.jp

室蘭市生まれ
根室市在住
1972 北海道美術協会展(道展)(丸井今井、札幌/以後76年、94年を除き毎年出品)
     (80年新人賞、81年佳作賞、83年会友賞、84年会員)
1974 女流画家協会展(東京都美術館/以後83年まで毎年出品)
1984 イメージ・道−北海道の美術'84(北海道立近代美術館)
1986 イメージ・群−北海道の美術'86(北海道立近代美術館)
1988 NHKラジオ「朝の自然情報」 出演(4月〜9月 北海道地区放送)
1989 北海道・今日の美術 世紀末の風景−微風と幻影
     (北海道立近代美術館、北海道立旭川美術館、北海道立函館美術館)
1992 第2回北の現代具象作家展(時計台ギャラリー、札幌 93年も出品)
     根室市総合文化会館小ホール緞帳原画制作
     根室市文化賞受賞
1993 第11回上野の森美術館大賞展(上野の森美術館、東京)
     (以後95年第13回展、2000年第18回展出品)
1996 第1回北の大地展(坂本直行記念館、北の大地館、北海道中札内村)
     第3回小磯良平大賞展(神戸市立小磯記念美術館)
1997 ロサンゼルス芸術祭展
     (ロサンゼルスコンベンションセンター。ロサンゼルス市文化委員会特別 賞)
1998 北の創造者たち'98 平面の断章III「知覚される身体性」(芸術の森美術館、札幌)
1999 美術に探る "原" 風景−1960年代から現在まで(北海道立旭川美術館)
     日本テレビ「美の世界」根室の野を描く 高坂和子
     (12月19日関東地区、2000年4月30日北海道地区放映)
2000 大いなる地平から〜釧路・根室の美術より〜(北海道立釧路芸術館)

個展
1978 喫茶かおり(根室)
1992 文芸春秋画廊(東京)時計台ギャラリー(札幌)

作品収蔵
1995 中標津町総合文化会館
2000 北海道立釧路芸術館



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