恒松正敏展
「映画『白痴』の仕事」+新作展「Metamorphosis」

■島田美術館
 〒860-0073 熊本市島崎4-5-28 Tel.096-352-4597
 am9:00〜pm5:00 水曜休館(祝祭日の場合は開館)

 
 本 館 /11月2日(木)〜12月24日(日)
 映画「白痴」(手塚眞・監督/坂口安吾・原作)の為に制作、撮影に使用した
  タイトル画、襖絵、屏風絵、石等  約30点を展示
 入館料:
 一般=500円(400円) 大・高校生=400円(300円)  小中学生=300円(200円)
 ※ ()内は団体20名以上の場合

 ギャラリー /11月16日(木)〜11月28日(火)
 油彩・テンペラ、デッサンなどの新作30点を展示(入場無料)
  ※オープニングパーティー 11月16日(木) pm5:00〜
 「変容62」油彩 ・テンペラ/キャンバス  F3 2000


キャンバスの前でいつも無心でいたいと思う。

内にむかうアンテナをいつも研ぎすましていたいと思う。

そして「絵」を描くということはどれだけ理性を失わず

狂ってゆけるかだと思う。

恒松正敏    

■映画「白痴」上映
  Denkikan CINEMA 熊本市新市街8-2 Tel.096-352-0110
 11月18日(土)〜11月24日(金)上映時間未定 詳しくは劇場まで

■恒松正敏&VISIONS ライブ DJANGO
 
 12/15(FRI) 下北沢CLUB251
  OPEN 18:30 START 19:00
  チケット前売取扱い チケットぴあ、下北沢CLUB251
  前売\3,000.- / 当日¥3,300.- (ドリンク別)
  問合せ:下北沢CLUB251 03-5481-4141

  12/16(SAT) 博多JA-JA
  OPEN 18:30 START 19:00
  チケット前売取扱い チケットぴあ、博多JA-JA、ハイサイ
  前売\2,500.- / 当日¥2,800.- (ドリンク別)
  問合せ:オフィス・ケストレル 092-752-2200 博多JA-JA092-821-5959

  12/17(SUN) 熊本DJANGO
  OPEN 18:30 START 19:00
  チケット前売取扱い チケットぴあ、熊本DJANGO、WOODPECKER
  前売\2,500.- / 当日¥3,000.- (ドリンク別)
  問合せ:熊本DJANGO096-355-6960 WOODPECKER 096-325-2503


映画「白痴」の仕事          恒松正敏

 昨年公開された手塚眞監督の映画「白痴」(原作・坂口安吾)―この映像美あふれる映画に、僕は一人の画家として参加した。 タイトル画を始め、劇中の人物である気違い絵師""木枯""の棲む古い屋敷の襖や屏風、箪笥や石などに絵を描くのが僕の仕事。 台本を読み、手塚監督との最初の打合わせで基本的なラインを確認し合った上で、後は好きな様に描いて欲しいとのこと。 手塚眞氏との出会いは七、八年前に逆のぼる。
 その当時からこの映画の話は漠然と聞いてはいたのだが、具体的な仕事の内容が決定したのはクランクインの二ヶ月程前。 その間に個展もあり、〆切までの制作日数は約一ヶ月半。
 描くモチーフ的にはこれまでの自分の絵画の集大成的な物にしようと思ったが、時間の制約もあり、まず画材の面 で乾きの遅いいつもの油彩・テンペラは使えず、墨とアクリル絵具で描くことにした。 また、屏風絵や襖絵は以前から興味があり、いずれ自分でも描いてみたいとは思っていたが、普段比較的小さな絵を描くことが多い僕にとってはサイズ的に大きい。そしてその枚数も多い。 さらに箪笥や石などの素材の違い。いろんな意味で、ほとんど初めてといえる体験だったが、自分ではほぼ全力を出し切ったと現在でも思っている。 この映画のクライマックスといえるラスト近くの大空襲シーン。一切が燃えあがる。
 当然、僕の絵も燃える―と書くとえらく物騒に聞こえるが、もちろん手塚監督との合意了解の上での話だ。
むろん作品全部というワケでもない。そこは映画、実際に燃やしたのは視覚効果 を考えて平面よりは立体モノ、つまり箪笥や飾り棚、そして顔のある石たち(本展の箪笥は再制作)。 それらの作品はみごとに燃え尽きてしまったが、その燃えてゆくさまが永遠にフィルムに残り続ける。
 そして、またいつでもスクリーンの上で燃えてゆく自分の作品に会える。僕は大きな楽しみを手に入れた。

つねまつ・まさとし  
1952年熊本県人吉市生まれ。
77年東京芸大油画科卒業。七十年代末、フリクションの伝説的ロックギタリストとして活躍。
一方、30歳を過ぎた頃から連作「百物語」を始め、独自の幻想的な画業で注目をあつめる。 ギャラリー椿(東京)、島田美術館ギャラリー、熊本県立美術館分館など、主に個展を中心に作品を発表。
ミュージシャンとしてもライブ、CD多数。画集『百物語』、『水辺』(ワイズ出版)

 

恒松正敏関連の情報は以下5件あります

[2000/05/29][2000/05/30][1999/09/06]

[1999/09/06][1998/05/18]

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